非幻想異端的日常
2008年 4月 1日 (火)
 いきなりバイトが休みになった。バイト先でも事務所でもやることは変わらないのでバイト代が無くなるぶん明らかに損になるのだが、気持ちはズボラにも喜んでいた。出不精なのである。

リック・フレア 米国WWEのプロレスラー、リック・フレアが引退したらしい。またアングルだろうと思ってYouTubeにアップされている動画を見たらマジだった。
 とても感動的な引退セレモニーだった。フレアの最後の言葉がよかった。こんな言葉で最後に大勢の人々に感謝して引退できるアーチストは幸せだと思う。- Thank you all for making me who I am today -

 ギャオでリック・フレアの昔の日本での試合などがあったので、しみじみ見ていた。
 ちなみにフレアといえば、十年前くらいに新日のG1クライマックスに出場したときが一番印象に残っている。

2008年 4月 2日 (水)
 荻窪でお料理の先生と打ち合わせ。ついでに俺の困った食生活についていろいろ助言をいただいた。とりあえずべったら漬けが食いたくなった。

 うちの会社の仕事の関係者で毎月料金が発生している仕事を担当している人とここ数ヶ月連絡がとれず、電話しても出ず、メールを書いても返事が来ず、仕方なく彼をあいだにはさんでお付き合いしているクライアントに直で連絡を取ったらすでに先々月いっぱいで契約を打ち切られていたことが判明した。なのにこちらは連絡がとれないのでそれを知らず、ずっと仕入れ料金を払い続けていたのだ。つまりうちは数万円の損をしたのだ。この赤字で経営が苦しい時に、やっていいことと悪いことがある。彼にはうちの会社に百万円以上の損害を与えた前科があり、それを許してこうして付き合いを続けていて、こうまでキレイに裏切られるとは、笑いが止まらない。とりあえず損害を与えた金額は遡ってすべてきっちり払ってもらうことにいたそうか。

2008年 4月 3日 (木)
 錦糸町で競馬の仕事の打ち合わせ。うちの会社はたまに競馬の仕事ってのが舞い込む。ネットでアダルトサイトの次に多いジャンルが競馬関係だと前に聞いたことあるので、これは不思議なことでもない。
 ギャンブルはまったくやらないのであまり興味はわかないが、味気ない企業サイトや通販の仕事よりはどことなく背徳な趣があっておもしろいとも言える。
 映画のオフィシャルサイトの仕事でもこないものかな。

2008年 4月 4日 (金)
 テレビでジョージ・ルーカスの監督デビュー作「THX-1138」がやっていたので初めて見た。
 ルーカスがまだ二十代で撮影したと聞かないでも驚くほどのクオリティの高さだが、最近の日本映画のクオリティの低さも同時にひしひしと感じる。いくら天才とはいえ、25歳の若造にこんなものを作られて黙ってみていられるほど日本映画は堕落していいものだろうか。プロの映画監督ならこれくらい普通に作れる人ばかりになってほしいもんだよな。
 ちなみにルーカスが二十代の監督デビューでこれだけの作品を撮れて、今の日本の映画監督になかなか撮れないのは、どれだけ良いキャスティングが揃えられるかが大きく関係していると思う。この点に関しては、ルーカスがスゴかったというより、俳優の質も含めて、当時のアメリカ映画の土壌にこういうキャスティングが成立する要素が含まれていたんじゃないかと思う。関係ない話になるが、映画の歴史の浅い韓国映画であれだけ元気のいい作品が盛んに作られるのは、やっぱり良い映画が作られる土壌がむくむくと育っているからなのだと思う。じゃなかったら、日本映画の監督たちはほとんどがバカってことになるじゃないか。育成から配給までを含めたシステムの堕落だと思いたい。
★★★★ さてこの映画、お話しは近未来のSFもの。人民は男も女もスキンヘッド、日のあたらない地下都市に住み、生殖行為は禁止され、生活からはエンターテイメントもファッションもデザイン性も排除され、ひたすら流れ作業の仕事にあけくれる日々。精神的に追いつめられた主人公は教会で虚しい胸中を打ち明けるが、キリストのイラストからはコンピューターの声でマニュアル通りの慰めの言葉が流れるだけ。それでも一応、落ち着いたように家に帰る主人公。まるで壊れた機械を微調整するかのように人の心も通り一遍のプロセスで修復される世界観なのだ。まるで昔々ならず、未来未来のおとぎ話のようなファンタジックなまでの白を基調とした映像が、管理社会の血の通わぬプラスチックな恐怖を同時に象徴している。この感性。しかし設定やアイデアばかりの映画ではない。それらを完成度の高い芸術に成り立たせているのは基本となる映像センスや人間描写が完璧だからだな。
 この普通に素晴らしいところがまったく素晴らしい。ジョージ・ルーカスといえばスターウォーズしか見たことなかったが、これでアメリカン・グラフィティも見てみたくなった。

2008年 4月 5日 (土)
 ひさびさに学習塾で打ち合わせ。ここも長くズルズル引きずりいつ終わるとも無く続いている仕事のひとつであるが、その中でもここは特に長く、最初にある種の結果は出ている例外的な仕事でもあるのだった。
 夜は妹1の誕生日ということで、父のおごりでカレッタ汐留の中華料理で妹1と食事。ひとつ仕事の話しが新しくはじまった。これもまた新たに加わった果てしない物語のひとつとなりそうな臭いが初っぱなからプンプン漂っていたりする。
 なるほど。俺にとってこれからの仕事のテーマはひょっとして長いものに区切りをつけること、なのだろうか。そういえばそれを言ったら仕事だけじゃなく、いろいろありそうだ。

2008年 4月 6日 (日)
 バイトしている会社が大変なことになった。そこで今日は急遽そこの社長と先輩と飲みに行き、今後どうするか相談した。まあ相談と言っても具体的にどうしようもないことなので、やるべきことはほとんど最初から決まっているし、あとは心構えの問題なのかもしれない。その点、社長さんはモノがわかる方なのだった。

2008年 4月 7日 (月)
 俺が撮影で参加した自主映画「夏を終わらせる儀式」の最初で最後の単ピン上映会。場所は原宿のおしゃれで小さな映画館。なかなか素敵で、こんな場所で映画を上映したら映画もおしゃれに引き立つというものだ。俺は上映の裏方を手伝った。上映の後、近くのエスニックのレストランでめしを食いながら皆と閑談して帰った。

 お土産に「夏を終わらせる儀式」のDVDをもらったので早速見てみた。このDVDにはメイキング映像と称し、俺が撮影を担当したリハーサルの風景が収録されている。このメイキングは今年の1月に目白のレストランで試写会があったときに少し流れたのだが、俺のカメラワークがやたらやらしくて、自分で見ていて恥ずかしかったのを覚えている。リハーサルの時はまさか映像がDVDに収録されるなんて思いもよらないから、好きなようにカメラで遊んでいたのだ。
 改めてじっくり家のテレビで見直してみるとそれほどやらしくはなかったが、しかし好きなように撮影を楽しんでいるのがわかる。カメラを持たせたときの俺が如何に人格が変わるのかがこれを見ているとよくわかる。

2008年 4月 8日 (火)
 バイト。大変なことになったバイト先だが、俺は俺の出来ることを淡々とやり遂げるばかりである。だいたい、俺の仕事のほうもかなり大変なのだ。大変どうし、大変さも痛み分けということで頑張るしかないのである。世の中、なるようにしかならぬのだ。
 たまに頭の中がパニックになりそうになるが、そんなときは落ち着いてひとつひとつ確実にやってゆくことにしている。かなりスピードは落ちるが、次の加速まで助走をつけているのである。これをしないと、精神状態を維持するのがなかなか難しくなるのだ。
 からだの中が海水でいっぱいになり、エンジンの壊れた心がぷかぷか浮いて漂っている。

2008年 4月 9日 (水)
 ひさびさにOさんと目黒でお会いした。Oさんもいろいろあったそうだが、元気そうで何よりだった。見た目はずいぶん若々しくなっていた。「世の中くだらない人間ばかりだよ。そこいらを歩いている人間なんて、俺にはみんなゴミにしか見えないね。しかしわれわれはそのゴミを相手に商売をしなきゃいけないんだ」そんなOさんらしいことを言うOさんの話しは良い刺激になった。そして彼との会合は、最近、俺の会社にふりかかった災難の適当な厄払いにもなるものだった。表面的な変化ばかりを追っていたら、本当に意味のあるモノのカタチは見えてこないのだ。

2008年 4月 10日 (木)
 通販サイトの制作を頼まれ、渋谷のA社に出向。そこの担当のTさんが考えた構想にそって、ちゃちゃっと制作した。タイムリミットがあったのと、隣にTさんがいてアレコレと指示されながらやったのとで、なんだかやたら仕事がはかどり、時間内に目的のところまでほとんど終わらせることができた。普段自力で仕事をしていたらこうはいかない。仕事の合間にミクシィ見たり、ギャオ見たり、ゆうつべ見たり、和菓子食ったり、側にいる人と雑談したり、だらだらと、いつの間にか時間がたってしまう。今日の仕事モードがたまに再現できれば、もう少し仕事の効率化がはかれるに違いない。もうひとりの自分が側にいて、自分にアレコレ指示しながら仕事をするイメージだろうか。

2008年 4月 11日 (金)
 半年くらい前からYouTubeで注目していたネットアイドルであるマギボンが、ついに来日を果たし、ネットのテレビに出演した。俺にとって最近では一番のニュースだ。
マギボン ちなみにマギボンとはYouTubeに自分で自分を撮影した動画をアップし、150万ものアクセスを記録してしまった謎のアメリカ美少女である。住んでいるのは俺も15年前に住んでいたペンシルバニア州の田舎らしい。
 普通ネットアイドルとは動画で歌を唱ったり踊ったり何かをしゃべったり、何らかのパフォーマンスをするものだが、マギボンの特徴はただ黙ってピースをしているだけの動画ばかりをアップしているわけのわからないところにある。実際、もしマギボンが普通のネットアイドルのように歌ったり踊ったりたわいもないことをしゃべったりするだけのフツーのネットアイドルだったら、俺はまったく興味がわかなかったことだろう。俺は彼女のそんな何を考えているのかわからないところにひかれたのだ。
 マギボンは日本が好きで、モーニング娘。のファンで、いつか日本に行きたいとしきりに動画で訴えていた。そこに日本のネットテレビ局であるギャオが注目し、彼女にYouTubeを通してメッセージを送ったところ、彼女から同じくYouTubeの動画で返事がきて、ついにコンタクトが成功。その後はトントン拍子にギャオのスタッフがアメリカまでマギボンに会いに行き、日本のテレビに直接出演交渉、そしてマギボンは念願の日本行きを果たし、なんと大好きな元モー娘。の矢口真里とギャオで共演までしてしまったのだ。
 YouTubeで得体の知れない日本好きのアメリカ人美少女だった頃からずっと彼女に注目していた俺としては、彼女がネットとは言え、日本のバラエティ番組に出演している姿は感慨深いものがあった。
 マギボンとしては将来、日本に住んで働きたいらしく、日本のマスコミも第二のリア・ディゾンと注目する向きもあるようだが、さて、マギボンは日本の芸能人になれるだろうか。ひとつのドキュメンタリーとしてこれからも楽しみにフォローしてゆきたいと思う。

2008年 4月 12日 (土)
 銀座。六本木。最近この2都市が行動範囲の中心になってきた。山手線の内側である。

2008年 4月 13日 (日)
 ゴールデン街。ヨヨで水鳥さんと会い、そのままシネ、寿司屋、カラオケと朝までつるんで遊んだ。彼女はフリーのウェブディレクターをやっているので、仕事の協力を頼もうと思ったのである。いわゆる接待のようなものだ。
 それにしてもゴールデン街は非電気苺的な人間関係の方が精神的にくつろげる。なんか義務感みたいなものを感じるとダメなのだな。

2008年 4月 14日 (月)
 電気苺の脚本を印刷しながら、洗濯の用意をし、電気苺の脚本をチェックしながら、洗濯をした。洗濯機からはぐだぐだと音が鳴り、ゴールデン街の夜空まで轟くほど空気は淀んでいた。

2008年 4月 15日 (火)
★★★★ ギャオで映画「マッドマックス2」をひさしぶりに見た。何年たっても素敵な映画だ。俺の人生はこんな映画ばかりを見て、こんな映画を作って、こんな映画がわかる観客だけを相手にするのだ。
 それにしてもこの映画のファッションセンスほど秀逸なものはあるまい。いつか同じくらい素敵なものが撮れるように、よく目に焼き付けておこう。

2008年 4月 16日 (水)
 印刷した電気苺の脚本を渡しがてら、ゴールデン街で飲んだ。ヨヨでヘンなオジサンにつかまって、彼とシネ、そして初めて行くルードルという店をまわった。言葉にできないことがいろいろあった。かおるんに水鉄砲で攻撃されたのはそのひとつである。ゴールデン街が蜃気楼のようにはっきりとその姿を現した夜だった。

2008年 4月 17日 (木)
 銀座でメールを送り、六本木で電話して、虎ノ門でミーティング。また山手線の内側ばかりの1日。三カ所のうち一カ所だけ「ようするに俺は何をすればいいんですか?」と言う暇がなかった。

2008年 4月 18日 (金)
★★☆ ギャオで「マッドマックス/サンダードーム」を初めて見た。マッドマックスが大好きだった俺が、この映画を今まで見たことがなかったのが不思議である。
 この映画を見て、マッドマックスというシリーズの本質がやっと見えた気がした。一作目は復讐劇、二作目はカーアクション、三作目はアドベンチャー。バイオレンス伝説ヒーローもののコンセプトだけルーズにキープしてあとはエピソードを重ねる毎にその姿を変えてゆく、それがこのシリーズだったのだな。とにかくパート2とぜんぜん違うので驚いた。
 ド迫力なのにどこか優雅で歌うようにセリフを叫ぶティナ・ターナーがよかった。

2008年 4月 19日 (土)
 バイト先で新人さんが面接に来たので、俺の一存でその場で採用。

2008年 4月 20日 (日)
 バイト先の社長さんと先輩ふたりとバイトが終わってから飲んだ。いつのまにか終電をすぎてしまったので、そこの会社に泊まらせてもらった。自分の家以外の場所に泊まるのは我が家に龍神様がやってきてから初めてのことかもしれない。今日、占い師の先生に作ってもらった新しいブレスレット(天眼石、タイガーアイ、イーグルアイ、ラピスラズリ、アメジスト)が届いた。ポケットに入っていた水晶玉がいつのまにかなくなっていた(すぐに見つかった)。

2008年 4月 21日 (月)
 ひさびさに家で食事。なんて毎日だ。

2008年 4月 22日 (火)
★★☆ ギャオで映画「ハイジ」を見た。これは言わずと知れた、かの「アルプスの少女ハイジ」の原作のイギリスでの実写映画化である。クラシック映画のようなシンプルな情緒とおもむきのあるゆったりとした映像と自然の風景が見ていて心地よい作品だった。
 主役のハイジは可愛いが、100%素晴らしいとは言い難い。笑顔はいいのだが、それ以外のすべての表情がぎこちなく、そのうち演技もあまりうまくないことに気がついてきた。ハイジのぎこちなさばかりを意識して見ると、もうこの子役が映画すべてを台無しにしているとさえ思えてくるが、他の俳優は皆うまいし、映画として見応えのある映像が全編を支配しているので、気にならないと言えば気にならない。ハイジも笑顔だけは可愛い。いわゆる「タイタニック」のようなもので、中心になっている主役の恋愛エピソードだけはまるで話にならないが、それ以外の要素がほとんど良いので、全体としてはむしろ良い映画と言える。それより惜しいのはやっぱり日本のアニメの「アルプスの少女ハイジ」の印象が強すぎて、ストーリーが駆け足に思えてしまい、省略された部分を思うとどうも物足りない気がした。
 そんなわけで、評判の良い映画だし、それなりに楽しめたが、俺にはもうひとつ、煮え切らないものを感じた作品である。

2008年 4月 23日 (水)
 ここ二三日、四六時中、胃がキリキリ痛む。この痛さは前にも経験がある。暴飲暴食をしたわけでもなく、冷やしたわけでもない。明らかに精神的なものだ。最近、経済的に苦しいのだ。頭ではあまり気にしてないつもりでも、こうして胃にくるということは、無意識にかなり負担になっているのだろう。困ったものだ。朝、税理士さんがやってきて、数字を出された。わかっていたことでも、改めて具体的な数字に表されてみると、別の角度から打撃が襲ってきて、心は蜂の巣になった。

2008年 4月 24日 (木)
 銀座で被害妄想(ノートより)

2008年 4月 25日 (金)
 ついに「グラインドハウス」のDVDボックスを買った。
 これは六十年代から七十年代にかけてアメリカ各地の小さな映画館で公開されたB級セックス&バイオレンス・アクション・ホラー映画の二本立て上映をタランティーノ&ロドリゲスが現代に再現させたという傑作映画のDVDである。
 二本立てのうち、タランティーノは「デス・プルーフ」、ロドリゲスは「プラネット・テラー」を監督し、「デス・プルーフ」は去年の十月に映画館に見に行って狂喜乱舞してきたわけだが、「プラネット・テラー」はこのDVDで初見である。
 日本ではそれぞれの映画が別々に単独上映されたのだが、これはこの企画の趣旨から考えるとまったく間違ったやり方で、アメリカ本国では正しく二本立てで上映された。しかもその二本立ての最初と間にウソのB級映画の予告編が入るという徹底した再現っぷり。
★★★★★ このDVDボックスはその二本立てのアメリカ公開バージョンとその特典映像DVD、そして日本で公開された「デス・プルーフ」完全版とその特典映像DVD、「プラネット・テラー」完全版とその特典映像DVDの豪華DVD6枚組である。なんて素敵な宝物! ジャケット(画像参照)も雰囲気出ていてクラクラせんばかり。こんな素晴らしいものが俺のDVDコレクションに加わったなんて、もう幸せ。
 まずは本来のバージョンである二本立てのアメリカ公開版を見た。
 ロドリゲスの「プラネット・テラー」は初めて見たが、これもめちゃくちゃおもしろい。セクシーな美女が片脚マシンガンでゾンビを殺しまくる話しで、昔のB級映画を再現したフィルムの傷の入れ方も絶妙だった。
 人によっては「プラネット・テラー」の方がおもしろいと言うが、俺はタランティーノの「デス・プルーフ」の方が好きだ。シンプルで、前半と後半を逆転させる手法が何よりも意表をついていて画期的である。
 ふたつの映画は同じ俳優が何人もかぶっている。タランティーノやロドリゲスの作品は別々の映画に同じキャラが重なっていたりすることが多いので、最初はこれもそのパターンかと思ったが、どうやら違うらしい。俳優は同じでも、演じているキャラはまったく別人だった。なるほど、昔からB級映画ばかりに出演する俳優というのがいて、B級映画を何本か見ると、「あ、またこいつ出てやがら。また殺されてやんの」なんて言って楽しんで見ていたものだが、これはそういうパターンをパロったものなのだな。ここまでB級映画の世界を再現するとは、まったく、タランティーノとロドリゲスは映画をよくわかってる。
 ウソの予告編では「ドント」ってのが最高だった。
 これからしばらくは「グラインドハウス」DVDボックス三昧の日々となりそうだ。

2008年 4月 26日 (土)
 朝7時に起きて、虎ノ門でミーティング。その後、銀座で仕事。その後、給料日なので銀行で振込。長蛇の列で時間を食い、次の目的地に遅れた。
 小田急線の喜多見駅で坂口安吾の「桜の森の満開の下」原作の芝居を見た。最近、自主映画「Re」でヒロインを演じた琴美さんが新しく劇団に所属し、その初舞台だったのだ。俺の一番好きな作家の一番好きな作品の芝居を琴美さんが演じるとなれば、何を押しても行かないわけはない。
 仕事がパンパンに詰まっていたので、遅刻した上に途中で帰らなければならなかったが、琴美さんの出演シーンは見られたので満足だった。琴美さん少ない出番ながら、一番光る演技を見せてくれた。
 芝居の出来は、俺のイメージする坂口安吾の世界とかなり違って、そればかりが気になってしまった芝居鑑賞だった。

2008年 4月 27日 (日)
 この二日間、いろいろあって、仕事にならない。

2008年 4月 28日 (月)
 大縁会に出席。
 毎度新しいアーチストとの出会いがあるのがこの飲み会のチャームポイントだが、今日は新しく知り合う美人女優さんがふたりもいた。ひとりは絵も描いている、演技はまだ始めたばかりの、何にでもチャレンジしてみたいという好奇心旺盛な22歳。もうひとりは俺好みの味のある演技をしそうな女優さん。前者は一度アーチストとしてコラボしてみたいと思い、後者はこの役は絶対にこの人!といつか必ず思いそうなものを感じた。
 いろんなアーチストさんと知り合って語り合うのは楽し。

2008年 4月 29日 (火)
 最近ギャオで映画ばかり見ているが、ちょっと懐かしいところで薬師丸ひろ子の「ねらわれた学園」と「Wの悲劇」をひさしぶりに見てみた。実によかった。
 「ねらわれた学園」は酷い映画だと言う人がいるが、とんでもない。酷いとか良いとか、そういう問題じゃないことくらい了解した方のみ見てほしいものである。なにせこれは大林宣彦監督なのだ。大林宣彦の初期のこのタイプの映画はこれでいいのである。あと、手塚眞さんの演技がカッコよい。
 「Wの悲劇」は当時毎年放出され続けていた薬師丸映画の中でもなかなか評判の良かった作品だが、いま見るとなかなかクサいところも多い。しかし印象に残る名シーン名ゼリフの数々は、演劇を描いた映画としてはまず歴史の残る映画のひとつと言ってもよいだろう。三田佳子の演技が見応えあって素晴らしい。

2008年 4月 30日 (水)
 妹が引っ越しをするので、いらなくなった電化製品や本を持ってきてくれた。江原さんや内田春菊や遠藤周作の本がたくさんあった。江原さんは好きなのにまだ一冊もその著書を読んだことがなかったので、ちょうどよかった。ぱらぱら読んでみたら、ちらほらと為になることが書いてある。内田春菊は彼女の斜めに構えた目線で鋭く人間を捉えた作風がそれなりにおもしろい。遠藤周作の本が一番多くて、くれるものは何でも貰う(特に本は)性格の俺でも、ちょっと厳選させてもらった。遠藤周作はあまり好きな作家ではないのだ。


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