ボクらの秘密
木暮香瑠:作
■ お泊り9
三人が風呂から帰ってきた。帰ってくるなり姉ちゃんの目が釣りあがる。
「健! 片付けてないじゃない。ザーメンがそのままになってるう!!」
「片付けれるわけ、ねえだろ!!」
ボクは吊り上げられた手を目一杯揺すり抗議した。
「あら、健。まだそんなとこにぶら下がってたの?」
「こっちもぶら下がってる」
姉ちゃんと美紀は、ボクの股間でだらりとぶら下がるちんちんを見てクスリと笑った。彩ちゃんは美紀の後ろに隠れ、ボクの股間を微笑ましい顔で覗き込んでいる。
やっと下ろされたボクは、チェッと舌打ちして床をティッシュで掃除し始めた。
「あっ、ドラマが始まってる。テレビ見なくちゃ。美紀ちゃん、彩ちゃん、リビング行こ!」
「は、はい」
彩ちゃんは少し遅れて出て行く時、ボクの股間にぶら下がるものをチラッと見てた。
「健君。彩ね、健君とだったら……いいよ」
彩ちゃんはそうポツリと言うと、顔を真っ赤にしながら二人の後を追っていった。
「えーーーっと、これでキレイになったかな」
ボクは、飛び散った精液を全部拭き取れたか床を見渡した。すると、美紀と彩ちゃんがオナニーしていたところが二箇所湿っている。
えっ!? これって、彩ちゃんと美紀の愛液?
ボクは、彩ちゃんが横たわっていたところに顔を近づけ臭いを嗅いだ。そして恐る恐る舌を伸ばす。舌先がブルブルと震える。……やっぱ、やめた。何か卑怯な気がした。いつか直接舐めれるかもしれない。彩ちゃんは最期に言った言葉に、そんな予感を感じていた。
「健! 早くしなさい。美紀ちゃんも彩ちゃんも待ってるわよ」
母ちゃんの怒鳴り声に急かされ、ボクは玄関を出た。美紀と彩ちゃんが何か喋りながらボクを待っていた。
「さあ行こう」
美紀と彩ちゃんは、僕が出てきたのを確認し歩き出した。二人の後姿を見ながら、ボクも歩き出した。何故か二人の姿が大人っぽく見える。特に彩ちゃんは、可愛らしさだけだった仕草が、少し大人になったように感じる。新しいことを知った自信、大人への階段を一歩登ったのかな……。
美紀と彩ちゃんが通り過ぎた電信柱の影から、武彦がボクを手招きしている。他の三人もいる。
「健、大丈夫だったか?」
「ばれちゃったよね。先生に言いつけられるかな?」
「たぶん大丈夫だよ。美紀も彩ちゃんも誰にも言わないと思う」
ボクは確信は無いがそんな感じがしていた。
いつもの五人が揃ったことに気付いた美紀が、突然振り返りボクを呼んだ。他の四人は驚き、僕の陰に隠れる。隠れれる訳ないじゃん、四人もボク一人の後に……。ボクは小走りに、美紀のところに追いついた。
「健、昨日のこと……ばらしたらどうなるか判ってる?」
美紀は、姉ちゃんの部屋でのオナニーのことを心配してるらしい。
「ばらしちゃおうかな? オレのチン○ン、しっかり見たこと。オナニーしたこと」
ボクは悪戯っぽく、美紀を恐れ少し離れてついてくる四人に視線を向け言う。
「じゃあ私も、健のおチン○ンのホクロ、ばらしちゃうからね」
「やめてくれ! 秘密は絶対守るから……」
ボクは手を合わせ美紀にお願いのポーズをとった。おチン○ンを見られたことは知られてもいいかなって思う。でも、ホクロを知られるのは恥ずかしい。どうしてかな?
「みんな、早く行こ。遅刻するぞ」
ボクは、少し離れてボクと美紀の様子を窺っていた仲間に元気よく声を掛けた。僕の声に先生にチクられる気配のないことを察し安心したのか、みんなに笑顔が戻った。
「おう、行くぜ」
「早く行こう」
みんなで美紀と彩ちゃんを追い抜き、ボクらは学校に向かって駆け出した。
夕方、彩ちゃんのママが迎えに来た。彩ちゃんは何事もなかったようにママの横でボクと美紀に、「さようなら」って手を振っている。ボクも手を振った。でも視線は彩ちゃんのママに吸い寄せられる。
彩ちゃんのママのあそこも……。ボクは昨日見た彩ちゃんのオマ○コを思い出していた。そして、頭の中に鮮明に残る映像を、彩ちゃんのママのスカートの上に重ね合わせていた。彩ちゃんのママのあそこも……ツルツルなのかな? 姉ちゃんみたいにモジョモジョなのかな? でもきっと、キレイなんだろうなって……。
「どこ見てんの!」
ボクの後で手を振っていた美紀が、ボクの頭を拳骨でコツンッと叩いた。指を折った、尖がった角で……。
いててて……。本当に……、だんだんと姉ちゃんに似てきた。美紀は……。
お泊り・おわり
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