俺だけの肉奴隷
木暮香瑠:作

■ 露出衣装で女を引き出せ2

 二人は、メインストリートから一本裏の道沿いのブティックに入った。派手な洋服やセクシーなドレス、ランジェリーが置いてある、大人の恋人たちの夜ためのブティックである。店では、20代後半のカップルや水商売風の女性が夜のための服やランジェリーを探している。大人の女性には普通のランジェリーでも、絵理香にはとても卑猥な下着にみえた。
「……耕市、出よう? ……恥ずかしい」
「絵理香は子供っぽすぎるんだよ。ランジェリーなんかも……」
 そういって、耕市が一つのランジェリーを選んだ。白いマネキンが身につけている、縁取りがレースになっている真っ白なやつだ。
「これ試着していいですか?」
 そう店員に尋ねた。絵理香は、恥ずかしくて下を向いたままだ。
「いいですよ。どうぞ、こちらへ……」
 店員はそう言い、絵理香を試着室に案内した。
 絵理香は、店員から渡されたブラジャーを手にして驚いた。白いマネキンが身につけている時は気づかなかったが、本体の布部分は向こうが透けてみえるほど薄い。
「……いや、これじゃ、乳首が見えてしまう……」
 スキャンティーも同様だった。透けてみえるだけでなく、前の布部分が小さく、恥毛がはみ出てしまいそうだ。後ろとサイドは一本の紐で、後ろから見ると履いてないように見えてしまうだろう。
 絵理香は試着室のカーテンの隙間から顔を出し、うつむき加減に耕市に小さな声で訴えた。
「こ、耕市……、こんな下着、着れない……」
「そんなことないよ。着れないランジェリーなんて売ってないさ。
 きっと絵理香に似合うよ。……着ろよ……」
 耕市は語尾を強めて答える。目に鋭い威圧感があった。昨夜、絵理香にピンタを張った時と同じ目をしていた。
(着るしかないんだわ……私には選ぶ権利がないんだわ……)
 絵理香はあきらめ、ランジェリーを試着した。鏡を見て思っていたとおりになった。
(見えてる……乳首……
 ……下もみえてる……)
 絵理香ははみ出た恥毛をスキャンティーの中に収めようと指で押し込んだ。それだけで、本体部の布は捩れ、肉の割れ目を押し開き、溝の中に忍び込もうとする。
「キャー、いやぁ」
 絵理香は思わず声を上げてしまう。カーテンがサッと開いた。
「似合うよ」
 耕市がにやにやして見ている。耕市の後ろの方から20代後半のカップルが絵理香の方に目をやった。男の客の方が
「すげー」
 目をキラキラさせて歓喜の声を上げる。絵理香は、
「キャーー」
と声を上げて、その場に座り込んだ。その声に店員が慌てて、
「お客様、困ります」
と、カーテンを閉めた。
「あの娘、すげーランジェリー着るんだナー。お前もあんなの着ろよ」
「いやよ、あんな娼婦みたいなランジェリー」
「でも、あの娘、結構いい身体していたぜ。かわいい顔して胸なんかボンと飛び出して……」
「あんなはしたない娘がいいの、スケベ」
 カップルの会話が絵理香の耳に鋭く突き刺さる。
(絵理香、はしたなくない……好きでこんな下着、着てるんじゃない……)
 そう思いながら涙してると、耕市がカーテンの隙間から顔をだし、
「絵理香、似合うよ。服も選んでおいたから……」
 そういって、ブラウスとスカートを手渡す。絵理香がそれを受け取っていると、耕市は、絵理香の着てきたワンピースと下着をサッと取り上げ、自分のカバンに押し込んだ。
(……服を着れば、下着なんて見えないわ……
 ……大丈夫よ、絵理香……)
 自分にそう言い聞かせながら、絵理香はブラウスを手に取った。その白いブラウスの生地も薄かったが、色が白のため、着ると身体のライン、ブラジャーの形はクッキリと分かるものの、透けてみえていた乳首を隠すことは出来た。
 スカートは黒の皮のミニスカートだ。極端に丈が短い。絵理香は、これを着るしかないのだと自分に言い聞かせて身につけた。想像どうり形のいい太腿はすべてスカートの下に出ている。そればかりか、少しでも前かがみになれは、お尻まで見えてしまいそうだ。かがもうものなら、スケスケのスキャンティーに包まれた柔肉までもが、繊毛と共に見えてしまいそうだ。少しでも下げて履こうと裾を引っ張ってみるが、サイズがぴったりで無駄な抵抗だった。
(こんな格好で歩けない……歩くだけでも裾が捲れそうだわ……)
 絵理香は、鏡に映った自分の姿を見るだけで顔を真っ赤に染めた。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊