千佳
木漏れ日:作

■ 44

その人は紺色の服を着ていた。
「カード出して…。」
私と志穂はカードを渡した。
少し行くとまたドアがあった。
女の人は右にある機械にカードを差し込んだ。
「ここに居てね…。」

女の人は立ち去った。
間もなくドアが開いた。
白衣を着た女の人が2人出てきた。
私は右の人に志穂は左の人について歩いた。
もう一つドアがあった。
そこを開けると私達は二手に分かれた。

奥に進むとまたドアがあった。
ドアを開け女の人が言った。
「シャワーを浴びて待っていて…。」
私は言われたようにシャワーを浴びた。
体を拭いていると、
「失礼します…。」

と声を掛けられた。
ドアを開けるとさっきとは別の女の人が居た。
「これを着けて…。」
淡い紫の腕章のような物を腕に巻かれた。
女の人は短い白衣を着ている。
もう一つドアがあった。

そこを開けると暖かい風が流れてきた。
ドアを閉めて女の人の後に着いて歩いた。
外来のようだ。
右側が診察室。
左は処置室のようだ。
手前には椅子が並び大勢の人が座っていた。

この光景は普通の病院と同じだ。
普通と違う事が二つ。
患者は全員女性。
そして全員が裸だという事。
皆本を見たり、ひそひそ話しをしている。
普通に。

そこを通り過ぎてエレベーターに乗る。
5階で降りた。
入院病棟だ。
普通に話し声やテレビの音がしている。
すべて女性。
そして裸。

突き当たりのドアを開ける。
ベットと机が置いてあった。
「ここで待ってて…。」
ドアを閉めて去って行く。
周りを見るとトイレとシャワーがある。
ここは特別の部屋のようだ。

ドアが叩かれた。
開けるとさっきとは別の女の人が立っていた。
「お待たせしました……。」
その人について部屋を出た。
廊下を右に曲がると部屋があった。
女の人がドアを叩いた。

「どうぞ…。」
返事があった。
ドアを開けると白い台の上に器具が置いてある。
「採血します…。」
私は椅子に座り腕を伸ばした。
採血はすぐに終わった。

その部屋を出て少し行くと「レントゲン室」
と書かれた部屋に入る。
撮り終えて一番奥の部屋の前で待つように言われた。
30分程でドアが開いた。
部屋の中に白衣の女の人がいた。
女の人が言った。

「お待たせして…千佳さん来週から4日程入院して頂きます…。」
「脱毛でしょうか?」
「それと検査を…。」
「分かりました…。」
「詳しい事はメールでお知らせします…。」

私は一礼して部屋を出た。
エレベーターで降りると元来た道を逆に戻った。
最後に服を返してくれた。
服を着て外に出ると志穂が駆け寄ってきた。
「お疲れ様でした…。」
「志穂もお疲れ様…。」

「ありがとうございます…。」
車が近づいてきた。
私達が乗り込むとすぐ発車した。
翌日。
私と志穂は学校に登校した。
担任が志穂を紹介する。

授業が始まった。
下校して部屋に戻りパソコンを開いた。
メールが来ていた。
病院からだった。
入院が早まった。
明日午前7時来院となっていた。

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