ボクらの秘密
木暮香瑠:作

■ お泊り8

「はあ、はあ、はあ……」
 彩ちゃんの息が荒くなっている。顔の赤みが醒めること無いくらい、彩ちゃんにとっては衝撃的なことの連続なんだろう。普通、こんなことが目の前で行なわれることなんてないもんナ。

 姉ちゃんは、彩ちゃんの後にそっと回り込み肩に手を置いた。
「彩ちゃん、オナニーしたことある?」
 耳元で呟くように彩ちゃんに尋ねる。
「えっ? オナニー?」
 彩ちゃんは驚いたように目を見開き振り返った。言葉は知ってるみたいだ、オナニー……。それでなきゃ、あんなに驚いた顔はしないもんナ。
「その様子だと、したこと無いみたいね」
 姉ちゃんには答えずに、彩ちゃんは美紀の方に視線を移した。
「美紀ちゃんは……したことあるの?」
「う? う、うん……」
 彩ちゃんの問いに、美紀は恥ずかしそうに頷く。姉ちゃんとボクは知っている、美紀がオナニー経験者だということを……。だって、オナニーを教えたのは姉ちゃんだし、ボクだって美紀のあそこを舐めて気持ちよくさせてやった。嘘はつけないよね、美紀。
「したことあるんだ……」
 彩ちゃんは、ちょっとがっかりした顔をした。美紀がしたことあるのにがっかりしたんじゃなく、自分が遅れてることにがっかりしたんだろう。彩ちゃんは、先頭をきって歩くタイプじゃないけれど、それでもみんなに遅れまいと必死に着いて行くタイプだ。美紀が知っている世界を知らない自分にがっかりしてるんだろう。

「お姉ちゃんが教えてあげる。気持ち良いこと……」
 姉ちゃんは彩ちゃんの後ろからギュッと抱きしめる。そして、脇とお尻に手を這わす。指がまるで蜘蛛の足のように、ざわざわと服の上で動いて彩ちゃんを擽る。
「ヒャン!! お姉さん、こ、こそばゆい!!」
 彩ちゃんは、姉ちゃんの手から逃れるように身体を捩る。
「じゃあここは?」
「いやん、だめ!! そこっ……」
 彩ちゃんの声がかん高く響いた。姉ちゃんの手が僅かに膨らんだ胸に達したんだ。
「イヤなの? わたしに触られるの……」
 姉ちゃんは優しく耳元で呟く。
「そ、そうじゃなくて……恥ずかしい……。健君も……見てるし……」
 見ないで、恥ずかしい……、そう言われると、一瞬、見ちゃいけないと思うけど無性に気になる、見たくなる。気が付けば、ボクは目を皿のようにして彩ちゃんを見詰めている。彩ちゃんは目を瞑り、僕が見ていることには気が付いていない。いやっ、知っているからこそ恥ずかしくて目を瞑っているんだ。

 姉ちゃんは彩ちゃんの手を取り、左手を胸に、右手を股間に導いた。スカートが捲くられ、パンツの上に二人の掌が覆い被さっている。姉ちゃんは自分の掌を彩ちゃんの掌に被せ、もそもそと動かす。
「ンッ!!」
 彩ちゃんが、背中をビクンと伸ばす。
「感じるでしょ、ここ……。彩ちゃんもクリ○リスが一番感じるみたいね。フフフ……」
 姉ちゃんの手が、パンツの上からクリ○リスを擦ったんだ。いやっ、姉ちゃんの手に導かれた自分の手で弄くったのかな? まあ、どちっでもいい。彩ちゃんも感じてるんだ。

「はあ、はあ、はあ……」
 彩ちゃんとは違う声に、そっちの方を見ると美紀も息を荒くしてる。
「美紀ちゃん、美紀ちゃんもこっち、いらっしゃい……。一緒にしよう?」
 姉ちゃんも美紀の変化に気付いたのか、美紀を抱き寄せ美紀の胸に掌を被せた。美紀はコクっと頷き、自分の手をスカートの中に忍ばした。

 いつの間にか、ブラウスはオッパイの上まで捲り上げられブラジャーも押し上げられている。彩ちゃんの僅かな胸の膨らみも、美紀の……もうオッパイと呼べるはっきりとした膨らみもボクの視線を釘付けにする。そして真っ白なお腹に可愛く凹んだおヘソ、どうしてこんなところまでボクらの視線を釘付けにするんだろう。

 でも、もっと見たいものがあったはず……。ボクは視線を下に移す。パンツが膝のところで丸まっている。パンツを膝まで下ろし、姉ちゃんの助けを借りずに自分の指を動かしてる美紀と彩ちゃん。彩ちゃんのツルンツルンの膨らみが眩しい。割れ目の中に指先が埋もれて、コリコリと動いている。クリ○リスを擦ってるんだ。指とワレメが露に濡れたようにキラキラと光っている。

 自分の股間を弄りながら、時々お互いの胸に舌を伸ばしている。姉ちゃんに教えられたんだ。二人の耳元で、姉ちゃんが色々教えている。姉ちゃんはそんな二人を見ながら、自分のパンツの中に入れた手をもぞもぞと動かしている。

 ボクは凄いものを目撃している。ボクらの覗き計画は失敗したけど、ボクだけはみんなが見たかったものを、それ以上のものを拝んでいる。クラスで一番可憐で可愛い彩ちゃん、クラスで一番、男子に人気がある美紀、その二人のオッパイとオマ○コを、オナニーシーンを……。酷い姉ちゃんだけど、少しはボクの為になってくれる。もしかして、姉ちゃんはこうなるのを予想してボクを脱がした? ボクに美紀と彩ちゃんの裸を見せるために二人にオナニーを教えた? ボクに罪が掛からぬように……。それとも、自分のオナニーのオカズに二人を選んだだけなのかな?

「あん、アン、キャアン……」
 彩ちゃんがガクンッと横たわった。あのときの声まで可愛い、彩ちゃんは……。
「アッ、アアッ、ウウン、アンッ!!」
 いつもは男勝りの美紀も、女っぽい声で崩れた。

「はあ、はあ、はあ……」
 荒い息を吐きながら床に横たわる二人を、姉ちゃんが笑顔で覗き込む。
「こんなに汗かいちゃったね。あそこも濡れちゃったし……」
 姉ちゃんが、汗で貼り付いた二人の前髪を指で梳いた。
「じゃあ風呂入ってさっぱりしましょ。健に邪魔されて入ってないもんね」
「ふぁあい……」
 彩ちゃんの声は呂律が回っていない。気持ち良かったんだ、初めてのオナニー……。

「健!! ちゃんと綺麗にしておきなさいよ。床、あなたが汚しちゃったんだから……」
 姉ちゃんは床に零れているボクの精液を指差して言う。そして、三人は風呂に向かった。ボクはおいてけぼりにされた、吊り下げられたまま……。

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