人妻と少女の淫獄
木暮香瑠:作

■ それぞれの思い3

 時計の針は12時を廻っている。兄夫婦が寝室に入って暫く経った。

 昇は、トイレに行く振りをして兄夫婦達の寝室の気配を探った。夫婦の寝室は明かりも消え、物音一つしない。昇は兄夫婦が寝静まったのを確認し、自室に戻ると机の引き出しを開けた。
「兄貴も、少しは義姉さん、愛してやんねえとな……。遅く帰ってきて、風呂入って寝るだけじゃ、義姉さん、かわいそうだよ。残業で疲れてるのは判るけど……」
 独り言をいいながら、引き出しの奥から隠していた秘蔵DVDを取り出した。

『実録・女子大生レイプ』『素人女子大生・フェラチオ調教』『素人女子大生・アクメ地獄』、三枚のDVDを手に悩む。同じ女優のシリーズ物で、エロに精通した友人が貸してくれた物だ。『返せ』と催促はされているが、『その内に……』と誤魔化して、半ば昇のものと化している。返すのが惜しくなるほど気に入っている。
「どれにしようかな……。やっぱりこれかな?」
 昇が選んだのは、シリーズ第一作の『実録・女子大生レイプ』だ。

 ストーリーは、タレントにならないかと街角でスカウトされた女性が事務所に連れ込まれ、そこにいた数人の男達にレイプされるというものだ。素人物の演出なのか、目元にモザイクが掛かっている。それは三作に共通の演出だ。しかも、演技が白熱している。本当に素人をレイプしているんじゃないだろうか……、そう思わせる演出が全般に渡って一貫している。昇は逸る気持ちを抑えながらヘッドホンをして、DVDをパソコンにセットした。

 DVDを乗せたトレイが引き込まれ、緊張感を煽る音楽と共に画面にタイトルが映し出される。画面は人通りの多い街角に変わる。

 街角で男に声を掛けられた女子大生、声を掛けた男は誠実そうな若い男だ。かなりのイケメンだが、きちっとした身なりで真面目さをアピールしている。最初は戸惑っていたが、モデル・スカウトと名乗る男の丁寧な喋り口と褒め言葉、執拗な誘いにちょっと嬉しそうに付いて行ってしまう。怪しげな建物の事務所に入った途端、ドアに鍵が掛けられ、四人の男達が現れた。スカウトと名乗る男と合わせ五人の男達は、女子大生に詰め寄り卑猥な言葉を投げかけた。
『でっかいオッパイだな。見せろ!』
 男の言うことが判らないのかキョトンとする女性。しかし、カメラで撮られていることに気付き、自分の立場を理解したのかみるみる表情が強張っていく。
『スカート捲って、マ○コを出しな!』
『ほら脱げよ。ちょっと褒め言葉並べれば、嬉しそうに付いてきやがってよ。お望み通りAV女優としてデビューさせてやるぜ』
『嘘ッ! 雑誌モデルだって言ったじゃない!!』
 怯えた女性は後退るが、後に廻った男に阻まれる。
『つべこべ言わずに脱ぎゃいいんだよ!』
 怒鳴り声と共に、後から男の手が女性の胸を弄る。
『キャーーー!!』
『ほらほらほらっ! 叫べよ、誰も助けに来ないぜ!』
『服が邪魔だな、全部毟り取っちゃえ』
 ビリビリと服が破ける音……。
『イヤッ!! だ、ダメえ! ひ、酷い!!』
 ヘッドホンから聞こえてくる台詞は、過剰な演出もなく緊張感を帯び心の奥底に迫ってくる。

 押し倒された女性に五人の男達が群がる。逃れようともがく女性の足が、男の顔を直撃する。
『痛ッ! 何しやがる、この牝!』
 ドスッ!!
『ウグッ、ウウウ……』
 男のパンチが女性の鳩尾に減り込み、くぐもった悲鳴が女性の口から漏れる。AV女優の演技にしては上手すぎる。
(本当に殴ったりはしてねえよな。音を足してんのかな。そこらの映画より迫真の演技だな……)
 次々と服がただの布切れと化し剥ぎ取られていく様を見ながら、昇の視線は画面に釘付けにされていく。

 全ての服を剥ぎ取られた女性が、裸の男達に手足を抑えられた。脚を押さえ込んでいた男達が女性の脚を割り開く。30度、60度と開かれて行き、局部がカメラのレンズに露にされていく。
『いやああ! やめて!! だめっ! いやあああ……!!』
 響き渡る女性の喚き声。逃れようと身体を捩るび細い腰が畝り、仰向けになっても形の崩れることの無い大きく盛り上がった双乳がブルンブルンと重そうに波打つ。
「でかいオッパイだな。オッパイの揺れ方がイヤらしくて淫らだな」
 昇の視線は、揺れるバストに吸い寄せられる。頭を激しく振りブラウンに染められた髪が乱れ、汗に濡れた額に張り付く。ブラウンに染めた髪は柔らかくウェーブが掛かっていて、今の美香の黒髪のストレートヘアとは違う。しかし、全体の印象が義姉の美香に似ていた。美香が若かったら、こんな女子大生だっただろうと思わせる雰囲気に昇の股間に血液が集まっていく。
「乳首も……、乳輪も大き過ぎずでピンクで綺麗だし……。義姉さんのオッパイもこんな感じなのかな? 大きさは同じくらいだよな。」
 昇は、自然と画面の中の女性と義姉を比較していた。

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