非幻想異端的日常
2008年 5月 1日 (木)
鳥居みゆき 鳥居みゆきが去年、結婚していた事実が明るみになり、にわかに騒ぎになっている。ミクシィなどをみるとファンたちがショックを隠しきれぬ書き込みを垂れ流しているが、俺は知り合いからとっくに聞いていたので(2月22日の日記の最後の段落参照。○○の部分には「既婚」が入る)、俺だけが知っているはずだった鳥居さんの秘密なくなってしまったことがショックだったりする。鳥居さんは結婚した直後にブレイクしたので、旦那さんアゲチンだね、などと知っている人の間ではささやかれていたそうな。

2008年 5月 2日 (金)
★★ ギャオで「SF/ボディ・スナッチャー」を見た。古いSFホラー映画である。主演はドナルド・サザーランド。
 宇宙人が人間の肉体をのっとってゆく、誰が人間で誰が宇宙人かわからない恐怖を描いた昔のホラー映画によくあったパターンで、この手の恐怖にはとっくに飽きている現在の俺としては、怖いと言うよりむしろウザかった。当然、オチもかなりウザい。
 有名な人面犬のシーンをはじめ、思ったよりショッキングなシーンがあるが、ほとんどの特撮はショボい。
 今ごろになって初めて見る映画じゃないよな。

2008年 5月 3日 (土)
 Facebookという海外のSNSに入会したら、二十年前にアメリカの大学でルームメイトだった同級生のスティーブを発見した。「やあスティーブ、僕のこと、覚えているかい?」とメールを送ったら、以下のような返事がきた。
 「もちろん覚えているとも! 僕に箸の使い方を教えてくれたキミを、どうして忘れられるものか(箸と箸で食べ物を渡し合っちゃいけないってこともね)。そしてもちろん、キミが教えてくれた『キモチ、ワルイ』とか、いろんな日本の言葉もちゃんと覚えているよ。メールくれて嬉しい」
 読んでてあの頃の日々が脳裏に蘇ってきた。なんで『気持ち悪い』なんだと考えてみたら、あの頃の俺はホラー映画ばかり見ていて、スティーブに「おい、DISGUSTINGは日本語でなんて言うんだ?」と聞かれたのだった。
 なーつかしーですねー。

2008年 5月 4日 (日)
 バイトが休みになったので、いくつかメールの返事を書いて、オーラの泉スペシャル見て、洗濯して、動画の編集して、ひさびさに家でカレーを食って、明日の外出の準備をした。たまに休めてもゆっくり出来ない。

2008年 5月 5日 (月)
 昼、埼玉のインド料理にて印度カラオケ。レイコさん、花ちゃん、そして初めて参加のやたら歌のうまい日本人の方が来た。インド料理をたらふく食って、インドの歌を聴いて、インドの歌を少し歌った。
 実は今日は楽しむだけでなく、ちゃんとした用事があったのだが、その用事は果たされることがなかった。

 夜、赤坂の焼肉屋さんで妹1とその友達のよこちんと食事。実はここの焼肉屋のホームページを制作する仕事の話しがきていて、今日はそのための接待なのだった。
 普段はとてもじゃないが食えないような高価な肉を吐くほどご馳走になった。

 今日は昼にインド料理、夜に焼肉をタダで食べられた非常にラッキーな日だったが、しかし別々の日だったらもっとよかった。インド料理は腹持ちが良いので、ぜんぜんお腹の減っていないうちに焼肉を食べたのだ。幸い中の不幸であった。

2008年 5月 6日 (火)
★★★★ ギャオで映画「ミザリー」を見た。スティーブン・キング原作で、遅咲きの名女優キャシー・ベイツの出世作である。知らずのうち、とっくに見たことあると思っていたが、よく見てみたら初めてだった。
 さすが四十すぎるまで無名だったキャシー・ベイツを一気にスターに押し上げた作品だけある。彼女の演技も見事なら、キングの原作をじわじわと盛り上げる映像演出もまた見事。こんな傑作だとは思わなかった。
 それにしてもあのシーンは痛い。原作にあったんだろうが、もし端折って映像化しても誰も文句言わなかったに違いない。

2008年 5月 7日 (水)
 いきなりバイトが休みになった。バイトのせいで出来ないことがたくさんある日常だが、いきなり休みになられても、出来なかったことがいきなり出来るわけもなく、無駄に収入が減るだけだった。しかし今日という日が自由の身になったことは単純に嬉しい。鳥居みゆき風に言うとプラマイゼロ。

2008年 5月 8日 (木)
 午前中、銀座でネット通販サイト構築のお手伝い。毎度のごとく、事務所では考えられないスピードで作業を片付ける。ここの仕事をたまに手伝うことになって、作業スピードを強化することができた。人を助けることは自分を成長させることでもあり、結局、自分を助けることと同じなのだということが今の俺にはよく理解できる。

2008年 5月 9日 (金)
★★ ギャオで「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」を見た。これは高校の頃に映画館で三回くらい見た懐かしのアニメ映画である。いま見ると割と笑ってしまうところも多いが、クライマックスのリン・ミンメイの歌う「愛・おぼえていますか」をバックに繰り広げられる戦闘シーンは何度見ても味わい深いものがある。いろいろな意味で、やはり歴史に残る名作には違いない。

2008年 5月 10日 (土)
★★ テレビで録画した邦画「ヅラ刑事」を見た。モト冬樹主演。
 バカ&パロディ映画の巨匠・河崎実監督のバカ映画である。
 実にバカバカしい映画であった。あまりにもバカすぎて、笑えなかったら死んでいたところだった。
 よかった、少しは笑えて。

2008年 5月 11日 (日)
 やっと自主映画Reの音楽がすべて上がってきた。映画の編集は90%までとっくに終わっているので、これでめでたく画竜に点睛が入って、映画が完成できる。

2008年 5月 12日 (月)
 映画で音楽をつくるコミュニティのひさびさのミーティング。本日の議題は今年の後半で行う上映会へ向けての内容と上映会場についてであった。場所は渋谷のフライデーズ。途中、オー・カルカッタでインド料理の食べ放題を食べてから行ったので、やたらお腹がはっていたが、ミーティングに支障はなかった。今、俺はとても忙しいので大掛かりな企画は無理だが、常に何かを作り続けていないと死んでしまう人間なので、息抜きにちょっとした制作が出来ればよいなと思っている。アイドルを育成するプロジェクトなんてのが始まりそうな様子である。

2008年 5月 13日 (火)
 下関マグロ先生がついに結婚したそうだ。おめでとうございます。

2008年 5月 14日 (水)
★★★★ 大縁会でもおなじみのドラゴン監督のVシネデビュー作「忍者旋風『ONIGIRI 』」のDVDを買ったので、早速、見てみた。ドラゴン監督といえば、自主映画界でもアクション&コメディの第一人者として知られる人物で、ビートたけしのプロレス団体にも所属していた経歴があり、空手の先生なんかもやっている肉体派の監督である。もちろん自作の映画のアクション指導も自らやり、映画そのものもなんとなく脳ミソ筋肉質的思考が際立つ大らかさが特徴である。
 さて「忍者旋風『ONIGIRI 』」だが、まさしくドラゴン監督の映画って感じで、何よりも世界観が秀逸で素晴らしい。ホームレスも子供もシンガーソングライターも喫茶店のお姉さんも写真家も、『伊賀忍者某』とテロップを入れるだけで強引に忍者にしてしまうこの世界観はどうだ。闘わなくても、諜報活動をしなくても、何か特殊能力とまではいかなくとも、人間として特徴があれば、それは忍術になってしまうのだ。
 喫茶店経営をやっている伊賀忍者たちが、お姫様を奪われ、自社ビルまで持つ大企業にまで発展している甲賀を相手に闘いを挑み、お姫様を救出するという物語で、1時間の話しにしては登場人物がやたら多いが、どのキャラも光っており、無駄無く物語の中にポジションが与えられている。このバランスがまた素晴らしい。演出は果てしなくシュールで、脱力しつつも、何だかキャラすべてに魅力があって目が離せない。知り合いがたくさん出ているのもポイント高い。さらに、松本人志さんの実兄である松本隆博さんなどという有名人(?)も出演していたりする。主演の女の子たちもとても可愛かった。結局3回も見てしまった。俺が今まで見たVシネの中でも出色のおもしろさだったかもしれない。
 さすがドラゴン監督、ベテランだけあって、状況を活かして映画をおもしろくする術を知っている。いつかメジャーな映画監督になる大きな可能性を秘めた監督だし、彼の大らかな感性は今の腐った日本映画界を蘇生させる良いカンフル剤になると思うので、これからも応援してゆきたい。
 みんなもDVD買うように。(7月からTSUTAYAでレンタルも始まるようです)

2008年 5月 15日 (木)
★★★

 ギャオで小津安二郎監督の「浮草」を見た。また渋いものがやっているではないか。やっぱり小津安二郎はいいね。

2008年 5月 16日 (金)
 池袋で動画撮影。アドリブで良い画が撮れた。現場で偶然に生まれたものが映像作品の核になることは多いが、もしそれがなかったら、他の核が有り得たのだろうか、それともこれは駄作になっていたのだろうか、興味深い問題だが、答えを出そうとすると、映像を制作するのが怖くなりそうなので、やめておこう。

2008年 5月 17日 (土)
★★★ ギャオでアメリカ映画「ヴァン・ヘルシング」を見た。こんな新しいハリウッドの映画も無料で見れるなんて、捨てたものではない。
 ヴァン・ヘルシングとはブラム・ストーカーの小説「吸血鬼ドラキュラ」の登場人物だが、それがいつしか吸血鬼ハンターの代名詞として知られるようになり、この映画では、そこからさらに発展させられて、怪物ハンターを専門とする怪物退治のスペシャリストになっている。つまりこれはヴァン・ヘルシングの名を初めてタイトルに冠したヴァン・ヘルシングの活躍を描いた怪物退治映画なのだ。
 登場する怪物はドラキュラはもちろん、ジキル博士とハイド氏、フランケンシュタインの怪物、狼男、せむし男など、有名怪物が総出演的な様相を呈している。
 CGを使った画がめちゃめちゃカッコいい。主役のヴァン・ヘルシングは残念ながらまったくキャラが出ておらず、カッコよくも魅力もなかったが、映像アクションだけでそれなりに楽しめる作品であった。

2008年 5月 18日 (日)
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 去年から携わってきたゴールデン街を舞台にした自主映画【電気苺】の制作がいったん中断となった。これはもう結構前から自分も予想していたことだし、周囲の一部からも予想されていたことだ。ただし「中止」ではなく「一時中断」である。【電気苺】という映画は必ずいつかこの世に誕生し、それを皆さんが目にする日は俺の命ある限り、100%やってくる。いわば、この度の中断は続けるための中断であって、このままでは【電気苺】は最後まで終わらない、終わったとしても作品のクオリティは不本意に貶められると判断しての、あえて中断という選択なのだ。

 さて、この度の経緯に至った理由は3つある。ひとつめは、間接的な理由。ふたつめは、直接的な理由。みっつめは、一番巨大で根本的な理由、である。
 ひとつめの間接的な理由とは、キャストのスケジュール調整と映画制作の進行管理が困難だった点である。なかなか撮影日程は決まらないし、当然、撮影も先に進まない。しかしこれは幾らでも解決の手だてはあった。だから間接的な理由なのである。
 ふたつめの直接的な理由とは、脚本がどんどん書き直しになり、映画のクオリティに支障が出てきたからである。仕方なく書き直しになるのなら良い。スケジュール調整と進行管理の怠慢のツケを脚本に負担させるのは困るのだ。良い映画を作ることは絶対課題である。これが直接の引き金になった。
 みっつめの一番巨大で根本的な理由とは、コミュニケーションの問題である。上記ふたつの問題は、コミュニケーションで何とかカバーできないことではない。普通なら5分で終わるはずの話し合いが、3日かかってもまとまらない。それどころか、まったくわかりあえない。異常に体力を消耗するばかりで、結局なにも伝わらず、理解することも出来ない。負担が大きすぎた。これがすべての問題を100%にまで有効化させていた下地である。
 くり返すが、【電気苺】の制作は中止ではなく一時中断である。この映画を納得のいく形で完成させるためにも、この選択はやむを得ない決断であった。

 今後の予定だが、【電気苺】はゴールデン街を離れ、別のシチュエーションで形を変えて、再スタートすることになる。ちょっと疲れたので、しばらく頭をリセットしてから再開すると思う。ゴールデン街で撮影する可能性も少しあるが、まだわからない。
 もちろんどういった形であれ、これまでのキャスト・スタッフにも参加してもらいたいと思う。俺の中で【電気苺】はずっと継続して生きているし、これからも変わらず生き続けてゆく物語なのだから。

 そういうわけで、これをもって【電気苺】はいったん奥に仕舞いますが、そう近くない未来、いつか【電気苺】が完成し、スクリーンで英子、マヤ、ルル、リタ、ヤン、ルラ、蘭蘭、ヤマダたちと会える日を、楽しみにしていてくださればと思います。

2008年 5月 19日 (月)
★★★ 浪漫狂NEOという劇団の「アカキミドリ」という芝居を見にいった。大縁会でおなじみの千佳ちゃんとあくたまさんが出演している。ここの芝居はいつもながらクオリティが高く、演劇が苦手な俺にもそれなりに楽しめた。全体的にセリフが多すぎて、俳優が早口でしゃべりすぎるので、ちょっと慌ただしくて落ち着かなかったのは少し残念だった。
 芝居が終わって外に出ると、ドラゴン監督と若手の女優さんのマンポさんがいた。ドラゴン監督には早速このあいだ見た「忍者旋風『ONIGIRI 』」の感動を伝えられた。

2008年 5月 20日 (火)
 前歯の一部分が黒く凹んできたので、これは早めにと、歯医者さんに行った。前に通っていた歯医者さんとは違う別の歯医者さんである。前の歯医者さんはこの日記をずっと読んでくださる方にはよく理解されていると思うが、なかなかツッコミどころ満載の愉快な歯医者さんで、日記のネタにはなったが、実害がありすぎるのだった。

2008年 5月 21日 (水)
 大縁会でおなじみの愉快さんがチラシの制作を頼みたいというので、西新宿の喫茶店でお会いして打ち合わせをした。どうもこの頃、大縁会関連の方との絡みが多い。依頼内容は白黒でシンプルで画像ナシで文字だけで、しかも余計なデザインはするなという、やたら難しいものであった。制作の前に悟りを開く必要があるかもしれない。

2008年 5月 22日 (木)
 渋谷でアクセサリー通販のサイト制作のお手伝い。HTMLだけでなく、ついでに撮影モデルも頼まれた。手タレってやつだ。

2008年 5月 23日 (金)
 音楽で映画をつくるコミュニティの安田さんがやってきた。塩せんべいでビールを飲みながら、彼の新たな野望のミーティング。

2008年 5月 24日 (土)
 我が社のコジロウさんが辞めることになったので、彼のクライアントのひきつぎに渋谷にいった。ついでにインド料理サムラートで食事した。その後、新橋のクライアントのところにパソコンのトラブルを解決にいった。その後、銀座のクライアントのところにいってメールを送るお手伝いをした。その後、六本木でふたたびコジロウさんと合流し、ペッパーステーキを食べて、事務所に戻った。一日中外を歩き回ったら、疲れてめずらしく二食できた。暑くてポカリ150mlを二本も飲んだ。

2008年 5月 25日 (日)
 めずらしくバイト先がニギヤカだった。

2008年 5月 26日 (月)
 大縁会に参加。
 【電気苺】も一段落ついたし、ぼちぼち前から言っていたここのメンバーとの自主映画制作を開始しようかと思っている。当初の予定ではかなり大掛かりな企画になるはずだったが、俺も含めて皆の都合もあるので、少し規模を小さく、さくっと進めようかと思っている。
 大縁会の後、千葉真一のマネージャーさんと美人の女優さんとゴールデン街で飲んだ。

2008年 5月 27日 (火)
 黒澤の「隠し砦の三悪人」のリメイクが公開され、話題になっているようだが、どうも見る気にならない。なにより、お姫様のキャスティングが気に入らない。上原美佐と長澤まさみでは、もう最初から勝負はみえているではないか。もちろん黒澤のオリジナルにはもとから敵うはずも無かろうが、しかしながら、どうせ作るからには、オリジナル以上の名作を撮るくらいの高い志を持って作るべきではなかろうか。このキャスティングでは、俺にはもう作る前から勝負を捨てて、話題性だけをとっているだけとしか思えないのだが、如何なものか。

2008年 5月 28日 (水)
★★★★

 こないだ購入した鳥居みゆきのDVD「ハッピー・マンデー」を見た。買ってひと月もかかってやっと見終わったのは、少しづつ見ていたからだ。彼女のコントは濃すぎて、一気に見れない。
 テレビでよくやっているヒットエンドランと違い、ダークすぎて笑えないけどおもしろい、しかしこれをおもしろがっていいものか疑問に思う、そんな芸風がホラー映画風の演出によりさらに強調され、薄ら寒くなるようなユーモアに満ちた鳥居みゆきらしいDVDに仕上がっている。よい。

2008年 5月 29日 (木)
★★☆ ギャオで懐かしの角川映画「野生の証明」がやっていたので見た。
 いま見るとかなり古臭いが、いま見てもそれなりにはおもしろい。
 俺は角川映画はあまり好きではないのだが、これはまあまあだと思う。
 キャストがなかなかいいよね。

2008年 5月 30日 (金)
★★★★☆ テレビで韓国のモンスター映画「グエムル」を見た。これはおもしろかった!
 この手のパニック映画というと、物語がいくつかの伏線に分散され、怪物を中心とした群像劇になりがちだが、この映画はある家族と怪物との対決というひとつの図式にがっちりまとまっている。そのぶん、警察や怪物を研究する科学班の存在感が散漫になり、説明が中途半端だったり破綻してたりするが、この手の映画にありがちなテレビドラマ然としたおざなりな伏線の羅列に辟易している俺としては、そんなことは何ら問題ではない。
 斯様に人間描写も素晴らしいが、何といっても何よりも、怪物であるグエムルの描写が素晴らしい。特にグエムルが初めて人界に現れ人々を襲うシーンは画期的なリアリティにあふれ、また嫌いな韓国映画にしてやられたと思った。
 しかしこれは映画館で見たかったなあ。どうして映画館で見なかったのかなあ。こんな素敵な映画だと知ってたら何を押しても映画館に飛び込んでいったのに。まったく世間の評価ってやつぁ、いつもながら俺の判断を狂わせやがる。誰だ「ゴジラ」と比べてるやつは。
 とにかくこいつは、俺の中で実に二十年ぶり「デッドリー・スポーン」以来のモンスター映画の名作として刻み付けられる傑作だった。

2008年 5月 31日 (土)
 ギャオでアメリカ映画「ナッツ」を見た。バーバラ・ストライサンドとリチャード・ドレイファス主演の法廷ドラマである。
★★☆ 法廷ものはアメリカ映画の真骨頂だが、これはちょっと複雑な設定だ。バーバラ・ストライサンド演じる娼婦が正当防衛で客を殺害してしまう。娼婦の両親は娘が裁判にかけられることをよしとせず、彼女を精神障害者として不起訴に持ち込もうとする。親のエゴのためにアタマのオカシな娘にされてはたまらないと娼婦は、リチャード・ドレイファス演じる弁護士と協力して両親の送り込んだ刺客・精神科医と裁判で闘い、正当な裁判権を勝ち取る、うというお話しだ。この精神科医を演じるのが「続・夕陽のガンマン」で主役のクリント・イーストウッドを見事に喰った名優イーライ・ウォラックである。実はイーライが出演しているから見たのだ。
 バーバラ・ストライサンドの熱演ばかりが際立つ作品で、かなり良い映画ではあったが、特に感動はしなかった。見ながら「いかにも原作がある映画って感じだなあ」とそればっかり思っていた気がする。それというのもこの映画化は、原作にあったおもしろさから、バーバラの熱演以外に映画的なおもしろさはまったく生まれていないんじゃないかという気がしたのだな。


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