ボクとアイツと俺
木暮香瑠:作

■ 夏休みの恥辱4

「えーっと、玩具も買ってかないとな」
「そうだね。アウトドアって言ったら玩具もいるよね」
(こんな店に玩具なんて売ってるの?)
 佐々木たちは志穂を連れ、店の奥へと進んでいく。

 佐々木たちは店員に挨拶代わりに軽く手を上げた。顔見知りの店員が、女性連れの佐々木たちに気付き、目的を察し商品をガラスケースの上に並べる。
「これは最新式の無線リモコンタイプで、電池もボタン電池内蔵で電池ボックスもコードもないタイプですね。使いやすいですよ、これは……」
 紐のついたピンク色の卵形のものが取り出され、佐々木たちの前に示された。
「この紐は?」
「紐ですか? 膣に入れて使うとき、取り出せなくなったら困りますから……。取り出しようの紐です。リモコンのアンテナにもなってるんですよ」
「へえー、膣に入れても使えるんだ」
 佐々木たちはニヤリと意味ありげに微笑んだ。
「こっちは? 一番太いのが良いな」
 ローターの性能を一通り聞いた佐々木は、バイブが陳列されている棚を指差した。
「太いのでしたらこちらですね。一番多機能ですよ、振動のパターンも……」
 店員が一つの箱を取り出した。ローターの横に置かれた箱には、明らかに男根を模した写真が描かれている。
「これなんだか判るか?」
 佐々木は、ローターを指差し志穂に聞いた。
「し、知らない」
 志穂は紅くなった顔を横に向けそっけなく答える。
「じゃあ、教えてもらわないとな、つ、か、い、か、た」
 恥ずかしがる志穂を面白がり佐々木は、嫌味の籠った言い方をした。
「教えてやってよ、この娘に。使い方……」
 佐々木の願望に答える為、店員がローターを手に近づいてくる。
「い、いやっ! ……」
 後ずさる志穂の後ろに棚田、大下が回り込み逃げ場を失う。
「ひら、教えてやってよ。コイツに……」
「本当にいいんですか? この娘に使っても? ここで……」
「ああ」
 店員の問いに佐々木は、大きく頷いた。

 佐々木と店員の会話を聞いていた客たちが、志穂たちの周りに集まってきた。店内が異様な雰囲気に包まれる。
「へえ、ここで実演販売かい?」
「そうみたいだね。それにしてもあの娘、可愛いね」
 志穂が店に入ってきた時から、店に不釣り合いな可愛さと美しさに客たちは気に掛けていた。客たちのねっとりと絡みつくような視線が志穂に注がれる。頭の先から胸に、ミニスカートから覗く太腿にと視線を這わせている。
「胸、でかいね。EかFはあるな」
「太腿もいいね。太くも無くそれでいて柔らかそうに肉がついて……」
「お尻もツンッと上向いてて……、パンツ見えそうじゃね? どんなパンツは穿いてんのかな?」
 客たちは、ロングヘアのアイドル顔負けの美少女に起ころうとしてる痴態を妄想して、各々好き勝手に感想を述べている。
(だ、だめっ、だめえ……)
 大下に両手を後ろで掴まれ身動きを阻まれた志穂は、訴えかけるような視線を店員に注ぎ、弱々しく顔を横に振る。しかし店員は、志穂の無言の懇願を無視し箱からローターを取り出す。

「これはですね、本体側のスイッチを入れ、リモコンのスイッチを押すと……」
 店員が説明しながらローターのリモコンのスイッチを入れると、卵型ローターがブーンと軽やかな振動音を響かせながら振動しだした。
「お客さんもお試しください」
 店員はそう言って、佐々木と棚田にも同じものを手渡した。

 店員の手にしたローターが志穂の胸に近づいてくる。ブーーンという音が志穂の耳にもはっきりと届き、不安にさせる。
(えっ、どうなるの? どんな感じなの?)
 大きくなるローターの振動音は、使ったことのない志穂の不安を大きくさせる。
 ついに店員の手にしたローターは志穂の大きく盛り上がった胸に到着する。
「ひいっ、うううう……」
 店員の押し当てたローターは、志穂の乳頭を的確に捕らえた。
「ひゃっ、うううっ、な、なに? うううううう……」
 軽く当てただけのローター、それが発する振動はキャミを押し上げる柔肉を震わせ、胸の奥深くまで刺激する。まるで電流を浴びたようにビクッと身体を震わせ、ローターを当てられた乳頭はジンジンと痺れを伴い熱くなる。
(イッ、イヤッ、何? なんなの? あんっ、あ、あ……や、いやっ、ンン……)
 乳頭を震わせる振動は、ジンジンとそこを痺れさせ周りへと広がっていく。
「とっ、止めて、ひゃんっ、だ、だめっつ!! はっ、はうっ、ううう……」
 逃れようとするが、大下に両手を後ろ手に掴まれ固定された志穂には、身体を揺するのがやっとだ。ローターを強く当てたり弱く当てたりを繰り返すと、それに反応して志穂の呻き声も裏返る。そして刺激を迎えに行くようにムクムクと勃起する。

「こんなのはどうですか?」
 店員はローターを円を描くように乳首の周りに当てていく。
「だ、だめえっ、ひっ、ひゃっ、あっ……」
 志穂の艶やかな唇から甘い声が漏れる。振動は胸全体に広がり、突き出されたキャミソールの胸の膨らみ、その頂点がぷっくりと盛り上がる。
「あれ? 乳首勃ってない?」
「本当だ、服着ててもわかるぐらい押し上げてるぜ」
 その姿を、店の客の中年男たち、楠木の構えるカメラのレンズが捕らえていた。

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