亜樹と亜美
木暮香瑠:作

■ 出会い系サイトの罠4

 二人のメールのやり取りは、夜通し続いた。『レイプ魔』と名乗る相手のメールは、『レイプしたい』という点を除けば普通のものだった。文面の乱れも無いし、亜樹の疑問にも正直に答えてくれる。そのことが亜樹に安心感を与えた。毎日がつまらないという共通点で繋がった二人は、飽きることなくお互いに返信メールを送った。

《 オレ、もう寝るよ。じゃあまたね 》

《 私も眠たくなっちゃった。じゃあまたね 》

 お互いに最後のメールを送りあい、亜樹はベットの上にで転がった。しかし、眠たくなったと言ってはみたが、なかなか寝付けない。不思議な興奮が眠気を妨げている。レイプという言葉が、脳裏に思い浮かぶ。亜樹は、手をパンツの中に忍ばした。

「あん、あん……。あはっ……、ううん……」
 忍び声を上げながら、指先を亀裂に這わせていく。潤みだした秘孔から愛蜜を掬い取り、淫芽に塗る。愛液に濡れた指先で、クリ○リスをコロコロと転がした。
「あんっ、いいっ……」
 レイプという言葉が気になっていた。亜樹は、クリ〇リス包皮を二本の指で剥き直接擦った。
「いやっ、だめ……」
 亜樹は自らの指で慰めながら、見ず知らずの男にレイプされる自分を思い浮かべた。左手で胸を強く握り締める。
「ゆっ、許して……。触らないで、犯さないで……、やめて……」
 自分の発した言葉で、興奮を昂ぶらせていく。
「そんなとこ、触らないで……。そ、そこはだめぇ……」
 うわ言のように呟きながら、クリ○リスを嬲っていく。

 二本の指が、自らの愛液で濡れていく。亜樹は、ベトベトになった指を二本同時に膣口に宛がった。
「いやっ、入れないで……。たっ、助けて……」
 拒絶の言葉を口にしながら、亜樹は二本の指を一気に押し込んだ。

「ううっ、ううう……」
 淫靡な喘ぎ声を上げながら、指を動かしていく。左手では、相変らず胸を揉み続けている。時折、尖り出した乳頭を二本の指で摘みながら、コリコリと転がした。
「はあ、はあ、はあ……」
 どんどん息が荒くなっていく。亜樹は、秘孔に入れた指をさらに奥へと送り込んだ。
「だっ、だめえ……。な、中には出さな、はっ、はうっ……」
 極度の興奮に、時々息が詰まる。見知らぬ男に犯されるおぞましさを思い浮かべながら、動かす指を早めた。

 初めて想像するレイプシーンに心臓が高鳴り、張り裂けそうにドクン、ドクンと大きな音を立てている。妄想の中で、男の怒張が大きく膨れ上がり亜樹の秘孔を押し広げる。
「やめて、健吾! だめっ、こんなこと……。許して……」
 興奮が高まった時、脳裏に浮かんだのは健吾だった。ここ数ヶ月、最初はアイドルを思い浮かべてオナニーを始めても、絶頂を迎える時に思い浮かぶ顔が健吾になっている。いつからだろうと思うと、それは、亜美と健吾が付き合いだした頃からだった。

「ああ、も、もう……、だっ、だめえ……」
 健吾の放った精液が膣の中に満たされていく。
「ああっ、あう……、あああ……、いっ、いいっ……、い、いくう・……」
 亜樹の肢体がベッドの上で震える。首を退け反らし、爪先がピンと伸びる。
「ううっ、ううう……」
 肢体がガクンガクンと弾んだ。朦朧とした意識の中、健吾に嬲られながら亜樹はエクスタシーに達した。

「はあ、はあ、はあ……。また健吾が出てきちゃった……」
 官能の後訪れるのは、言いようの無い虚無感である。
「どうして? どうして出てきちゃうの? 健吾は亜美の彼氏なのに……」
 亜樹は、涙でシーツを濡らしていった。

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