淫辱通学
木暮香瑠:作

■ 広がる淫辱の輪2

 相変らず、アナルプラグは振動し続けている。いままで、お尻からお腹の奥へと広がる淫靡な感触を気付かれないように我慢していた有紗も、誰にも見られいていない安心感が有紗の緊張を解いた。
「ううっ、ううう……。だめえ……」
 有紗は、美由紀に枝垂れかかるように凭れ掛かった。直腸に加えられた振動が、薄い肉を通して股間に広がっていく。淫裂の中の媚肉を震わせ、熱を帯びさせる。有紗は立っていられなくなり、体重を美由紀に預けた。
「ごめんね。わたし……、弱い女で……」
 美由紀は、謝りながら有紗をギョッと抱きしめた。

 その頃、理事長室では聖愛学園の理事長である嵯峨次郎が一本のビデオを見ようとしていた。知人から譲り受けたビデオである。名門校である聖愛学園に相応しい重厚な作りの部屋の中、肘掛付きの皮張り椅子に座りリモコンの再生を押した。重たげに脂肪の付いた下腹を突き出し、眼鏡の奥で細い目を大画面に向けている。

 画面には、タイトルが映し出される。いかにも素人が作ったと判る安っぽさだ。
「ぬふふ……、『制服陵辱! 処女惨散』か……」
 嵯峨は、細い目を嬉しそうにさらに細めた。

 聖愛学園の理事に就いてからの嵯峨は、大っぴらに遊べなくなった。教諭時代の悪い噂も、金で封じ込めてやっと理事長になれた。本来、淫猥な男である嵯峨だが、名門校である聖愛学園の理事という立場柄、真面目な男を装っている。しかし、眼鏡の奥の目が嫌らしく光り、生徒達から気持ち悪がられている。とても、親しみの持てる男とは言いがたい。学園では、目の前にいる女生徒達を眺め妄想を燻らすの唯一の楽しみだ。近づく生徒もいない。だから、遠目から眺めるだけだ。有識者の令嬢が多い生徒に、手を出すわけにも行かない。そんなことがばれてしまったら、自分の立場は一瞬にして失われてしまうだろう。

 そんな嵯峨だが、夜になると闇社会に首を突っ込み表社会の鬱憤を晴らしている。闇社会の女達は、口も堅く噂が表に流れてくる無い。しかし、すれた女ばかりにヘイヘイしていたところに、闇社会で知り合った知人が面白い物があると譲ってくれたビデオがこれだ。

 タイトルが終わり、薄暗い部屋に吊るされた一人の少女の背中が映し出された。少女は、やっと爪先が着くぐらいに、背中をピンと伸ばし天井から吊るされている。少しづつ照明が明るくなり、カメラはショートヘアーの少女を足先から少しづつ上へアングルを変えていく。すらりと伸びた脚、そして膝上五cm丈のスカート、スカートの上からでも判る余分な肉の付いていない引き締まったヒップと映し出していく。

「……、うむ?……」
 嵯峨は、見覚えのあるスカートに眉を折った。カメラは引いていき、少女の上半身を背中から画面一杯に映し出した。
「まさか……」
 また、聖愛学園の制服を模した紛い物かと思った。躾の厳しい聖愛学園では、男女交際どころかアルバイトをする生徒さえいなかった。有識者の子女が多い聖愛では、アルバイトをしなくてはいけないような家庭の娘は一人もいない。ましてやアダルトビデオに出る娘などはいようはずがなかった。

 しかし、カメラが少女を正面から撮らえるとその考えは覆された。頬に一筋の涙を流す少女、制服の胸には聖愛学園のリボン、左胸には聖愛学園を示すエンブレムが飾られている。まさしく聖愛学園のものだった。
「なに? うちの制服じゃないか……。聖愛学園の……」
 大写しで移された顔に見覚えがある。
「こ、この娘は確か二年の……」
 嵯峨は興奮し震える手で傍らの受話器を手にとり、ダイアルキーを押した。

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