青い蹉跌
横尾茂明:作

■ オジサンの玩具2

私はシャワーを浴びに行く…わざと戸を開けてするの。

オジサンが服を着ながらそれを見ている。

裸でオジサンの前に行きタオルで体を拭くとこ見せるの。

「君って…そんなに可愛いいのに…どうしてこんなことするの?」

あっ…始まった、でも…可愛いいって言ったから許しちゃお。

私は服を着ながらオジサンの質問に適当に答えた。

「また…会ってくれないかなー、君の柔らかい体…忘れられないな」
「今度はもう少し多く払ってあげられるから…」

「いいよ…じゃぁこれ私の携帯番号ね」

財布にお金をしまいながら、番号を書いた紙片を渡す
こんなオジサンがたまにいるから…いつも持ってるの。

「じゃぁ出ようか」
「うん…」

ホテルを出る、オジサンは頭を掻きながら逆の方向に歩いて消えた
初夏の夜風がすごく気持いい…時計は十時を少し回っていた。

お母さん…今夜も帰ってこないんだろうな…。


次の日、教室に菜穂が笑いながら入ってきた。
「由加ちゃん、どうだった昨日のオヤジ…」

「うん…ちっともいかなくて…疲れちゃったよー」

「だから言ったじゃない…酔ったオヤジはやめなって」

「でも…人のよさそうな人だったから…」
「若い人って怖いもん」

「そうね…ヤクザもんだったら怖いよね」
「そっ、ねえ聞いた? 先輩の祐子さん…エンコウ相手がヤクザだったらしく」
「いま…AVで裏サイトに出てるって」

「本当…コワーイ」

「私達も…気をつけなくっちゃ」
「あんたの言うとおり…人の良さそうなオジサンが安心よね!」

「でも…何であんた売りなんかするの?」
「私はヒロシの為だけど…あんたどうしてお金がいるのよ?」

「ぅうん…お金なんかどうでもいいの…暇つぶしなの」

「ふぅぅん…暇つぶし…変な子ね」

菜穂は首を傾げながら教室を出て行った。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊