ボクとアイツと俺
木暮香瑠:作

■ 疑惑の日焼け跡8

「ねえ……」
 帰り道、遊園地から最寄り駅に向かって歩いていると、志穂が立ち止まりもじもじとしている。何か言いたげで落ち着かない雰囲気だ。
「!? どうした?」
 圭一は振り返り声を掛ける。志穂は交差点の駅とは反対の道の少し先を見上げている。志穂の目線の先にはラブホテルがあった。志穂が遊園地を選んだ訳がここにあった。
「あのね……、その……、この前の続き……、しない?」
「続き?」
「うん、この間は私のわがままで途中で終わったけど……、今度は大丈夫だから……」
「あっ、うん……」
 圭一は、志穂の手を取り駅とは反対の方向に歩いた。

 ホテルの部屋で、そわそわと落ち着かない圭一。シャワーを浴びている志穂が出てくるのが待ちきれなくて、服を脱ぎすでにコンドームは装着していた。その圭一の前に、シャワーを浴びた志穂がシャワールームからバスタオルを身体に巻いて出てきた。バストトップから股間までバスタオルが隠している。その姿を圭一が見つめている。
「きれいだよ、志穂……」
「恥ずかしいよ、そんなに見ないで……」
 頬を赤く染め志穂が顔を横に背ける。
「!? ……」
 宗佑はバスタオル隠れていない肌、志穂の首筋から胸に向け走る僅かな日焼け跡を見つけた。ほんのり日焼けした肌に、本来の白い肌が細い紐状に首の前でクロスしバストトップに向かって走っている。
(友達とどこか行ったのかな? でも……)
 圭一に疑問が芽生える。大きな胸を気にして露出の多い服を嫌っている志穂にしては、その日焼け跡は大胆過ぎる。バストトップはバスタオルに隠れていて判らないが、日焼け跡からして胸の谷間以上を晒す服でないとあのような日焼け跡にはならないだろう。それが服なのか水着なのか、どちらにしても志穂が好んで着る服とは程遠いものに違いない。

 でも、そんなことは今はどうでもいいことだ。志穂の身体を隠す唯一の布、身体に巻かれたバスタオルを押し上げる多くな肉球、バスタオルの裾から覗く太腿……。
(あの下には何も身に着けてないんだ。志穂の生まれたままの姿が……)
「恥ずかしいから……、そんなにじっと見ないで……」
 志穂はそういうとバスタオルだけを纏った身体で別途に横たわり、そっと目を閉じた。
「来て……。この前の続き、しよっ……」
「う、うん……」
 圭一も慌ててベッドに上がった。

 ベッドに横たわる志穂のバスタオルを剥ぐ。そこには圭一の疑問など吹き飛ばす魅力的な肢体があった。大きく盛り上がる双乳、括れた腰、そして一度は挿入を拒んだ秘唇……。それらが気になっていた日焼け跡のことなど忘れさせる……。
「し、志穂……」
 興奮がすべての疑問を吹き飛ばし、圭一は志穂に覆い被さった。

 志穂の唇に、圭一は自分の唇を重ねる。そして胸の膨らみを強く揉み、唇を激しく吸う。
「や、優しくして……」
(あっ、そうだ。濡らさなきゃ……。また痛がって……)
 志穂の言葉に、圭一は前回の記憶が頭を過る。挿入しようとした時、志穂が痛がり失敗に終わった。
(とにかく濡らさなきゃ……、濡らさなきゃ……)
 圭一は志穂の股間に手を這わす。
(あれっ? 毛がない……)
 圭一は不思議に思うが、そんなことより早く一つになることを意識は望んでいた。指を亀裂に這わせ、穴を探る。そしてゆっくりと中に忍ばせる。

 グチュ……。

 秘孔に侵入した指は、その中に溜めていた愛液を溢れ出させた。

(あれっ? 濡れてる、もう十分濡れてる……。志穂も俺のこと待ってたんだ。早く一緒になりたくて……)
 圭一は自分のガチガチに硬くなった分身を握り、縦裂に宛がい秘孔に狙いをつける。
(志穂とやっとやれる……、セックスできるんだ!)
 圭一は一気に押し込みたい気持ちを押え、ゆっくりと押し進める。
「あんっ! ……」
 亀頭が縦裂を広げると、志穂の唇から甘い声が漏れる。
(やっと圭一と一つになれる……。圭一を感じられる……)
 志穂にとっても夢見る瞬間だった。荒々しいセックスでの絶頂でなく、愛する者の優しさ溢れるセックスで思いっきり感じたい。期待に思わず声が漏れた。
(すげえ、入っていく、入って……)
 圭一の頭の血が一気に沸騰する。圭一は、興奮を悟られないよう腰をゆっくりと進めた。

 ズブ、ズブズブ……。

 膣内に溜まっていた愛液を溢れ出しながら男根が志穂の中に埋まっていく。
「痛くない?」
「うん、大丈夫。来て……」
 圭一の問いに笑顔で応える志穂。その笑顔を見て圭一は安心した。
(大丈夫だ、痛がってない……)
「行くよ……」
 圭一はゆっくりと腰を進め、肉根を最後まで埋め込んだ。

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