淫辱通学
木暮香瑠:作

■ 広がる淫辱の輪5

 有紗の困った表情を伺いながら、雄一は嵯峨に言う。
「それじゃあ、理事長が教育するしかありませんな」
 嵯峨は、ニヤリと雄一に目配せした。打ち合わせ通り進んでいることに、思わず目元が緩んでしまう。しかし有紗は、退学になるか、学園の先生やクラスメートの軽蔑の眼差しにまみれてしまうのかという不安で、嵯峨の表情を読むことができなかった。

 嵯峨は午前中、ビデオを譲ってくれた知人に電話し雄一を探し当てた。雄一を呼び出し、一緒に昼食を取りながら打ち合わせをしていたのだ。学園の名誉を守りながら、学園一の美少女を思いのまま手に入れる手段を……。

「有紗、お前は退学になりたいのか? 聖愛学園を……」
 有紗の脳裏に、両親の困窮する顔が思い浮かぶ。
(私が退学になったら……、どうなっちゃうの? ビデオの存在を両親が知ったら……)
「い、いいえ……。退学には……、なりたくありません……」
 雄一の問いに、有紗は目を伏せたまま小さな声で答えた。

「権堂さん、高木君は本当に淫乱なのかね? 退学になりたくなくて、アルバイトしてたのを隠すためにそんなこと言ってるんじゃないのかね?」
 嵯峨は、疑いの言葉を雄一に投げかけた。
「そりゃあもう、だからお金も貰わずあんなビデオに主演してるんですよ。正真正銘の淫乱ですぜ」
「ち、違います。そんなの嘘です。わたし、淫乱なんかじゃありません」
 雄一のあまりの言い様に、むっと来た有紗は思わず大声を上げた。
「それじゃあ、どうしてビデオに出てるんだね? やっぱりお金かね? バイトなのかね?」
 嵯峨は、落ち着いた声で言う。
「そ、そうじゃ……」
 退学を匂わす理事長に、有紗の声が小さくなる。
「それとも、自分から進んで出演してるのかね? 欲望を満たす為に……」
 理事長の嵯峨からは、選択肢が二つしか示されない。
(どちらも違うのに……。どちらも……)
 有紗は、退学とビデオの公開をネタに追い詰められていく。

 有紗の困惑をよそに、雄一は嵯峨に尋ねる。
「理事長、ご自分でお調べになっては? 有紗が淫乱か……」
「そうだね。高木君が淫乱かどうか確信ができなければ、今後の対処のしようがないからな」
 嵯峨は、眼鏡の奥の目を嫌らしく緩ませた。

「いやっ……。理事長、信じてください。わたし、淫乱なんかじゃありません」
 有紗は、両手を机に着き訴え掛けた。その時、雄一がポケットの中に手を忍ばせた。有紗のアナルに埋め込まれたプラグが振動を始める。
「ああっ、うっ、ううっ……、ううう……」
 有紗は、机に着き伏した。身体を支えている手に力が入らず、倒れ込んでしまった。
(どうして? なぜ動き出したの?)
 お尻から、淫靡な振動が脊髄を駆け上る。
(ああっ、どうして・・・。リモコンは美由紀さんが持ってるはずなのに……)
 雄一がポケットから抜いた手には、リモコンが握られていた。
「リモコンは二つあったんだよ。一つは美由紀が、もう一つは俺が……」
 雄一はリモコンを持った手を理事長に見えないよう机の影にして、有紗の耳元で告げた。
(卑怯者……。こ、こんなところで……、ああっ、どうすればいいの……)
 有紗は、唇をきつく噛んだ。

 椅子から立ち上がった嵯峨が、有紗に近づいていく。
「どうしたのかね? 高木君……」
 嵯峨は、有紗の後ろに回り肩に手を掛けた。
「有紗はスケベな娘ですから、きっとオマ○コが疼きだしたんですよ。理事長が素敵で我慢できなくなったんじゃないな?」
「そうかね?」
 嵯峨の口元が緩む。目尻を下げ、卑猥な笑顔になる。
「きっと、パンツの中は濡れ濡れのはずですぜ」
 雄一の卑猥な台詞にも、有紗は弱々しく首を振ることしかできない。
「そ、そんなことありません……。ううう……」
 絞り出すように声を発する有紗のスカートに、雄一は手を掛け捲ろうとする。
「いやっ、やっ、やめて……」
 有紗は、スカートを抑えようと手をお尻に回した。支えを失った有紗の上体が机の上の崩れ落ちる。
「うっ、ううっ……、いっ、いい、いやあ……」
 お尻に襲い掛かる振動に耐え身体を捩る様は、まるで胸を机に押し付け快感を得ようとしているみたいだ。

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