俺だけの肉奴隷
木暮香瑠:作

■ 露出衣装で女を引き出せ3

 耕市が試着室のカーテンを開け、絵理香に声をかける。
「大人っぽいよ。似合ってるよ。ステキだよ。襟は立てた方がかっこいいよ」
 そういって、耕市は絵理香のブラウスの襟を立てながら、また、ボタンを上から2つはずしていく。絵理香の胸の谷間が覗いた。ブラジャーの周りを飾っているレースまでも覗けそうだ。
「似合ってなんかない。こんな格好じゃ歩けないわ」
 うつむきながら小さな声で答える絵理香を無視して耕市は店員に言う。
「これ、全部買います。着て帰りますから……」
「かしこまりました」
「似合うでしょ?」
 耕市が店員に尋ねると、
「はっ、はい。御似合いですよ。若々しくて……」
 店員は、答えに困ったように戸惑いながら皮肉っぽく言った。

 耕市と絵理香は、並んで街のメインストリートを歩いた。街は、サラリーマンやOL、若者達で賑わっている。スタイルのいい絵理香は、店を出るとすぐ、初夏の日差しと男達の注目を浴びた。早めの梅雨明けした日差しは、今年も猛暑であることを伺わせる強さで絵理香に降り注ぐ。同じように街ゆく男達の視線が絵理香に注がれた。ミニスカートから伸びる生足は若々しく輝いていた。背筋を伸ばして歩く絵理香の姿は、注目を浴びずにはいられないほどさっそうとしていた。それも、コギャルやイケイケギャルではなく、いかにも優等生風の純情な、清楚な少女なのだ。姿勢をよくしていないとお尻が見えてしまうので、そうしているだけなのだ。見ている側には、絵理香がドキドキして戸惑いながら歩いているとは知る由もなかった。
「おっ、スタイルのいい娘だね。生足だよ」
「顔もかわいかったナー。でも、露出しすぎじゃないか? 胸の谷間、見えてたぜ」
「見えてもいいパンティ、履いてんだよ。きっと」
「若い娘は分からんね。パンティ見せて歩くのかよ」
 2人づれのサラリーマンの会話がすれ違いざまに聞こえてきた。背中からも視線が突き刺さってくるのを絵理香は感じていた。
「なに? あの娘。すごい露出ね。」
「ファッション系の仕事でもしてる娘なんじゃない」
「モデルか何か?」
「違うわよ。ヘルスか何かよ」
 若い女性の会話が聞こえてくる。
(……そんなことしていない……)
 同じ女性にもそんな目で見られたことが悔しい。

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