ボクらの秘密
木暮香瑠:作

■ 過ぎた好奇心2

 翌日も、男子たちの話題は、昨日、女子が見たビデオの話で持ち切りだった。

「昨日のビデオ、判ったぞ。健、今日、俺の家でいいな」
 武彦がボクたちに集合をかけた。武彦はビデオの内容を掴んだらしい。それも、学校では話せない内容らしい。どんな内容なのだろうと、胸がドキドキとする。放課後、校庭で遊ぶのも止めてボクたち5人は、武彦の家に集まった。

 部屋に五人集まったところで、武彦が話し始めた。
「昨日のビデオって、メンスの話だったみたいだぞ」
「メンスってなんだ?」
「あそこから血が出るんだよ。女は一ヶ月に1回、あそこから血が出るんだよ」
「えっ! おしっこと一緒に血が出るの? 病気じゃん」
「そうじゃないよ。違う孔から出るらしい……。女は穴が3っつあるらしいぞ」
「おしっことウンコ……、もう一つは何だ……?」
「赤ちゃんが生まれる穴だよ。お前だって、ウンコやおしっこと一緒じゃあ嫌だろ」
「そりゃそうだ!」
「テレビで宣伝してるナプキンってあるだろ。あれの使い方や、どこから血が出るかとかの話だったらしいぞ」

 武彦は、自分のパソコンを操作しモニターに百科事典を映し出した。武彦は、画面に映し出された絵を指差し、
「ほら、穴が三っつあるだろ。ここと、ここと、ここ……」
と、説明を始めた。昨夜、ずっと調べていたらしい。ボクたちは、その不気味とも思えるイラストから目が離せなくなっていた。
「女ってこんなになってるのか? あそこ……」
「普段は違うんだよ。この絵は割れ目を開いたところだよ。普段は閉じてるんだって」
「へええエー−−」
 みんな曖昧に答える。知らない世界の話だ、女性の身体って……。説明をしている武彦だって、話は曖昧だ。実際に知ってるわけではないらしい。昨晩、調べた内容をさも知ってるかのように話してるだけだ。

「おしっこが出るのがここか……。ここからはウンコだな」
「ここから赤ちゃんが出るのか?」
「ああ、ここにチ○ポを入れるのがセックスだ」
 武彦は、調べた話を自慢げに話す。ボクたちは、セックスと言う言葉だけでドキッとしてしまう。
「チ○ポが入るのか? 美紀や彩ちゃんにもあるのかな、チ○ポの入る穴……」
「そりゃ、あるだろう……。あいつらだって……、女だもん……」
 ボクは、美紀たちの股間にある穴を想像し、顔を赤くした。他のみんなも想像してしまったらしい。紅潮した顔で床を見つめていた。
「ここにチ○ポを? じゃあ、チ○ポ入れる穴から俺たち生まれてきたのかあ」
 みんな神妙な顔で肯いた。

「俺たちにもあるのかな? 穴、3っつ……」
 一樹がポツリと呟いた。ボクたち4人は、ニヤッと素早く目配せし一樹に飛び掛った。
「なにすんだよ!」
 突然、四人に飛び掛られ押さえ込まれた一樹が目を丸くしている。
「確かめようぜ! お前も知りたいだろ?」
 気の弱い一樹は、いつも損な役回りだ。ボクたちは、一樹のズボンをパンツと一緒に引き下ろした。
「やっ、やめろよ! 自分の見ればいいじゃん」
 一樹は、必死で抵抗するが四人相手ではどうにもならない。
「亮太、押さえてろ!」
 身体の大きな亮太に押さえ込まれては、一樹も身動きできない。両足を捕まれ、頭のほうに折り曲げられ、でんぐり返しをするように押さえ込まれた。

 四人の目の前に、皮を被った親指ほどのチン○ンと皺々の袋と尻の穴がある。尻の穴以外は見慣れたものだ。皮を被ったチン○ンも、ボクのとさほど違わない。
「袋の陰にあるのかな?」
 実が袋を引っ張って確かめる。四人の目が一樹の股間に集中する。
「何もないね、やっぱり……」
「も、もういいだろ。放せよ」
 その時、一樹のチン○ンが少し大きくなった。
「一樹のチン○ン、立ったぞ。Hだなぁ、ハハハ……」
 四人の笑いの中、一樹は慌ててズボンを履いた。
「ひでえなー、お前らと一緒だろ?」
「一緒だった。やっぱ、男には三っつ目の穴、無いや」
 ボクたちは、お腹を抱え笑った。

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