俺だけの肉奴隷
木暮香瑠:作

■ 露出衣装で女を引き出せ1

 家に帰った耕市は、2時間ほど仮眠を取って高校に向かった。耕市たちの通っている高校は、電車で4駅のところにある進学校だ。部活動も盛んで、耕市は写真部に属している。写真部は、写真展などで賞を取ることもあるほど活発に活動している。

 明日から期末試験が始まることもあり、職員室には宿直の教員がいた。写真部の顧問でもある生物を受け持っている杉田教諭だ。丸顔の小太りしていて、女子生徒には不評の先生だ。目が薄くキツネ目で、目つきが卑らしい。額が広くて汗をハンカチでいつも拭いている。めしべとおしべの話から、卑らしい冗談を言うので、そんなところが女子には嫌われている。

「先生」
 耕市が職員室の入り口から声を掛けた。
「耕市、どうした? 明日から期末だから職員室にははいれんぞ」
「解ってます。部室の鍵、貸してください」
「何かいい写真、取れたか? それとも、エロ写真でも手に入ったか?」
 耕市が他校の写真仲間から手に入れた無修正の写真を期待しているもだ。
「そんなんじゃないよ。秋の写真展用の写真だよ」
「今年のテーマは何にするんだ?」
「”街の動物たち”だよ。野良犬や野良猫の生活感のあるやつを狙ってるんだ」
「そうか……いいの撮れよ……」
 杉田教諭はつまらなさそうに部室の鍵を耕市に渡した。エロ写真の現像を期待していたのだろう。
「あっ、勉強もしっかりやれよ」
 部室に向かう耕市に付け足すように声をかけた。

 写真の現像を終え、耕市が家に帰ってくると、薄いブルーのワンピースを着た絵理香が、庭の物干しにシーツを干していた。シャワーを浴びたのだろう、髪がまだ乾ききっていない。絵理香は、昨夜の汗と精液と嫌な思い出をすべて洗い流したかった。赤い染みの残るシーツを洗い、シャワーで自分自身を清め、すべてを忘れたかった。すべてを洗い流してしまいたかった。
 疲労がまだ残っているのだろう、目に疲れを現し、涙に潤んだ瞳がアンニュイな感じの色気を感じさせる。耕市と目が合った絵理香は、顔を曇らせ、家の中に逃げるように、小走りに入っていった。耕市はその後を追うが、ドアの鍵が掛かる音が、カチャッとした。
「絵理香、開けろヨ」
「……いや、……帰って……」
 消え入るような小さな声で絵理香が答える。
「昨日はよかったんだろ? あんなに気をやったじゃないか。
 イク、イクってなんどもいってたぜ。……すごいよがり声だったゼ」
「いやっ、そんなのとない。……言わないで……」
 語尾がだんだん小さくなり、震えてくる。昨夜の記憶が蘇ってくるのだろう。コトッと郵便受けで音がした。
「見てみろよ。よく撮れてるだろ?」
 耕市の声に絵理香は郵便受けの中の封筒を取り出した。中から写真を出して見てみる。記憶は現実になった。昨夜の絵理香の痴態が映し出されていた。耕市の怒張を咥えているアップの写真、絵理香の秘孔に突き刺さった肉棒、犬のようにお尻を突き上げヌラヌラと黒光りする怒張が出入りしている秘孔、耕市の精液と自分の汗でヌラヌラと光る相乳、すべてが写し出されていた。そこには、忘れることのできない現実があった。
「いやっ、うそよ……」
「うそじゃないよ。よく撮れてるだろ?
 開けないと家の前にばらまいてもいいんだぜ」
 絵理香には、耕市の脅迫に従うことしか残されていなかった。カシャと鍵の開く音がする。耕市は玄関の中に入っていき、
「絵理香、出かけるよ」
 写真を取り戻しながら言った。

 二人は電車で隣町の繁華街に向かう。以前は、飲み屋街やいかがわしい店が多かった街だが、最近は、若者のための街に生まれ変わろうとしている。電車で30分ほどである。他人から見れば、二人は御似合いのカップルに見えただろう。175cmはあろう耕市と160cmを少し超えたくらいの絵理香が並んでいると御似合いのカップルである。耕市は学校の制服、白いシャツに紺色のチャックのネクタイとズボンである。絵理香は薄いブルーのワンピース、丈は膝が見え隠れするくらいのものだ。そこから伸びるナマ足だけでも、足の長さ、形のよさがうかがえる。ノースリーブから伸びた手には肉のたるみもなく、肌の白さが眩しい。ノーブルな顔立ちは、育ちのいい女子高生らしい初々しさと若さがある。ただ、耕市が抱えた鞄の中には、絵理香の痴態を写した写真が秘められていた。それに脅える絵理香が恥じらうように見え、他人には二人の関係が初々しく見えるだけだった。

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