千佳
木漏れ日:作

■ 26

「あの?」
「はい?」
「達哉さんは?」
「お帰りになりました…。」
「あの…。」
「はい…。」

「ここの女性は皆着物ですか?」
「はい…。」
しのぶさんはにこやかに答える。
「あたしも?」
「はい…。」
「あの…。」

「はい?」
「しのぶさん変な事聞いていい?」
「いいですよ…。」
しのぶさんは笑みを絶やさずそう言う。
しのぶさんも着物を着ていた。
「下着はいてる?」

「ショーツの事ですか?」
「うん…。」
「ショーツならはいてないです…。」
「じゃノーパン?」
「ええ…。」
「見たい…。」

「いいですよ…。」
私としのぶさんは私の部屋に入った。
「触っていい?」
「どうぞ…。」
私は着物の脇から手を入れる。
たわわな乳房が触れた。

ノーブラだ。
「下もいい?」
「はい…。」
私は着物の合わせ目から手を入れた。指先が太腿に触れる。
更に上に遡る。

湿ったアソコに触れた。
確かにノーパンだ。
「ごめんなさい…。」
「気にしないで下さい…。」
「しのぶさんもう一つ聞いていい?」
「はい…。」

「寝る時どんな格好?」
「……。」
「言いたくなければいいけど…。」
「いいえ…」
「じゃ、教えて…。」
「裸です…。」

「私と同じね…。」
「……。」
「それっていつから…。」
「裸の事ですか?」
「うん…。」
「気がついたら裸で寝ていた感じですね…。」

「着物は?」
「小さい頃から着てました…。」
「どんなところで暮らしていたの?」
「山奥の小さな村でした…。」
しのぶさんはある山奥の村で生まれた。
両親は出稼ぎに出ている事が多かった。

彼女は祖母に育てられた。
山奥で街から遠いので洋服が手に入らない。
祖母は彼女に着物を着せた。
着物と言っても子供の着るものなので簡単な物だった。
当然下着などない。

裸に一枚着るだけだ。
彼女は小学校に入るまでそういう暮らしだった。
貧乏だったせいもある。
回りの子も似たよう物だった。
夏になると浴衣に変わった。
ある日女の子3人で泳ぎに行った。

彼女はある秘密の場所を目指していた。
山奥の渓流だ。
ここは彼女が偶然見つけた。
3人でまず裸になった。
浴衣が濡れると困るからだ。
浴衣を樹に掛けた。

3人は水しぶきを上げて川に飛び込んだ。
「きゃ、冷たい!」
30分程泳いだ。
海と違い川の水は冷たい。
「寒い…。」
誰ともなく声が出た。

3人は岸に上がった。
乾いた石の上で寝転がる。
「おしっこ…。」
「あたしも…。」
「あたしも…。」
3人は起き上がった。

「ねぇ、立っておしっこした事ある?」
そう言ったのは美弥ちゃんだ。
「ううん…。」
私も泰子ちゃんも首を振る。
「じゃしてみる?」
私は美弥ちゃんに聞いた。

「立ったまました事ある?」
「うん、あるよ…。」
そう美弥ちゃんは答えた。
私達はその場所から少し移動した。
「ここにする?」
「うん…。」

私はやや足を開いた。
下腹に力を入れた。
内腿に伝わってそれが地面に落ちる。
少し気持ち悪かった。
更に力を加える。
地面に落ちる音が高くなった。

おしっこが皆出てしまうと気持ちの悪いのだけが残った。
「どうだった?」
美弥ちゃんが聞いた。
「気持ち悪い…。」
「最初はそうなのよ…。」

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