ボクらの秘密
木暮香瑠:作

■ 水着とお尻と……6

 ボクの目の前で四つん這いになり、大きなお尻を突き出してる亮太。そしてボクは、チ○チンを出しそれを見詰めている。
「硬くしないと入らないぞ。Hなこと考えろ」
「判ってるよ!」
 そうは言ったものの、目の前にあるのが亮太のお尻だと思うと、なかなか硬くはなってくれない。お尻の穴って、あんなに皺があるんだ……。うんこ、着いてないかな……。どうでもいいことを考えてしまう。その奥には、うんこが溜まっていることなど気付かずに……。それでも、Hなことをいろいろ考えてる内に少しづつ硬くなり始めた。
「ほら、これを見ろ!」
「こっちの方がHだぞ!」
 みんなが漫画の中から、思い思いにHだと思うページをボクに見せる。みんな必死だ。そんなに興味あるのかよ、みんな! セックスに……。みんなが選らんだ漫画は、どれもHだけど……目の前にあるのは亮太のお尻なんだ、トホホホホ……。

 その時、プーーという音と悪臭。
「何やってんだ、亮太!!」
 みんなが一斉に亮太に突っ込みを入れた。
「ごめんごめん。緊張したらオナラ、出ちゃった」
 硬くなりかけたボクのチン○ンは、また萎えてしまった。

 ボクは目を瞑り、姉ちゃんの裸、美紀の裸を交互に思い浮かべる。そして時々彩ちゃんの裸も……。うん、いけるかも……。目の前のお尻を見る。やっぱり亮太のお尻だ、いやっ、これは姉ちゃんのお尻なんだ。必死で思い込む。彩ちゃんのお尻なんだ、いやいや、美紀のお尻だ! 水泳の授業で、水面からプカプカと浮いていた美紀のお尻……。水着の下に隠れていた美紀のお尻が、ここにあるのはあの時の美紀のお尻なんだ!! ボクの努力は何とか報われ、そしてボクのおチン○ンは硬くなった。
「よし! 入れるぞ!!」
 覚悟を決めたボクが、チ○ポの先を亮太のお尻に当てた時だった。

「健ッ! いる?」
 この秘密基地の入り口、植え込みの穴から美紀と彩ちゃんの顔が現れた。
 ボクらの体勢を見た美紀と彩ちゃん、目が点になってる。当然ボクらの視線も二人に向けられ、目は点になっている。
 美紀と彩ちゃんは、ズボンとパンツを膝まで下げた亮太のお尻に手を着いている僕の顔と、下半身でパオーーンと鼻を擡げた象さんがお尻の割れ目に宛がわれているのを交互に見て、そして目は大きく見開かれる。

 そして一瞬の静寂の後、「キャアアアーーー!!」と公園に悲鳴が響き渡った。

「変態! ヘンタイ!! ヘンターーイ!!」

 美紀の軽蔑の視線が痛いくらいに突き刺さる。彩ちゃんは目を丸くし、今にも失神しそうだった。



 帰り道、美紀と彩ちゃんはボクらから10m離れて後を歩いていた。少しでも距離が詰まると、「近づかないでよ! しっ、しっ!!」と手でボクらを払う。ボクらはゴミと一緒か? そんなに汚いものを見るような目で見なくても良いと思うのに……。ちょっと好奇心が旺盛なだけ……、行動力があるだけなのに……。
 ボクらが立ち止まり振り返ると、「見ないでっ! 不潔!! バリアーーー!」と指で、『えんがちょ』をする。彩ちゃんも、その美紀の影に隠れる。美紀の作ったバリアの恩恵を受けようとするように。
『えんがちょ』って言え、外国語使いやがって……、と思うだけで決して言葉にはしない。とんでもない場面を見られてるわけで、今は何を言ってもボクらが損だ。
 でもボクは、美紀のミニスカートから伸びる足を見て、その上を想像してしまう。太腿、その上にはお尻があって……、水面からプカプカと浮いてたお尻が……。
 ああっ、ダメだダメだ、さっきまで見ていた亮太のお尻が頭から離れない。ついつい亮太の、ぼてっとしたお尻を思い出してしまう。



「ちきしょう……、判んない」
 宿題を始めたが、てんで判らない。美紀は姉ちゃんの部屋で宿題をやっている。いつもなら美紀が、嫌々ながらも教えてくれるのに……。変態とは同じ部屋に居たくないと言って、帰るなりさっさと姉ちゃんの部屋に入っていった。

「美紀ちゃん、どうしたの? 健と何かあったの?」
 姉ちゃんの部屋で宿題をする美紀に、姉ちゃんが話しかける。
「変態とは同じ部屋に居たくありません!」
「変態ねえ……。まあ、ちょっとHなところはあるけど……。何があったの?」
「健ったら、亮太君のお尻に……。やだあーー、恥ずかしくて言えません!」
 美紀は、真っ赤になった顔を両方の掌で隠す。話すのも恥ずかしいこと、でも姉ちゃんは押したり引いたりして何とか美紀から話を引き出したみたいだ。そしてボクは、姉ちゃんの部屋に呼び付けられた。

 姉ちゃんの前で、ボクは正座させられている。いつもと違うのは、姉ちゃんも正座してる。美紀も姉ちゃんの後ろで正座してる。まじめな顔して……。
 すごい威圧感。こんな真面目な姉ちゃん、初めてかもしれない。なぜか凄みがある。
「健、あんた……、ホモだったの?」
 姉ちゃんは顔を前に突き出し、僕の顔を覗き込み言った。右手の手の甲は、胸の前をクロスして左頬に当てられている。

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