母はアイドル
木暮香瑠:作

■ 危険な愛戯4

 龍一は、搾り出すように胸を揉んだ。龍一の手で卑猥に形を変える胸が、その量感を露に示す。鎖骨から丘陵にかけて大粒の汗が浮かび、谷間を伝い落ちる。キャミの下、ブラジャーの中は蒸れ蒸れなのは想像するに容易い。
「大きなオッパイだね。いくらあるんだい? 何カップなのかな?」
 舐め回すような視線と共に、恥辱を煽る質問が投げ掛けられる。
「まさみ、答えろよ」
 龍一が戸惑うまさみの背中を押すように命令し、乳首とクリ○リスを指で転がした。
「うっ、あん、ううん……。88の……、Eカップです……」
 まさみは恥辱に顔を真っ赤に染め、俯きながら答えた。
「いいね、本当に恥ずかしがる顔がゾクゾクくるね」
 恥ずかしがる仕草と大きく形を変える双乳、キャミの裾から伸びたすらりとした脚、そして龍一の掌が動くたびにチラチラと覗く濡れたパンティが男の性欲を刺激する。
「この娘、『売り』はやらないの? この娘なら、高く買うよ」
 男の言葉に、まさみに不安がよぎる。今まで、龍一の命令でいろんな男たちの陵辱を受けてきた記憶が蘇る。
(売春させられるの? この人に抱かれなくちゃいけないの?)
 まさみの不安は、幸運にも裏切られた。
「ああ、やらねえ。自分の女を他人に抱かせて喜ぶほど落ちぶれてないんでね……」
 龍一は今までの非道は棚に上げ、男に向かってきっぱりと言った。
(私が……龍一さんの命令に従っていれば……守ってくれるの? わたしのこと……)
 これが恋人として振舞うと約束したことへの龍一からの答えだと、まさみの杞憂を少し和らげた。

 熱くなったまさみの身体。そして股間を弄る指はしっかりと濡れ、胸を揉む指にも湿度を感じるようになった龍一は、手を止めまさみに言った。
「さあ、脱いで差し上げな」
(今日は……、龍一さんの恋人なんだ。……逆らわなければ、酷い事はしないって……。他の人に抱かせるような事はしないって……約束……)
 まさみは、こくりと頷いた。まさみに芽生えた小さな信頼が、素直に頭を肯かせた。
「み、見ないでください……」
 小さな声でそう言いながらも、まさみは手をキャミの懐に手を入れた。男の正面からの目を避け、後ろ向きになり背中のホックを外しにかかる。
 男にとっては、ブラを外す仕草を目の当たりにでき好都合なことなどまさみには知る由もない。
 薄い布地の中で指がもぞもぞと動き、ブラジャーが抜き取られていく。若い女性の恥ずかしながら行う脱衣行為に、男はゴクリと唾を飲み込んだ。

 抜き取ったブラジャーを丁寧に折りたたみ、そっと横の机に置く。そして、もう一枚の下着に取り掛かる。キャミの裾の中に手を入れ、後ろ向きのままパンティに指を掛ける。そしてゆっくりと手を下げてゆく。柔らかな薄い布地は、汗でお尻に貼り付き剥がれようとしない。まさみはクネクネと双尻を揺すりながらパンティを脱いでいった。
 まさみがお尻を揺するたび、艶々とした肉尻と脚の僅かな間からはぷっくりとした肉丘までもが男の目に晒される。
「おっ、ケツが見えた! かわいいお尻してるね」
「いやっ、見ないで! ください……」
 まさみは慌てて身体を捩り横向きに姿勢を変えた。そして、恥ずかしそうに目を伏せた顔を男に向けた。
「乳首、勃ってるね。スケベな娘だね」
 横向きが一番お尻が見えにくいと思いとった姿勢だが、横からの身体のシルエットは大きな胸を晒した。重量感のある肉球が迫り出し、その頂点がキャミの薄い布地を押し上げ尖っている。
「いやっ、恥ずかしい……」
 まさみは、慌てて掌を胸に当て隠す。
(だ、だめっ……。どちらを向いても見られちゃう)
 前にはお客の男、後ろには店主がニヤニヤと目を細めながらまさみに視線を投げかけている。
「早くしろよ。お客さんを待たしちゃいけねえな」
 恥ずかしさに身体が固まり動けないでいるまさみに、龍一の叱咤が飛ぶ。
「はっ、はい……」
 龍一の叱咤に、再びパンティに指をかけるまさみ。片手で胸の頂点を隠し、もう一方の手でゆるりゆるりとパンティーを脱いでいった。

 脚をくの字に折りつま先を持ち上げ、ゆっくりとパンティを抜き取る。その仕草が実に色っぽい。まさみの恥ずかしながらのゆっくりとした仕草は、男を十分に満足させた。
 パンティも丁寧に折り畳み、ブラジャーの上に重ねた。そして、両手の掌の上に載せる。
「こ、これを、買って……ください」
 声を震わせ、脱いだばかりの二つの下着を男に差し出した。

「へへへ、高く買わせてもらうよ」
 男は卑猥に、そして満足げに笑い商品となった下着を受け取った。そして、たった今脱いだばかりのブラジャーを顔の前で広げる。カップの中に鼻を突っ込み、大きく息を吸った。
「すっぱい匂い……、湿ってる。甘酸っぱい汗の匂い、堪らないね」
 汗に湿ったブラジャーの匂いを嗅がれ、まさみの顔は真っ赤に染まる。
「こっちはどうかな?」
 パンティに持ち替えた手を顔の前に掲げた。薄い布地を広げ、船底部を目の前に持って行く。
「濡れてる、濡れてる。ひひひ……。ビショビショだよ。ほら、ここのところ……」
 まさみに見えるように広げた股間部を翳す。男が指で突付くと、指先と布地の間に愛蜜が糸を引く。
「いやっ、そんなことしないで! 恥かしい……」
「濡れ易いスケベな身体してんだね」
「そ、そんなこと、ありません……」
「おマ○コするのも……好きなんだろ?」
 男の言葉にまさみは顔を引きつらせ龍一の顔を伺った。言葉では本番はさせないと言っているが、男の必要な要求に龍一が折れるのではないかと心配になったのだ。しかし龍一は、男の要望を拒絶するかのように鋭い視線で睨み付けていた。
「おっと……、それは駄目なんだよね。へへへ……」
 男は、申し訳ないと言わんばかりに龍一に苦笑いを返した。龍一の毅然とした態度に、まさみの中の小さく芽生えていた信頼感が、少しづつ大きなものへ育っていった。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊