ボクらの秘密
木暮香瑠:作

■ お泊り7

「あっ、こんなところにホクロがある」
 美紀が指さしたのは、ボクのおチン○ンの裏側、付け根のところ、ボクだってそんなとこ見たことない。
「見てんじゃねえか。見てないなんて言いながら……」
 しっかり見てるじゃないか、美紀のヤツ。ボクたち男子のことを、『スケベ』とか『エッチ』とか言ってる癖に、自分ら女子だって興味あるんじゃないか! ボクの反撃に、美紀は開き直った。
「ええ、見たわよ。見たこと、学校で喋ったらばらすからね、ホクロのこと」
 もう顔を手で覆うことも無い。
「喋ってやる、美紀はボクのおチン○ンを見ましたってね。フンッだ」
「じゃあばらしていいんだ、ホクロがあること」
「うそだ、ホクロなんてないよね」
 ボクは彩ちゃんに訊ねた。この三人の中で、一番信用できるのは彩ちゃんだ。
「うん、ある……」
 知らなかった、ホクロがあること。ショック!! 彩ちゃんもしっかり見てたんだ。
「うっ!」
 ボクは息を呑んだ。顔が熱くなるのが自分でも判る。なぜ恥ずかしいのか判らない。ホクロなんて誰でもある、場所こそ違っても……。美紀と彩ちゃんに知られたことが恥ずかしい? 自分の知らなかった自分の身体のこと、それを知られたことが恥ずかしいんだ、きっと……。ううーーーん、何がなんだか判らないけど、とにかくとてつもなく恥ずかしい。

 姉ちゃんの講義が始まる。
「これがおチン○ン。ここが亀頭っていって、ここはカリ……」
 一つ一つ指で指し示し説明していく。ボクは眼を硬く閉じ、じっと恥ずかしさを我慢してるしかない。吊り上げられた手では、恥ずかしいところを隠すことも出来ない。
「そしてね、これをネ、あそこに入れるのがセックス。入れやすいように硬くなるのよ、おチン○ン」
 姉ちゃんは、硬くそそり立ったチン○ンを指で弾いた。
「ひっ!」
 ボクは、すっとんきょな声を上げる。
「あそこって? あっ、あそこですか?」
「そう、あ・そ・こ・よっ!」
 彩ちゃんの顔が、カーッと真っ赤になる。火を吹きそうだ。彩ちゃんの家庭では、こんな話題はきっと出てこないんだろう。

「お姉さんは……、もう……したこと、あるんですか?」
 美紀が、もじもじしながら姉ちゃんの顔を仰ぎ見た。興味津々? 恥ずかしながらも姉ちゃんに尋ねる。
「ふふふ、わたしね、最愛の彼が現われるまで大事に取ってあるの、バージンは! あなた達も大切にしなくちゃダメよ。好きな人が現われるまで……」
 よく言うよ、なに純情ぶってんだ。弟を晒し者にして楽しんでる変態女が……。
「ふんっ、フェラは経験済みのエロ姉の癖して……」
 ボクは皮肉いっぱいに言う。
「いいじゃない。バージン守るためのテクニックよ。お陰でバージン守れてんだから……」
 ふんっ、何言ってんだ。初めての時には、あんなに悩んでたくせに。ボクが練習相手になってやったのを忘れてるのか? フェラ顔があまりにエロくて彼氏に振られたくせに……。
「精液たって飲んじゃうくせに! エロ姉!!」
 ボクは、悪口を言う。身体の自由を奪われたボクの、せめてもの抵抗である。
「飲んでも妊娠するわけじゃなし。バージン守れるならそのくらいするわ」
 ボクは何をしてんだ。姉ちゃんと美紀を怒らしたら、もっと酷い状況になるかもしれない。でも、逆らわずにはいられない。それが男心か……。

「フェラって? なんですか?」
 好奇心旺盛の美紀が訊ねる。知らないんだ、成績優秀の優等生でも……、ボクは少し優越感に浸る。そんな場合じゃないのに……。
「お口でするの。これなら、バージンを守れるでしょ」
 姉ちゃんは、妹みたいに美紀を可愛がる。ケンカばかりのボクと違って、姉のように慕ってくれるのが嬉しいんだろう。
「あっ、エッチ汁が出てる」
 姉ちゃんの声に、美紀と彩ちゃんがボクのチン○ンを注目する。
「エッチ汁?」
「ほら、この透明のヌルヌルの液体、おチン○ンの先から出てる……」
 姉ちゃんは、エッチ汁を指でなぞり糸を引かせて見せた。

 姉ちゃんが、掌にエッチ汁を塗りボクのチン○ンを扱き出す。
「やめろよ、姉ちゃん! やめてくれ!!」
「これがね、手コキって言うの。見てて……」
 そういうと、姉ちゃんは手を動かしだした。
「やめろ! エロ姉!! やめろ!!」
 ボクのエッチ汁で滑りを良くした姉ちゃんの掌が、おチン○ンを擦っていく。
「やめろ! 姉ちゃん!! やめて! こ、小遣い、いらないから!!」
「いまさら、もう遅い」
 姉ちゃんにやめる気はないみたいだ。
「お、お姉ちゃん、お姉さま! お願い、お願いいたします! やめてください!!」
「いつもこのくらい丁寧な言葉使いだったらいいのにね」
 姉ちゃんは、手の動きをいっそう速めた。
(で、射ちゃう……うう)
 必死で我慢していたボクの息子も、遂には耐え切れなくなった。

 ドピュッ、ドピュドピュドピュ……。

 白く濁った液体が先っぽから飛び出し、ボクの顔の高さまで吹き上がる。
「キャアーーー!!」
 美紀と彩ちゃんの悲鳴が響き渡る。そして精子は、きれいな放物線を描いて床に落ちた。

「これが精液よ。精子、オシベから出た花粉ね。これが女の子のあそこの中にあるメシベと出会うと赤ちゃんが出来るわけ……。習ったでしょ?」
 姉ちゃんは得意満面に言う。

 終りだ、人生の終りだ。これでボクの人生は終わった。おチン○ンを見られただけじゃなく、同級生の前で、それも女子の前で射精を見せてしまうなんて……。美紀と彩ちゃんに見られるなんて……。ボクは、ガクンッと首を折った。

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