千佳
木漏れ日:作

■ 45

翌朝。

6時前に家を出た。
病院から迎えに来たからだ。
私は手荷物を持ち車に乗った。
着ているのはワンピース一枚。
7時前病院に着いた。
ドアの右側の機械にカードを入れた。

すぐにドアが開いた。
私が入るとドアがすぐに閉まった。
短い白衣を着た女性が声を掛けてきた。
「千佳さんね、宜しく、担当の高橋です…。」
「こちらこそ宜しく…。」
「検査があるのでついてきてね!」

二つ角を曲がり部屋の中に入った。
「ここでシャワー浴びてね! 終わったらここ押して」
私は手早くシャワーを浴びて体を乾かした。
スイッチを押すと暖かい風が出るのだ。
体が乾いてからボタンを押す。
「今、行きます…。」

そう返事があり間もなくドアが開いた。
「あの…荷物どうしたらいいですか?」
「お部屋に運んで置くから大丈夫よ!」
「そうですか、宜しくお願いします…。」
「じゃ、こっちね…。」
「はい…。」

私は素っ裸のまま廊下を歩いた。
何人かの人とすれ違った。
相手も裸だ。
黙礼して通りこちらも返した。
「あの高橋さん…。」
「はい?」

「白衣の下どうなってるんですか?」
「気になる?」
「はい…。」
「捲くってごらんなさい…。」
「いいですか?」
「いいわよ…。」

「失礼します…。」
私は白衣の裾を持ち上げた。
真っ白いお尻が出てきた。
「何も穿いてないんだ…。」
「そうよ…でも白衣着てないと見分けつかないから…。」

「そうですよね…。」
私達は部屋の前で止まった。
高橋さんがドアを開けて、
「千佳さんです…。」
と声を掛ける。
「はーい…。」

と応答があった。
「終わったら迎えに来るから…。」
そう言って高橋さんは出て行く。
私は椅子に掛けて待っていた。
間もなく、
「千佳さんね…。」

「はい…。」
「こっちへ…。」
部屋の奥に案内される。
もう一つドアがあってCT室と書かれていた。
ドアを開け部屋に入る。
機械が置かれている。

「そこに寝てくれる?」
「はい…。」
私はシーツの上に上がった。
「仰向けになって腕を上に上げて…。」
言われた姿勢をとる。
「体の力を抜いて…。」

女の人が部屋を出る。
暫くして私の体がドームの中に移動した。
検査は40分程掛かった。
高橋さんが迎えに来た。
「お部屋に案内するわね…。」
「はい…。」

廊下を少し歩いた。
エレベーターに乗る。
6階で停まった。
降りてすぐ右の部屋に入る。
「千佳さんです…皆宜しくね!」
「はぁーい…。」

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