千佳
木漏れ日:作

■ 2

季節は暑い時期に差し掛かっていた。
私の浴衣も袖と丈が短い。
丈は膝の少し上で袖も短い。
後になって知った事だがこれらの浴衣は祖母の手作りだった。

さて本題に戻ろう。
その朝祖母は疲れて熟睡していた。
浴衣が乱れていた。
私は浴衣の合わせ目から祖母の秘部を見た。
秘部の周囲は疎らな白髪があった。

私は急に後めたくなった。
浴衣の乱れを戻しタオルケットを掛けた。
その後台所で顔を洗う。
「お早う…。」
後で祖母の声がした。


「あ、お早う…お祖母ちゃん…。」
「着替えるかい?」
「うん…。」
「その前に体を流しておいで…。」
「うん…。」
私は風呂場に行って昨日の残り湯で体をざっと流す。

バスタオルで体を拭いた。
私は祖母の居る所に戻った。
気温が上昇していた。
「着るかい?」
「ううん…。」

「じゃ暫く裸で居る?」
「うん!」
朝食の支度が出来た。
私は祖母と食卓を囲んだ。
浴衣をキチンと祖母に着せられた私を微笑んで見ている祖母と一緒にする食事は嬉しい。

私も出来る事はさせられた。
食器運びなどだ。
祖母は60歳まで教員として勤めていた。
だから教える事は巧だった。
野菜を刻む事もさせてくれた。
小さい時が大事と良く言っていた。

更に気温が上がった。
私の顔を見て祖母が言った。
「暑い?」
「うん…。」
「脱いでいいよ…。」
「うん!」

私は浴衣を脱いだ。
気持ち良かった。
祖母の家は庭が広く木々が多い。
その為外から見え難い。
私はサンダルを履いて庭に下りた。


私は庭の隅に出口を見つけた。
それは細い隙間だった。
大人なら絶対無理だ。
しかし小柄な私なら抜けられそうだ。
試して見る事にした。
その場所は鉄製の門扉と塀の隙間だ。

私は後を振り向いた。
祖母は奥に居るらしく姿が見えない。
私は隙間からするりと外に出る事が出来た。
このあたりは一軒毎の土地が広い。
私はそっと回りを見回した。
午前中のせいか人影はない。

私は歩き出した。
風が裸の私に心地いい。
しかし祖母が心配する。
そう思い引き返す事にした。
私のカンは当たっていた。
「どこ行ってたの! 捜しに行こうと思ったんだよ!」

「ごめんなさい…。」
「まあいいわ! これから出かけるから支度しないと」
祖母は洋服に着替えていた。
私もよそ行きの洋服を着た。
久し振りのスカートだ。
「下着、着る?」

私は首を横に振る。
この家に来て一度も下着を着る事の無かった私は穿く気がしなかったのだ。
「お祖母ちゃんは穿いてるの?」
「ううん…。」
祖母は着物の時と同様洋服の時も下着は着けない。

私と祖母はそのまま出かけた。
祖母の運転の腕は確かだ。
このあたりでは車が無いと生活できない。
祖母はある駅の近くの駐車場に車を入れた。
私が連れて行って貰ったのはデパートだった。
まず洋服を見た。

何着か選び試着する。
祖母と私は二人で試着した。
まず私の服を脱がす。
下着が無いので着替えは早い。
祖母も試着する。
思った通り下着がない。

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