青い相姦
横尾茂明:作

■ 崩壊の足音1

授業が終わり直人は教科書を鞄にしまい立ち上がろうとしたとき、不良の雅人が笑顔で近づいてきた。

「直人…この前…妹を紹介してくれる件……どうなったよー?」

「あぁーあれね…」
「妹に聞いてはみたが…だめだとさ…もう付き合っているヤツがいるみたい…」
直人は出鱈目を言う…と言うより完全にそんなことは忘却していたのだ。

「ええーそれって誰だよー…城島か…それとも春田か…?」
「おいおい…しかしそれはないだろう…俺はもう半年も想い続けてるって言うのに…」
「直人…もう一回聞いてみてくれよー…俺がこんなに思っているつーことも添えてナ…」

「雅人、何回聞いても同じと思うよ…しかし、それほど言うんなら…もう一回は聞いてみるが…」
「でも…余り期待しないでくれよ…いくら兄貴でも…こればかりは強要できんからなー」

「よし、わかった!、あと1回だけ、ナッ…それで駄目なら…俺もあきらめるから…」

「しかしあんな可愛い子の代わりなんか…何処探してもいねーもんなー…」

「それと直人…お前の妹…どうやら学年中の男子が狙っているらしいぜ」
「んーっ…競争率は東大どころじゃないぜー…ったく」

「雅人…お前、今は女のこと考える余裕があんのかよー、今は試験勉強でそれどころじゃないだろう…」

「へっ…俺はお前みたいに秀才じゃねーからよ」
「落ちこぼれは落ちこぼれで、ちゃーんと行くとこがあんだよ」
「だからいまさらあがかねーの!」

「ハイハイ…おすきなよーに」
「俺はもう塾に行かなきゃ…じゃぁな」

「おい! ちゃんと妹に言ってくれよな!」

直人は返事もせずに教室を出た…(あんなバカに誰がアズをくれてやるもんか!)

塾に向かう途中…直人は心配になった。
(アズってそんなにもてるんだ、皆が狙っているというのは大袈裟だろうが…)
(兄の俺から見てもあんなに眩しいと思うってことは…雅人の言ってたことも案外…)

(いかん…獲られてなるものか、アズは俺だけのもの…そう俺の女なんだ!)
(あぁーアズを思い切り抱きしめたい…母さんさえ居なければナー)
(出張でも何処へでも行ってしまえばいいんだ…あんなババア…)

梓は兄に遅れること数分で中学を出た、梓は中学3年になっていた。

その透きとおるような肌と、均整の取れた美しいプロポーション
美しい憂い顔に零れるような微笑みは、近隣の男子高校生の憧れのまとであった。

梓が通う中学の校門付近には…
その噂を聞いた男子が一目見ようと、今日も待ち伏せをしているのは分かっている、だからナオミと連れだって出た…。

直人からもう付き合うなとは言われているが
勝ち気に梓を守ってくれるのは彼女しか居なかった…。

「アズ…また連中が待ってるよ…、ねっ、無視するの」
「高校生にもなって勉強もせずに中学生を待ち伏せるなんて…」
「そんなバカ達は相手にしちゃ駄目だからね…」

二人は急ぎ足で彼らの前を通り過ぎる…。
勝ち気なナオミがガードしているせいか
男子達は何か言いたそうに熱い視線を送るのみだった。

「ほら、ねっ…バカ男ったら勇気もないんだから…」
「そこにいくと…私の彼は強いんだから!」
「彼ったらね…私にね…俺の女になれ!」
「って…言ったんだよ、格好いいでしょう」

梓はどっちもどっちと思う…
今時おれの女になれって言うバカ男
それにのこのこついてくナオミ…。

正直…ナオミとはガード役以外では付き合いたいと思う友人ではなかったが
梓の知らないSEXのこと、男の歓ばせ方など…ナオミは経験豊富であった。

梓はそんなナオミに興味があっただけかもしれない…。

「ナオちゃん…じゃぁ、もうここでいいから、また明日ね」

「うん…だけどアズ…たまには私に付き合ってヨー、私の彼氏に会わせてあげるから」

「うん…会ってもいいけど…あなたに悪いから…」

「何で?」

「だってあなたの彼氏…私を見たら…私の虜になっちゃうもん」
「ほら私…こんなに可愛いでしょ」

「バカ…もうアズのバカ」

「ウフフ…冗談よー、じゃぁね……」

梓はスカートを翻して駈けだした
「お兄ちゃんもう帰っているかなー」

「お母さん…最近は早く家に帰ってくるもん…」
「だからもう…一ヶ月以上もお兄ちゃんに抱かれていないなー…」

「このままじゃ…お兄ちゃんのセイエキ…イッパイになっちゃうよー…」
「お兄ちゃん…絶対オナニーはしないと私に誓ったんだもん…」
「私が早く出してあげないと…」

梓はもどかしい想いで走った、今日こそ母が遅く帰りますようにと祈りながら…。

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