ボクらの秘密
木暮香瑠:作

■ 夏祭り9

「綺麗だね」
 さっきまで目を瞑っていた美紀も空を見上げている。
「うん、綺麗だな……」
 二人並んで、夜空を飾る花火を眺める。

 ヒュルヒュルヒュル……と音が続く。

 ドーーーン! ドーーーン!!

 パチパチパチパチパチ、パチパチパチパチパチ……。

 大輪の花が、続けざまに何輪も咲く。さっきまでの静けさが嘘のように、大きな音と共に夜空が明るくなる。

 二十発の打ち上げ花火が終われば、今年の夏祭りは終わる。ボクらは、全ての花火が終わるまで夜空を見上げ続けた。

「帰ろうか、遅くなるとみんなが心配するから……」
 再び訪れた静寂の中、美紀が名残惜しそうに呟いた。



 帰り道、ボクはずっとさっきの言葉のことを考えていた。『キス、してみる?』『キスすると、健のHうつっちゃうもん』ってことを……。キスするって言ったのは本気だったのかも。ボクが戸惑っていたからはぐらかしたのかも。あの時キスしてたら、ボクのHがうつるって、ボクの考えてるようなことしても良いよって言うことだったのかな?



 家に着くと、美紀のお父さんが迎えに来ていた。美紀は、そのまま帰っていった。帰り際、振り返りニコッと笑って手を振る美紀。ドキッとした。なにかやり残したことがあるような今年の夏祭り……。何をやり残したのかは判らないけれど……。



 ボクが二階に上がると、浴衣の姉ちゃんが部屋から顔を覗かせていた。
「健、帰りが遅かったわね……? 何してたのかな?」
 そういうと姉ちゃんは、ボクを手招きし自分の部屋に引き入れた。
「花火、夏祭りの終わりの花火、見てただけだよ」
「覗き見のお仕置きをしてなかったわよね。覗き見が悪いのは判ってるでしょっ?」
 そう言って姉ちゃんはボクを押し倒す。そして、浴衣の裾を捲り、ボクの上に馬乗りになる。姉ちゃんの足がボクの両腕を押さえ込む。お尻が顔の上に乗り、完全に動きを封じられてしまう。

 エッ!? 姉ちゃん、パンツ、穿いてない。直接お尻の肉がボクの顔を押さえ込んでいる。

「私のデートを邪魔した罰よ。あんたに逆らう権利は無いからね」

 デートの邪魔って!! デート中、パンツ穿いてなかった? 姉ちゃんは、股間をボクの顔に擦り付ける。コリコリとボクの鼻を使って、股間の縦裂を擦り付ける。チキショウ! 姉ちゃんのヤツ、ボクの顔を使ってオナニーする気なんだ!

「や、止めろよ!!」
「うるさい! 黙ってなさい!!」
 そう言って姉ちゃんは、あそこをボクの顔に強く押し付けた。腰をボクの顔の上で揺る姉ちゃん。ううっ! 息が出来ない。姉ちゃんの割れ目が、ボクの鼻を飲み込み行き来する。臭い! 鼻の穴を姉ちゃんのあそこが……! 直接なんて耐えられない、堪らない!!

「ううーーーん、自分の指とは違った感じ。これ、いいかも、ああん……」
 姉ちゃんの声、いつもと違う……。感じてるの? ボクの鼻で……。
「なんなら舌を使って私を気持ちよくしなさい。そしたら許してあげる」
 何言ってやがる。こんなに強くあそこを顔に押え付けて……。口なんか開けれないじゃないか!! ああっ? 鼻の頭にコリコリとした突起が当たってる。なに? ううっ! クリ○リスをボクの鼻で刺激してるんだ。

 姉ちゃんが軽く腰を浮かした。
「ねえ、健。キス位した?」
 なに訊いて来るんだ。こんな状況で……。
「し、してません」
「なんだあ。せっかく二人っきりにしてあげたのに……」
 逆らちゃマズイと思って丁寧に答えたボクに、姉ちゃんは再び腰を落としてきた。

「祭りの夜って、なぜかHな気持ちになるのよね。このままじゃ寝れないでしょ? だからあんたも手伝いなさい」
 何でオレが姉ちゃんの快眠の手伝いをしなくちゃいけないんだ! オレは姉ちゃんの玩具、大人の玩具じゃないぞ!!
「ほらっ! あんたも顔を動かしなさい! 私だけ動くの、疲れるじゃない」
 許してよ、息が出来ない!! ちきしょう、女なんて嫌いだ! 絶対嫌いだ!!

夏祭り・おわり


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