危ないエステ
神野 舞:作

■ 第三話

「今でしたら、プチ整形もできますが、いかがですか? プチ整形といっても、ここは整形病院ではありませんから、手術とまで行かない、一ヶ月間のシンデレラ整形なんです。瞼をすっきりさせれば、感じがずいぶん変わりますからね。小鼻を小さくさせたり、頬を高く見せ、顎を細くさせたり。今の技術は進んでいます、いかがですか? 婚約中ならぜひ、お綺麗になっていただきたいですわ」
 美鈴は、顔を弱しく顔を横に振る。整形という言葉に抵抗があるのだろう。しかし、弱々しく振る顔には、戸惑いが感じられた。美しくなりたい女心と、身体を弄る不安が入り混じって葛藤している。
「今だけ、無料なんですよ? もちろんです。お気に召しましたら、一ヵ月後にまた来られてもいいですし、パーティーの前にプチ整形されるお客様も大勢いらっしゃいます。軽く考えていただけばいいんです。プチですから……」
 私は、美鈴の不安と抵抗感を奪うように優しく語りかける。
「綺麗になりたいんでしょ? 綺麗なあなたを、結婚式でみんなに見て欲しいでしょ? 彼のためにも……」
 結婚式前の女の心理を突く。潤んだ瞳が僅かに開き、私を見上げる。私は有無を言わせない話術で美鈴に微笑んだ。裕也に愛されたい美鈴はプチ整形と聞き、興味を持たないはずは無い。永遠の整形とも知らずに。
「止めますか?」
 私は、意地悪に聞いた。
「お、お願い…します。き、綺麗に……なりたい……。みんなに見て……ほしい……」
 美鈴は、媚薬に酔った意識の中、呟くように言った。美鈴の言葉は、女心の本心だろう。でも、それだけかしら? 気持ちよくなりたいんじゃない? もし断れば、全てがここで止められてしまう。疼きだした官能が、止められることを拒んでいるんじゃない? 疼く胸を……、疼くあそこを弄ってほしいんじゃない? そうでしょ! マッサージという隠れ蓑での愛撫がほしいんでしょ。
「はい、承知しました。こちらはプロですから、安心して任せて下さいね」
 全て判ってるわ。私は優しく微笑みを返した。

 カーテンを引き、婦人科の診察台へ手を差し伸べた。
「美鈴様、こちらへ移動していただけますか? プチといっても整形ですから。安全確保の為です」
美鈴はその偽言葉を信じて、移動する。太腿を強く締め、もじもじと擦り合わせている。真っ直ぐ歩くのさえ辛そう。おしっこしたいのかしら? いいえっ、違うわ。股間の疼きに耐えられないんでしょ? よろつく肢体を、私が支えながら診察台に上げる。
「足をこの台の上に乗せてください」
 両足を開いた足型の台に乗せ、足首をベルトで固定する。右足をカチ。左足をカチっと。
 開かれた脚の間を空調の風が擽る。
「はあ……、うん……」
 美鈴の唇がだらしなく開き、吐息とも喘ぎ声ともつかない息が漏れる。火照った媚肉を擽る空気にさえ感じちゃうの? 淫乱な娘ね。媚薬の所為だけかしら?
「両手はここを握って下さい」
 診察台の脇のバーを握った手首をベルトで固定する。右手をカチ。左手をカチっと。それから、首を太いベルトで固定した。カチっ。
(フフっ、もう美鈴は動けない。美鈴の身体は、私の手の中に落ちた。私の思いのままだわ)
「ごめんなさい、少し窮屈でしょうけど、動くと危ないので……。我慢してね、美しくなる為ですから」
「い、いいえ、だ……大丈夫です」
(フフっ、いつまで、大丈夫って言っていられるかしら? 一ヶ月で元の身体に戻れるはずなど無いのに)

 私は注射器でシリコンを吸い上げると、美鈴の瞼に針を刺した。どう? 痛くないでしょ? 今のあなたにとっては、蚊に刺された位にしか感じないでしょ? いいえ、それとも甘媚な愛撫に感じてるかしら……。
 10CCのシリコンを左右の瞼に注入。膨れ上がる瞼に満足する私。
「心配いりませんからね。身体を楽にして下さい。仕上がりが楽しみですね」
「はい……」と答える美鈴。
 左右の小鼻にシリコンを10CCづつ。下唇に10CC。二重顎にする為にさらに20CCのシリコンを顎に。
(フフっ、もうさっきまでの可憐な美鈴はこの世に居ないのよ、今居るのは醜鈴。私から裕也をうばった罰は重いわよ)
 85センチのバストにツンと上を向く乳首。ここは、もっと素敵なものを注入してあげるわ。私はシリコンに媚薬を混ぜると、乳首に注射器を刺した。
「ああっ、あんっ……」
左右の乳首に10CC。小さな乳首は親指頭大に膨れ上がった。美鈴は、自分の身体がどうなってるのかも知らず喘ぎ声を上げた。全身を媚薬クリームでマッサージされた身体、注射針の痛みさえ快感のはずだ。執拗に刺激を与えた性感帯、疼きに必死で耐える美鈴を眺めるのは愉快だった。

 陰毛を電気メスで焼き切る永久脱毛。割れ目をヘアで飾ることは、二度とありえないつるつるの肌。
(フフっ、これでいいわ)
 私の目の前には、ぷっくりと膨らんだビーナスの丘に刻まれた縦裂が見えている。
「裕也さんっ……」
 美鈴が小さな声で裕也の名を口にした。名を呼ばずに居られないほど愛しているというのか、欲情する身体の疼きを裕也に受け止めて欲しいのか。
 私は美鈴のラビアを開き、クリを剥き出しにし注射針を刺す。
「あうっ、ああん……」
 美鈴の喘ぎ声を聞きながら、媚薬シリコンを10CC注入する。小指頭大に膨れ上がったクリは元の皮の中に戻ることはない。縦裂を隠す茂みを奪われた恥丘は、常にクリを晒すことになるわ。

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