アイノカタチ
白楽天:作

■ 1章「始まり」7

リツコは章介がシーツをどかすころにはすでに立ち上がっていて、少し離れた場所から佳奈の写真を取っていた。
(あんなに優しく愛撫されているってのもなんか妬いちゃうわね)
生贄にされた少女に嫉妬心を持つ自分に苦笑しながも、デジカメの液晶を覗き込みながらシャッターを切る。
章介の愛撫が始まってもう15分は経った。
佳奈はすでにブラもショーツも取り払われ、一糸纏わぬ姿で愛撫を受けている。
受け入れている、といいたほうが正しいようにも見えた。
章介の首に手を回しながら秘部への愛撫を受け、当初いやだといっていたものが今では章介の名前をつぶやいたりしている。
「あ、んん……」
「しょ、しょ…す、け、さ…ん…」
「んああ……い……」
今だヴァージンの少女とは思えぬほどその声は艶を帯び、愛撫に悶え腰をくねらせる様は普段の佳奈からは想像できない。
それほどクレセントの媚薬パウダーが強力なのだ。
佳奈は完全に章介の愛撫に陥落している。後は形式として佳奈に愛奴として調教を受けることを承認させるだけ。
とは言え、それも形骸化しているだろう。
こんなにも快楽を与えられた佳奈が今更身を引けるはずがない。それに今の状態では理性を働かせることも困難に違いない。
「どうだい、気持ちいいだろう?」
章介は右手で佳奈の秘所をゆっくりと撫で回しながら耳元に顔を近づけ尋ねる。
ゆっくりと丁寧に、まるで壊れ物を扱うように繊細に指を這わしていく章介。しかし、章介は肝心の愛芽にも蜜壷にもあえて触れないでいた。
もっとも重要な場所は“最期”に、完全に落ち愛奴になることを受け入れたときにのみ“褒美”として与える、それが章介のやり方なのだ。
愛奴になった後も、調教に耐えればその分様々な“褒美”を与える。調教し通しで精神・体力を削ぐだけでは決していけない。
むしろゆとりを残して、女たちが調教を半ば認めるような状態にしておいた方が飲み込みは早い。
「あは、あ……も、もう……」
佳奈はその愛らしい大きな瞳を潤ませ、章介の顔を見る。
その眼は章介を見ているようで、また、章介を通し天井を見ているようでもある。
「もう?」
章介は優しく微笑を浮かべ、鸚鵡返しに聞き返す。
「も、お……あふ…う……あ…ああ……い……」
佳奈は何かを口にしようとしたのだろうが、最早身体がそれどころではないらしい。
章介は佳奈の秘所がピクピクと小さく痙攣をし始めていたのに気づいていた。もうすぐおそらく人生初の絶頂を経験するのだろう。
他人の、しかも強引な愛撫によって……
(まぁ、イカせるつもりはないけど。愛奴になるまではね……)
章介は内心とても喜んでいた。できるならこの場で飛び跳ねたい。
もっとも章介はそんな真似はしないだろうが、感情的な人間は確実に飛び跳ねていたろう。
モデル顔負けのルックス、スタイル
柔らかい白磁のような肌に、艶を帯びた耳に心地よいソプラノの声
そして責められ秘所を濡らすマゾの気質
これほどまでに潜在的に愛奴に適した人間はいただろうか?
彼女は最高の“作品”になる。章介もリツコも確信していた。もしもこの場に他の調教師がいたら皆もそう思っただろう。
そしてその後は佳奈をめぐって取り合いになってもおかしくはなかった。

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