ボクらの秘密
木暮香瑠:作

■ お泊り6

 姉ちゃんに捕まり、姉ちゃんの部屋で正座させられているボク。その前で姉ちゃんは仁王立ちでボクを見下ろしている。

「……、エッチ!」
 姉ちゃんの後で美紀がボクを睨んで、冷たくぼそっと言う。強く言わない分、よけいに怖い。彩ちゃんは、どうしたらいいのか判らず困り顔でおろおろしている。
「三、四人逃げてったわよね。他の仲間は誰? 言いなさいよ」
 姉ちゃんの追及が始まる。
「ううん。ボクだけだよ」
 三人とも疑いの視線をボクに向ける。
「どうせ脱げたのは、いつもの四人でしょ。違う?」
 姉ちゃんの言葉に美紀が、「うん」と大きく頷く。証拠物として姉ちゃんに差し押さえられた脚立には、『岩越運送』と一樹の家の運送会社の名前がはっきりと書かれていた。

「さあどうしようかな?」
 姉ちゃんの表情が、突然変わった。不気味にニヤリとする。
「お母さんに言ったら、一年はお小遣いなしね」
「!!」
 やばい!! ボクは姉ちゃんの表情を窺う。本当に母ちゃんに言うの?
「どうしようかな?」
 姉ちゃんは、白々しく視線を逸らし考えてる振りをする。
「言った方がいいかな?」
 ボクは顔を激しく横に振る。かあちゃんならやりかねない、一年お小遣い無しを……。
「じゃあどうしようかな?」
 姉ちゃんは、チクチクとボクを責めてくる。猫がネズミをいたぶるように。
「覗いた罰として何してもらおうかな」
「!!」
 ボクは大きく首を横に振った。姉ちゃんのことだ、きっと酷いことをさせるに決まっている。
「許してあげて。健君、かわいそう」
 只ならぬボクの表情を見て彩ちゃん、こんなボクを許そうと言ってくれる。彩ちゃんは優しい。
「私の言うことを聞く? それともお小遣いなし。どっちがいい?」
 姉ちゃんは、再確認するようにボクの顔を覗き込んだ。
「ね、姉ちゃんの……言うこと、聞く……」
 ボクは首をガクンと折り、姉ちゃんに屈することを決意した。

「それじゃあ、女の子の為の明るい性教育の時間!」
 姉ちゃんは振り返り、美紀と彩ちゃんに笑顔で言う。
「健を教材に男の子の仕組み、勉強しましょ。健も承諾したし……」
「???」
 ボクが承諾した? 何を? 何される? ボクは……。
「さあ、脱いでっ」
「う、うそだろ? ねえちゃん……」
 姉ちゃんは、ボクのズボンに手を掛けベルトを外そうとする。
「っ! や、やだよ。美紀も彩ちゃんもいるのに……。嘘だよね、ねっ!」
「嘘じゃないわよ。二人がいなくちゃ、勉強にならないでしょっ!」
「やだよ、絶対やだ!!」
 ボクは姉ちゃんの手を振り解いた。
「じゃあ仕方ないわね」
 そういうと姉ちゃんは、壁に掛けていた制服のリボンを手に取る。そしてリボンでボクの手を縛りだした。
「た、助けて!!」
 ボクは、美紀と彩ちゃんに救いを求めて視線を送る。しかし、美紀も彩ちゃんも予想外の展開に目を丸くして呆然としてるだけだ。

 両手を頭の上で縛られ、壁の洋服掛けに吊り下げられたボク。
「やめろよ。姉ちゃん、許して!!」
 姉ちゃんが、ボクのズボンのチャックに手を掛ける。そして、パンツと一緒に一気に引き下げた。
「キャッ!!」
 美紀と彩ちゃんは、顔を両手で覆った。

 ボクは下半身を三人に晒し吊り下げられたまま、身体を震わせていた。
「これがおチン○ン」
 姉ちゃんが美紀と彩ちゃんに説明を始める。でも、二人とも顔を両手で覆ったままだ。
「あらら、小さいままね」
 そりゃそうだよ。こんな状況で勃ててなんていられる訳ないじゃないか。視線が痛いって、こういうことを言うんだ、きっと……。全身が強張りガチガチになっているのに、あそこだけはだらしなく垂れ下がっている。
「これじゃあ、参考にならないわね。彩ちゃん、ちょっと健の前に立って……」
 恥ずかしさに顔を真っ赤にした彩ちゃんが、手で顔を覆ったままボクの前に立つ。姉ちゃんは、ボクの前に立った彩ちゃんのスカートをパッと捲った。
「キャッ!!」
 彩ちゃんの短い悲鳴と共に、ボクの背中にビクンッと電気が走り、チン○ンは一気に反応する。床を向き俯いていたチン○ンが、パチンッと音を立てるくらいに元気よく天井を仰ぎ見た。

「ほら、こんなに大きくなっった。男って本当にスケベよね」
 姉ちゃんは、得意顔になって微笑んでいる。鬼だ! 姉ちゃんは鬼だ!! ボクの恥ずかしい格好を美紀と彩ちゃんに見せて楽しんでいる。
「見るな! 見るな!!」
「そんな汚いもの、見ないわよ! スケベ!!」
 美紀が、顔を両手で覆いながら言う。でも、顔を覆った指の間の瞳は輝いている。美紀も彩ちゃんも、恥ずかしながらボクの股間を見てるに違いない。

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