ボクらの秘密
木暮香瑠:作

■ 姉ちゃんの恋愛実習7

 瞼の上に掛った白濁液は、開いたままの瞳の前を横切り頬っぺたに流れていく。
「なっ、なに?? どうなっちゃたの?」
 姉ちゃんは、頬を伝うザーメンを指で拭う。何が起こったのか確認するように、その指先を見詰めた。

 やばい! 怒られる……。かけちゃった……。
「ごっ、ごめん、姉ちゃん……。出ちゃった……」
 先に謝っておいた方が得策だと思って、とりあえず謝った。
「もうーー、きたなーい! どうしてくれるの? 洗わなくちゃあ……」
 姉ちゃんは、頬を膨らませている。怒ってる……。
「ティッシュ!! 取って!」
「うん!」
 ボクは、ティッシュの箱に手を伸ばした。膝に絡まっていたパジャマが邪魔になり、脚が縺れてしまう。ボクはバタンと前のめりに倒れた。
「うっ、いてえ……」
 勃起していたチン○ンを、もろに床に打ち付けてしまった。

「ううっ、ううう……」
 床にうつ伏せたまま呻き声を挙げる。背中から姉ちゃんの声が聞こえる。
「何してんの? 早くティッシュ……」
 倒れたまま姉ちゃんを見ると、頬を膨らしたままこちらを睨んでいる。
「いてててて……」
 女には判らない痛みがボクを襲っている。小さな声で呟き、それに耐えながら、ティッシュの箱を姉ちゃんに渡した。今は何を言っても、姉ちゃんには理解してもらえないだろう。

 でも、姉ちゃんはティッシュペーパーでザーメンを拭いながら話を続けた。
「風呂に着いて来なさい! こんなに早く終わっちゃ、練習にならないじゃない」
 えっ? 練習? 姉ちゃんは少し怒ってるけど、展開はボクの有利な方向に進んでいるみたいだ。ボクのチン○ンで、フェラチオの練習をする気なんだ、姉ちゃん。咥えてもらえるかもしれない……。それに……、お風呂で練習するってことは、姉ちゃんの裸を見られるってこと? ボクは期待に胸を膨らませ姉ちゃんに付いて行った。

「理沙? お風呂?」
 リビングから、物音に気付いた母ちゃんからの声がした。
「うん、ひとっ風呂浴びるわ」
 姉ちゃんは、物怖じせず答える。姉ちゃんの後に付いていくボクは、ヒヤヒヤもんだ。でも、姉ちゃんは平然としている。早くイってしまったボクに頭にきた姉ちゃんには、そんなこと気にする気配すらない。かなりカッカ来ている証拠だ。羞恥心なんて、すっ飛んでしまっている。幸い、リビングからはテレビからの映画の音が大音量で聞こえてきている。風呂に入ってしまえば、何をしているか音は聞こえないだろうし、映画に夢中でボクらのことは気にしないだろう。

 姉ちゃんは、潔く服を脱いでいく。
「あなたも脱ぎなさい! 風呂に入るんだから……、パジャマ濡れちゃうわよ」
「うっ、うん……」
 ボクは慌ててパジャマのボタンを外していった。目は、脱いでいく姉ちゃんを追わなくちゃいけないし……、指は緊張でうまく動かないし……、しどろもどろになりながらパジャマを脱いだ。

 姉ちゃんは下着だけになり、背中に手を廻しブラのホックを外す。ボクの目は、姉ちゃんに釘付けだ。ホックを外されたブラジャーが、弾き飛ばされるように前に落ちる。その後には、プルンプルンと揺れている双乳が現れる。そして、今度はパンティーの端に手をかけお尻から剥いていく。吊り上がった染み一つ無い肉球が現れる。前回見た時は、少し距離を置いていたが、今回は目の前で姉ちゃんが脱いでいく。産毛まで見えそうなくらい近い距離で、姉ちゃんが脱いでいる。床に打ちつけた痛さと、両親に見つからないかという不安で萎んでいたチン○ンは、また元気を取り戻そうとしていた。

 ボクが脱ぐのを忘れているのに気がついた姉ちゃんは、ボクのパンツに手をかける。
「何してんの? 早く脱ぎなさいよ!!」
 まるで母親のように、ボクのパンツを無理やり下げた。
「痛い!!」
 パンツのゴムがチン○ンに引っ掛かった。女には、判らないだろうな。
「何大声挙げてんの! お母さん達に見つかっちゃうじゃない」
「だって、姉ちゃんが急にパンツ下げるから……。折れるじゃないか、俺のチン○ン……」
「あら、ごめんなさい。くっ、くっ、くっ……」
 姉ちゃんは、笑いを耐えながら浴室に入っていった。ボクも、その後と追った。

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