ボクらの秘密
木暮香瑠:作

■ 過ぎた好奇心7

 姉ちゃんは、右手で胸を、左手で股間を隠し立ち竦んでいる。少しでも下着を見られないように、肩を窄め膝を重ね小さくなっている。でも、腕では隠し切れないほど姉ちゃんの胸は成長しているし、掌ではパンツを隠しきれるわけ無い。

 立ち竦む姉ちゃんに、看板の陰から実が震える声で言う。
「ぜ、ぜぜ、全部、ぬっ、脱ぐんだ。ぜっ、全部……」
「いやっ、恥かしいの……。これで許して。これ以上は……」
 両手で肢体を隠し、ピンクに染まった頬の姉ちゃんが言う。
「だっ、だめだ……」
 ボクらの考えた台詞が、冷たく拒否した。

「……、はあ……、だめなのね」
 しばらくの沈黙の後、姉ちゃんは諦めたように呟き、手を背中に回した。ブラジャーのホックが外された。押し込まれていた双乳に弾き飛ばされるように、ブラジャーが前に落ちる。開放された柔肉がブルンと揺れている。姉ちゃんは、後ろの回した手を胸の前の持ってくる。しかしボクらには、姉ちゃんの動きはスローモーションのように見えた。それほどボクらには、時間がゆっくりと流れた。

 姉ちゃんの揺れる豊乳、ピンクの乳輪、その中央で蹲る乳首。心臓の鼓動に合わせ上下する様まではっきりと判った。姉ちゃんの胸が掌に隠れるまでの短い間を、ボクたちは見逃すまいと凝視した。

「み、見ないで……。健……、見ないで……」
 恥かしそうに姉ちゃんが言う。そんなこと言われても、ボクの瞼は興奮で降りてこない。十の眼に見つめられている姉ちゃんの顔が、真っ赤に染まる。いや、後ろに隠れている三人は、覗き穴から見ているから片目で見ているだろう。だから七つの目で見つめられているわけだ。それを知ってか知らずか、姉ちゃんの羞恥は高まっていく。

「はあ、はあ、はあ……」
 姉ちゃんの荒い吐息が、倉庫の中にこだまする。隣の亮太をチラッと見ると、口をポカンと開け、ズボンの前は大きく膨らんでいる。一人っ子で姉ちゃんもいない亮太には、刺激が強すぎたかもしれない。

 後ろからコソコソと、武彦の押し殺した声がする。姉ちゃんの脱いでいく姿を見て、実も興奮してるみたいだ。いつもは落ち着いた実でさえ動揺し、次の言葉が出ないみたいだ。姉ちゃんのスタイルは、それほど良いんだ。ボクの自慢の姉ちゃんだ。ボクの机の一番下の引出しに隠している、公園で拾った週刊誌のヌードのモデルなんかより、ずっとスタイルがいい。小学生のボクらがイチコロなのは当然だ。武彦が、実に次の台詞を催促しているんだ。

「パパパ……、パンツも脱げぇ!」
 やっと次の台詞を、実るが口にした。1オクターブ、声が高くなっている。まずいな。実もすっかり舞い上がってしまってる。後は、頼りになるのは武彦だけだ。

「健……。め、目を瞑っていて……。恥かしいから……」
 姉ちゃんお言葉が痛い。でも、目を瞑るわけにはいかない。チクッと罪悪感が胸を刺すが、その痛みも姉ちゃんの指がパンツに掛ると飛び去ってしまった。前屈みになりパンツを脱ぎ始めると、胸はお椀のようになりその先端の乳首まではっきりと見えた。さくらんぼの様だと聞いていたけど、ボクにはピンク色した小粒の梅干だと思う。姉ちゃんは、ゆっくりとパンツを下ろしていったので、ボクには乳首に僅かにある皺まではっきりと見て取れた。

 パンツの上端が捲れ、下げられていく。半分ほど捲れた時、そこからふわふわとした翳りが覗いた。うわあぁ……。姉ちゃんは、やっぱり大人だ。パンツが下げられるにしたがって、その翳りの全貌が見えてきた。逆三角形したふわふわとした繊毛が、股に向かって窄まっている。

「うっ、ううぅっ……」
 ボクは漏れる声を押し殺した。好奇心が胸の中で暴れている。ドクンッ、ドクンッと血液を身体中に送り込んでいる。血が流れ込むたび、チ○ポが大きくなっていく。ボクのチ○ポは、これ以上ないくらいに膨れ上がった。そして痛みを感じた。後でわかったことだけど、このとき初めてボクのチ○ポは皮が剥けたみたいだ。今まで皮に守られていた柔らかい皮膚が、初めて外気に触れパンツに擦れていたんだ。

 姉ちゃんは、パンツを足先から抜きマットの上に落とした。姉ちゃんの肢体が輝いて見える。窓から差し込む光が、姉ちゃんの頭から爪先まで輝かしている。股間の茂みさえキラキラと光っている。ボクらは、次の命令が実の口から発せられるのを期待して待った。

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