ボクとアイツと俺
木暮香瑠:作

■ 疑惑の日焼け跡9

 温かい肉壁が圭一の肉根をやさしく包む。
「感じる、ボク、圭一を感じてる」
 膣一杯に埋め込まれた肉棒に志穂も充実感を味わう。
「動くよ。痛かったら言えよ」
「うん」
 志穂は瞳を閉じ小さく頷いた。
(感じさせて、佐々木たちよりずっと……、何倍も……)
 佐々木たちによる辛いほどの絶頂ではなく、圭一なら甘く気持ち良い至上の空間へ導いてくれる、そう信じていた。

 圭一がゆっくり腰を送ると、それに合わせ膣壁が収縮し肉棒を締め付ける。
「気持ちいい? 志穂っ!」
(なんて気持ちいいんだ、あったかい、志穂の中……)
 志穂の温かさと締め付けを肉棒で感じ、その気持ち良さを志穂と共有したくて問いかける。
「気持ちいいよ」
「俺も気持ちいい。志穂、好きだ!」
「ボ、ボクも……、うっ……」
 志穂は圭一の物を膣に満たした充実感に言葉を詰まらせる。
「き、来て、もっと奥まで……」
 志穂はこれから訪れるだろう意識が飛ぶほどの快感を期待して圭一にさらなる挿入を求めた。
(志穂! 志穂、好きだ! 大好きだ!!)
 初めてのセックス、それも愛する志穂の膣の感触に、圭一は感動し気持ちが高揚する。志穂の身体も快感を求め、膣壁はうねるように収縮し肉根を引き込もうとする。
(うわあああ、引き込まれる。チ○ポが志穂の中に……)
「ううっ、ああっ……」
 圭一は初めて味わう膣内の感触に、息を詰まらせ身体をビクンッと震わせた。
(えっ? もう……?)
 志穂の膣中でコンドームの先端が膨らむのが判った。そして圭一の身体が志穂の上に覆い被さる。圭一の体重を受け止める志穂……。

「はあ、はあ、はあ……」
 志穂に覆い被さった圭一が大きく息を吐いている。
(圭一は初めてだよね、セックス……。だから我慢できなかったのかな)
 志穂は圭一の重さを体中で感じながら心の中で呟く。
「もう一回できるよね。もう一回しよ」
 今度は口にはしないが、もう少し激しく長くと期待し圭一に聞いた。

「すぐには……」
 体を起こし、だらしなく萎んだ肉棒を志穂の中から抜いた圭一は照れくさそうに微笑む。志穂と初めてのセックスをできたことで満足していた。肉棒に被さったコンドームの精液溜をぷっくりと膨らませて……。

「勃たせてあげる、ボクが……」
 志穂はそう言って圭一の肉根に被さるコンドームを手際よく剥がし、ザーメンが零れないよう口を結んだ。
(!?)
 圭一は、その手際よさに驚くと共に違和感を感じる。

 使用済みのコンドームをごみ箱に捨てた志穂は、肉棒に指を這わせ上向かせ鈴口にチュッと口付けした。
(志穂がフェラ?)
「き、汚いよ。そんなとこ……」
 精液に濡れた亀頭に口づけする志穂に圭一は声を掛ける。
「汚くないよ。圭一の物だもの」
 微笑みを向け志穂はそう言うと、再び亀頭に口づける。そして志穂は、尿道に残るザーメンを吸い取るようにズルズルと音を立て啜った。そしてゆっくりと亀頭全体を口に含む。
(ううっ、すげえ……気持ちいい……)
 志穂の舌がカリを抉るように舐める、そして裏筋を舌が這っていく。肉根の柔肌で感じる初めての舌の感触、それは手でするセンズリなどでは得られない至上の気持ち良さだった。

 顔を前後に揺すり肉棒を頬張る志穂。舌を棹に絡めることも忘れていない。肉棒はかムクムクと起き上がり硬さを増していく。
「硬くなってきたよ、圭一の……」
 志穂は上目使いで圭一を見上げる。
「もう少しで出来るね」
 そういって一層顔を振りズルズルと肉棒を吸い上げた。
(フェラしてる、志穂が……。恥ずかしがり屋で、アイドルの水着グラビアを見ただけで顔を真っ赤にするような志穂が……。こんなことするような娘じゃなかったはずの志穂が……)
 股を広げベッドに座っている圭一の股の間で、股間にうずくまるように肉根に舌を這わす志穂の背中が目の前にある。圭一の目に飛び込んできたのは、志穂の背中に走る水着の跡だった。
(!? なんだ? この日焼け跡……。どうして?)
 肩を通る白い日焼け跡、それが背中でクロスし腰に回っている。そして腰の両サイドから伸びた日焼け跡はお尻の割れ目に向かって一直線に走り一本になって股間に吸い込まれていく。
(この日焼け跡……)
 圭一は思い出した。サッカー部の仲間が見せてくれた雑誌で、『日本一エロいアイドル』と言われているグラビアアイドルが着てた水着とシルエットが一緒だった。
(でもまさか……、志穂があんな水着、着る筈がない……)
 一瞬の間に圭一の脳裏を巡る思考。フェラをしている志穂の動作がスローモーションのように感じる。
(この前は煙草の臭いがした……、それに眉毛も整えている)
 そして今日は、微かに残るありえない水着の跡、本来あるはずの毛がきれいに剃られた秘丘……、そしてフェラ……。
 今までの志穂には考えられない行為が目の前で行われている。圭一が不思議に思うには十分な出来事だった。疑問に疑惑が上塗りされる。
(どこで覚えたんだ? このフェラテクニック……)
 疑惑は頭の中でどんどんと大きくなっていく。そして頭の中を支配していく。そして疑惑は圭一の性的興奮を隅にと追いやっていく。下半身に集まっていた血がみるみる引いていく。

「あれっ!? 柔らかくなっちゃった。どうして? どうして……?」
 志穂は戸惑い、必死に舌を肉根に絡めていく。
「どうして? 硬くなって! 勃って……!!」
 志穂が圭一の物を勃たせようと必死でフェラチオしている。どこで覚えたテクニックなのか圭一には判らないが、すべてのテクを駆使して……。しかし肉根が再び力を増すことはなかった。
「志穂、もういいよ。今日はもうダメみたい。また今度にしよう」
 圭一の言葉に振り向いた志穂の目に涙が光っていた。

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