ボクとアイツと俺
木暮香瑠:作

■ 罠に囚われた志穂8

 宗佑の突然の告白に志穂は戸惑った。自分が圭一を好きなことを知ってるのに告白してくる宗佑に……。
「ダメだよ……。ボクには……圭一がいる」
 志穂の困った顔を見てると、宗佑の股間はどんどん力を漲らせていく。

「ボク、宗佑とは……。ダメだよ、圭一も知ってる人となんて……」
 志穂のお尻には、宗佑の股間で固く大きくなった肉根が当たっている。宗佑の手から逃れようとするが、志穂の抵抗はか弱いものだった。力を込めて逃れようとしても、心の何処かでそれをさせない気持ちがあった。宗佑の夢を奪ってしまったことへの贖罪なのか、拒んではいけないという力が働いて強く拒めないでいた。
(ダメ……、宗佑に抱かれるなんて……。宗佑は、圭一の友人なのに……)
 自分と秘密を共有する宗佑……。自分を守る為、辛い思いをさせた宗佑と抱き合うなんて……。そして恋人の友人と抱き合うなんて……、贖罪の気持ちと罪悪感が心を乱す。
 志穂の抵抗が弱いと感じた宗佑は、志穂の身体を前に倒すとスカートを捲り、下着ごとショートパンツを脱がした。
「だっ、だめっ! そ、宗佑! 正気に戻って!! ボ、ボクには圭一が……」
 前に倒され四つん這いの格好にされた志穂が逃れようとするが、ショートパンツが膝に絡まり動きを阻害する。宗佑は素早くズボンを下ろし、分身を取り出す。そして志穂の腰を捕まえる。そして、まだ十分に乾ききっていない縦裂に怒張を宛がった。
「すまない。でも、気持ちを抑えきれないんだ。好きなんだ」
 亀頭が割れ目を拡げ、頭を没しようとする。
「好きなんだ。恥ずかしがり屋で、泣き虫の志穂が……」
(だ、だめなのに……。宗佑とこんな関係になったら……ダメなのに……)
 宗佑のストレートな告白に、志穂は抵抗する気持ちを徐々に削がれていく。況して秘密を守ってくれている宗佑、自分の夢を諦めてまで味方になってくれた宗佑を無下には出来ない。
(どうしたらいいの? ボク……)
 亀裂を拡げられ、今にも侵入しようとする肉根に戸惑うばかりの志穂だった。

(いつも意地悪してたじゃない、ボクに……)
 ブラジャーの線を見つけてはからかわれた。スカートを捲くられ、顔を真っ赤にすると、それをまたからかわれた。
(恥ずかしくて……、恥ずかしくてボク……)
 胸やお尻を触られ、ひゃっと声を上げれば面白がって、また意地悪された。
 その首謀者はいつも、ボクの困った顔を見てキャッキャッと笑う宗佑だった。

 いつも意地悪をしてきた宗佑、優しく庇ってくれた圭一。二人の笑顔が脳裏で渦巻く。

(好きだから意地悪した? ボクに? ボクをからかった?)
 一瞬の間に志穂の頭の中を巡る小学生の頃からの記憶や想い。圭一と宗佑の想いが同じ? 方法が違っただけなの?
 志穂の頭の中は渦巻く思考で混乱した。

 宗佑は、潤いの足りない蜜壷に肉根を押し込んでいく。
「だ、ダメッ! キツイ」
 媚肉を巻き込むように侵入してくる怒張に、志穂は身に感じる苦痛と心の苦悩に眉を折る。
「や、優しくして!」
 苦痛から逃げようと志穂は、宗佑の行為を認めるようなことを口走ってしまう。
「志穂の中……、温かい……」
 宗佑の怒張は、グイグイと柔肉を掻き分け侵入していった。

 まるで獣の交わりのような体位に、志穂の被虐心が煽られる。小学生の時に、圭一と宗佑と三人で遊んでいる時に見た光景。犬の交尾を、宗佑に教えられ恥ずかしくて顔を真っ赤にした。まるで今の自分と同じだ。四つん這いで背後から宗佑のモノを受け入れている。
「あうっ、うぐぐぐううう……。だ、だめえっ……、うううっ……」
 媚肉を抉られ、呻き声が漏れる。
(いやっ、あの時の犬と同じ……、こんな格好で宗佑のモノを受け入れてる……)
「うぐぐぐ……、ううっ……」
 志穂は、伸ばした喉から篭った声を上げ恥辱と苦痛に耐えていた。

「はうっ、はあっ、はうっ、はあっ、うううっ……」
 宗佑の腰が突かれる度、志穂の口から声が漏れる。そしてその声にも変化が現れ始めていた。

 グチュッ、グチュッ、グチュッ……。

 宗佑の怒張に絡み付き始める愛液。
(濡れてる? ボク……。こんな恥ずかしい格好でされてるのに……感じれる?)
 グチュッ、グチュッ、グチュッ、グチュッ、グチュッ……。
 明らかに水音が音量が増してくる。宗佑の突きに合わせリズミカルに淫猥な水音を立てている。
(ボク、感じやすい? ボクが感じてるんじゃない! 身体が勝手に感じちゃう!?)
 愛蜜を滲み出す自分の身体に戸惑う。
(どうして? どうして濡れちゃうの?)
 後から伸ばされた手がスポーツブラの中に滑り込み双乳を揉む。尖りだした突起がその掌を押し返す。
「志穂、感じてる? 乳首が勃ってる……。俺のチ○ポ、感じてくれてるんだろ?」
「か、感じてない! ボクが……、ボクが感じるのは圭一だけ!!」
 宗佑の問いに必死で志穂は言い返す。
(ダ、ダメエッ、……感じちゃ、ダメなのに……。ボ、ボクが……感じて良いのは……圭一だけなのに……。あうっ、ああん……)
「ううっ、はうっ、うううっ……、あんっ、うっ、はうっ、ううっ……」
 呻き声に混じり甘い喘ぎ声が混じり始めていた。

 宗佑の怒張が志穂の中でビクビクと震えだす。射精を迎え、力強さを増し膣壁を押し返す。
「……!?」
 異様な感覚に志穂は、宗佑が射精の時を迎えていると気付く。
「だっ、だめえ!!」
(避妊してない! コンドーム着けてない!!)
 避妊していないことに気付き慌てて拒む志穂。身体を揺すり逃れようとするが、その行為が怒張を擦り上げ、さらに怒張を刺激し宗佑の腰の動きを加速させた。
「気持ち良いよ、志穂……。志穂も気持ちいいだろ? こんなに腰を振って……」
「あうっ、だめっ、抜いて、だめっ、中に出しちゃあ、だめええ……」
 しかし、志穂の官能は宗佑の突きに悲鳴を上げ始めていた。
(ああっ、また、身体が浮いちゃう……あの時と同じ……)
 佐々木に犯された時と同じ感覚が志穂を襲う。
(あうっ、逝っちゃう? これか逝くってこと? あああっ、うっ、ううう……)
 志穂は背中を退け反らし、お尻を後ろに引く。まるで怒張を奥へと迎えるように……。
「ううん、はうっ、あん、ああん……」
(逝っちゃう、逝く、逝くうう……)
 脈動する刺激に志穂の腰が畝る様に揺れる。
(おっ、落ちちゃう……、うううっ……、あああっ、ああああああ……)
「うううっ、あうっ、ううああああああ…………」
 志穂は部屋中に響く呻き声を上げ、そしてガクンッと床に落ちた。



「はあ、はあ、はあ、……」
 生き絶え絶えに床に突き伏した志穂。まるでカエルのように足を開き、腰をピクピクと痙攣させながら……。怒張が抜かれた秘孔からは泡立った白濁液が零れ落ちていた。その後ろで宗佑は呟くように声を掛ける。
「俺と付き合えよ。セフレでもいいんだ、俺と……」
 宗佑は、志穂の答を待つでもなく独り言のように呟き続ける。
「圭一を好きなのは判ってる。俺を愛してくれとは言わない。セフレでいいから……」
 宗佑の言葉を聞く志穂は、何も答えず虚ろな瞳で荒い吐息を上げているだけだ。
「本当にセフレでいい……。圭一の為のセックスの練習だと思って俺と付き合えばいいじゃん。始めては嫌がられるって言うぜ。恐いだの、痛いだのって言ってなかなか進まないって」
(いつか……、絶対俺の女にしてやる。離れられない関係にしてやる……)
 宗佑は、床に横たわり官能の余韻にいまだ醒めぬ志穂を見詰めて思いを強くした。

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