皮膚の壁
一月二十日:作

■ 15

「簡単よ。連れのイカレた男の子らにある場所である人が来たら声掛けてあるラブホに行けって言った。バイト料ちょっとやって。その中の一人は元カレよ。」

元カレという言葉になんとなく嫉妬した。

「先生は後輩が写真見せてくれたから顔は知ってたわ。じっと大学の前で待った。そして先生を見つけて、後輩がある場所に男の子を待たせてるから、その案内でホテルに来て欲しいっていう伝言を預かって来たって言ったの。何時間もただ待ったわ。待ってるうちに惨めになった。だんだん自分が嫌になった。ねぇ抱いて!」

真美は泣きながら抱き付いて来た。
私はその髪を撫でた。そして静かに言った。

「もうそんなことやめろ。」
「うん、でも最後まで聞いて。もう嫌になったの。これから生まれ変わるの。そのために言っておきたいの。」
「あぁ…とにかく座ろう。」

そこはありふれたビジネスホテルの一室だった。セミダブルのベッドが1つだけ。それが今日の儀式の場所だった。コンビニで話してから数日後の退社後だった。
部屋に入るなり真美は話し出したのだ。
とにかくベッドに真美を誘って腰掛けた。

「で、どうなったんだ?」
「後輩に相談があると言って飲みに行った。中野さんの顔を思い浮かべながら私の不倫の悩みの相談を持ちかけたわ。」
「え?僕の顔?」

一瞬背筋が凍った。

「まさか僕の名前…」
「言うわけないじゃん。」

ホッとした。

「ホッとしただろ?」
「いや、そんな…で、どうなったの?」
「そこは『ある場所』の向かいなの。ある場所に男の子ら待たせて、その先生がそこへ来たら携帯鳴らせって言っておいた。そして合図が来て、後輩連れて外に出た。男の子は後輩の友達ってことにしてた。後輩が顔さすから男の子らにホテルまで案内するように頼んだってことにした。男の子には先生に言った目印を付けさせてたから先生は声を掛けたわ。そしてホテルに向かった。その後を後輩とつけただけよ。案の定後輩は驚いてたわ。ざまぁ見ろよ。私も一緒に驚いた振りしたの。」
「その後先生は?」
「そして結局後輩は来なかったことにしただけよ。きっと諦めて帰ったんじゃない?でももうイヤ…惨め…」

真美はまたシクシクと泣き出した。
「さぁ抱いて。服を脱がせて。赤ちゃんにして。」
「…出産だね?新しい真美の。」
「中野さんの前では素直になるの。」

「いきなり大人の赤ちゃんだね…」
「うん、もう生後25掛ける10ヶ月の赤ちゃん…」
「歯の生えた?」
「うん、もう永久歯。」
「ずっと噛んでくれる?」
「うん、ずっと噛む。」
コート・スカート・ブラウス・ブラ・パンプス…
こんな会話に挟まれて真美の身体から剥がされて行く。
私はストッキングとパンティーを残していた。
私は脚フェチなのだ。
ストッキング越しに真美の脚を触った。

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