ボクとアイツと俺
木暮香瑠:作

■ 週末の憂鬱8

「はあん、あんっ、あうん、あんんん、あん、あうん……」
 四つん這いの志穂は、力なく口を開き双乳を揺らしながら喘ぎ声を漏らしている。
「へへへ、ゴムの膜一枚無いだけでこんなに違うんだぜ。ナマは気持ちいいだろ?」
「ふあ? ナマ? あうん、ああん、あんっ、ううう……」
 朦朧とした意識の中にナマという言葉が耳に届くが、それが意味することを考えられるほどの意識は志穂には残っていなかった。
「あんっ、ううん……、うううっ、あん、あん、あううう……」
 志穂は、四つん這いで存在感を増している双乳を揺らし湿った喘ぎ声を上げ続けた。

「ううーー、我慢できねえ。せっかくフェラの練習したんだから、口も使わせてもらおうかな?」
 志穂の艶めかしい表情、吊り下げられ揺れる双乳と喘ぎ声に、大下は待ちきれないとばかりにズボンをおろし一物を曝け出す。そして、力なく開いた志穂の口元に宛がい腰を押し込んだ。
「うぐっ!! ……」
 異物の口腔への侵入に志穂はくぐもった呻き声を上げた。
「歯、当てるんじゃねえぞ。練習の成果、頼むぜ!」
「ううぐぐっ、ううう……」
 大下の腰が顔に押し付けられ怒張が喉奥深くに押し込まれ、志穂が苦しげに呻き声を上げる。
「ほらっ、舌絡めろ! チ○ポに巻き付けるんだよ! 練習の成果、見せろ!!」
 棚田と佐々木のセックスを見ていた大下は興奮を爆発させた。快感を求めて大下が怒鳴るが、しかし志穂には、舌を思い通りに動かす理性など残っていない。
「下手くそ! それなら勝手に楽しませてもらうぜ」
 そう言うと大下は腰を大きく振り始めた。

 ズボッ、ズボッ、ズボッ、ズボッ……。
「うぐっ、うぐっ、うぐっ、うぐぐっ……」
 前から後ろから怒張に責められ、志穂はくぐもった喘ぎ声を上げ続ける。
「うひょう、気持ちいいぜ」
 亀頭で喉奥を擦りあげている大下は目を細めて天井を仰ぎ見る。
「もう出そうっ! 佐々木、一緒にぶっ放そうぜ!」
「おう、俺ももう我慢できねえ」
 佐々木も腰を震わせながら怒張を膨らませた。
「……ッ!! うぐっ、うぐぐぐぐ……」
 膣中でドクドクと膨らむ肉根に志穂も肢体をビクビクと痙攣させた。
「いくぞ! しっかり受け止めろ!!」
「出すぞ! 全部飲めよ!!」
 二人の男は、腰を力強く押し出しありったけの性の放つ。
「うぐぐぐぐっ! うぐっ!! うぐぐ……」
 前と後ろから体内にザーメンを注がれ、志穂は苦悩の呻き声を上げた。

 床に崩れ落ちてもビクビクと痙攣を繰り返す志穂。
「ふう、大下、マ○コ使っていいぞ。楠木も犯るだろ?」
 カメラで今までのことを撮影していた楠木も、頭を縦に振った。
 そして、舞台をベッドの上へと移し、大下と楠木が志穂に襲い掛かった。



 何時間経っただろう。窓の外はすでに暗くなっている。男たちは精力が尽きるまで何回も志穂に襲い掛かった。ベッドに横たわる志穂は全裸に剥かれ、被せられていたロングヘアのウィッグも外れ、盛り上がった胸にお腹に白濁液が掛けられている。男たちは気怠い疲れを癒すように、煙草をふかしたりビールを口に寛いでいた。

 嵐が通り過ぎ、やっと訪れた静寂に意識を取り戻した志穂がのろのろとベッドの上で身を起こす。
「!? えっ?」
 股間からは何回もに亙って注ぎ込まれた四人のザーメンが溢れ落ちた。
「ひっ、酷い……、中に出すなんて……」
 正常な意識に戻った志穂は自分がされた行為に気づき男たちを睨みつけた。
「ナマで良いかって聞いたんだぜ、お前に……。否定しなかったからナマチ○ポが欲しいのかなって……」
「そうそう、ザーメン注がれて喘いでたじゃん。気持ち良かったんだろ? ナマザーメンの感触が、へへへ……」
「中出しされる度、肢体ビクビク震わせて喜んでたんだぜ。お前……」
「顔射すると目、トローンとさせて嬉しそうにしてたぜ」
 男たちの言葉に志穂は動揺する。
「うっ、嘘! そんなの嘘!! わ、わたし……」
 否定するが記憶のない志穂の言葉は弱々しい。
「信じられないなら後でビデオ見てみろよ。しっかり撮影してあるからさ」
 佐々木にそう言われて、得体のしれない不安が志穂を襲う。そのビデオに自分の卑猥な姿が映っていたら、記憶を失うほどの官能を味わっている自分が映っていたらという……。
「今回は気絶しなかっただけでも進歩だぜ。次くらいには、快感を味わえる様になるんじゃない? 身体はしっかりと感じてるみたいだからさ」
「そうそう、そんな悲壮な顔よしてさ。楽しまなきゃ損だよ、セックス……」
 男たちの軽く心の籠っていない慰めに、志穂の心は辛くなるだけだった。



 帰路に就く志穂。空はすっかり暗くなっていた。志穂は帰り際に佐々木に渡された錠剤を見つめていた。
「危険日ならこれ飲んどけ。妊娠はしたくないだろ?」
 佐々木に渡されたのはアフターピルだった。
「これ、男のマナーだよね。俺たち、女にやさしいなあ……、へへへっ」
「それとも俺たちの子、孕みたい? 気持ち良くしてくれるチ○ポの子供……?」
 男たちの冗談めかした言葉を思い出す。腹立たしさと共に中出しされた記憶が心を暗くする。
(圭一にもされたことないのに……。最初は圭一と……と思ってたのに……)
 涙を頬に伝わせながら帰路を急いだ。

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