人妻と少女の淫獄
木暮香瑠:作

■ 崩れていく関係2

 ソファーに浅く腰掛け、膝の上で両の掌を堅く握り締めている美香。土曜日の午前中、時が止まったような静寂の中、リビングには置時計の時を刻む音だけが聞こえる。
「姉さん、AVに出てたんだね。結婚前、AV女優をやってたなんて知らなかったよ」
 俯きテーブルの上に並べられたDVDのケースをじっと見詰めている美香に、昇は写真をひらひらと翳し話しかける。並べられているDVDは、かつて美香が出演した三作品だ。そのDVDジャケットには、目を隠された若かりし頃の美香が写っている。
「兄さんは知ってるのかな? 姉さんがAVに出てたって……」
 美香の顔が、見る見る蒼白に変わる。
「その様子だと兄さんには教えてないんだ、姉さんがAVに出てたってこと……。兄さんを騙して結婚したんだ」
「ち、違うわ!!」
「真面目だけが取り柄みたいな兄さんだもん。どうするかな? このことを知ったら……」
「止めて! ち、違うの!!」
「えーっと、『実録・女子大生レイプ』、『素人女子大生・フェラチオ調教』、それから……『素人女子大生・アクメ地獄』だったかな? 凄い演技だったよね」
 昇はDVDのタイトルを続けざまに告げ、否定しようとする美香の話を遮る。
「ち、違う……!! え、演技なんかじゃ……。信じて……」
 美香の望みは叶わなく、昇は淡々と話し続ける。
「俺、あの場面が好きだな……。デビュー作の、服をビリビリと破かれ裸にされるところ……。あっ、あれも良かったな、『アクメ地獄』のアクメにザーメンぶっ掛けられて、それを指で掬って舐め取るところ……」
 昇は美香の記憶を呼び起こすように、一つ一つDVDを手に取り、AVの場面を告げていく。
「あれなんか最高だったなあ、お尻とマ○コに二本刺しされて喘ぐところ……。姉さん、お尻も使えるんだね」
 美香は、胸の前でお祈りするように手を握り弱々しく顔を振る。
「そうそう、『フェラチオ調教』の頬っぺた凹ましてジュルジュルってチ○ポしゃぶる顔もスケベだったよね。オッパイをブルンブルン揺らして、顔を男の股間に埋めるところ……。ほら、このDVDに収められているヤツ……」
「止めて!! も、もう、止めて!! うっ、ううう……」
 美香は昇が差し出すDVDを見ることを拒むように、両手で顔を覆い声を詰まらせた。

 出演AVのDVDを全て見せられた。全てを見られている、全てを知られている。美香に否定する術は判らなかった。それでも、愛する夫の弟、昇には信じて欲しかった、あれは嘘だと……。
「口もマ○コも、チ○ポ大好きって感じでよかったなあ……。凄い演技だったよね……」
「違うの、違うの……。無理やり……、無理やり撮られたの。演技なんかじゃないの、ううっ、ううう……」
 義姉の泣き声が昇の胸を刺す。憧れの義姉であり、叶えられない関係だと判っていても恋い慕う存在だ。義姉の言っていることは本当だと、昇自身信じたかった。しかし信じるわけには行かなかった。義姉と関係を結べる、これ以上のチャンスはないのだ。今情けを掛けると、二度とチャンスはない気がする。
「へえー。じゃあ、あの感じ方は演技じゃなく本当に感じてたんだ。『アクメ地獄』の感じ方、尋常じゃなかったよね」
 昇は痛む胸の内を隠し、ネチネチと言葉で責め続けた。
「言わないで!! ち、違うの……」
 美香には、どう言葉を返せば良いのか判らず、ただ顔を横に振るばかりだった。

「誰のチ○ポでも感じるんでしょ? あの篠原っていう男、アイツも姉さんのセフレなんでしょ? 女子大生の頃からあんなに開発されてんじゃ、兄さんだけじゃ満足できないよね」
 昇は、美香の肩に手を押し当てゆっくりとソファーの上に倒していく。
「ち、違うわ」
 じっと美香を見詰める昇の目は据わっていて、何を言っても受け入れない形相を醸している。
「じゃあ、浮気相手? それとも本気? 昨日も、アイツとやってたんでしょ。電話で姉さん、おかしかったもの。電話中もやってたでしょ」
 ソファーに押し倒され横たわった美香を上から見下ろしながら言う。
「イヤッ! だめ! 昇さん、ダメッ!! ……」
 美香は、昇の胸を両手で押し返す。

「兄さんが悪いんだ。姉さんを満足させてやらないから。だからあんな男と……。スケベな身体を、持て余してんだろ?」
 昇は、美香の肩を押さえていた手をゆっくりと外す。
「俺が満足させてやるよ。もう、浮気なんかしないように!」
 そういうといきなり、美香のブラウスの胸元を掴み左右に思いっきり引き裂いた。

 ブチブチブチッ!

 ブラウスのボタンが弾け飛ぶ。美香は言葉を発することも出来ず、ただ目を大きく見開いている。今起こっていることが現実だとは思えないように、驚きに動きを奪われていた。
「姉さん、でっかい胸だね。このオッパイで男を狂わせてたんだろ? AVで男達に揉まれて形を変えるオッパイ、嫌らしかったな」
 昇の眼下には、ブラジャーに包まれ深い谷を作っている肉球が、荒い息に揺れている。毎日、DVDを見てチ○ポを堅くした憧れのバストだ。それが今、目の前にある。昇の手が、ゆっくりとその隆起に近づいていく。
「このオッパイを揉みたかったんだ。姉さんが家に来てからずっと……」
 昇の言葉が、美香を現実に呼び戻す。
「だっ、だめ! 昇さん、私たち……義姉弟なのよ、ダメッ!!」
 美香は慌てて胸を両手で隠した。
「姉さん、逆らっても無駄だよ。俺、決めたんだ。姉さんを犯るって……」
 昇は、胸を隠す手を掴む。
「うううっ、だ、ダメッ……」
「姉さんの欲求不満を俺が満足させてやるって……、仕事ばっかりの兄さんに代わって……」
 美香の呻き声が漏れる中、昇は美香の剥がした手を、片手で万歳の格好に頭の上で固定した。そしてもう一方の手で揺れる胸を鷲掴みにした。

 力を込め握ると、指が埋まるほど柔らかい肌、しかし、弾力があり押し返してくる張りのある隆起。昇は指に感じる義姉の体温に、腰を振るわせた。
「すごいよ、姉さんの胸。指が埋まるくらい柔らかで大きいのに、押し返してくるよ。なんて気持ち良いだ」
「いや! て、手を、離して! いっ、痛い!! そんなに強くしたら……。ダメッ! 握らないで、痛い!!」
「あれ? おかしいな。ビデオじゃ、あんなに感じてたじゃない。荒っぽくされるのが好きなんだろ?」
 そう言うと昇は、力任せにブラジャーを引きちぎった。
「いやあ!」
 美香の悲鳴と共に、白い肉球が現れブルンと揺れる。その頂点には、慎ましげに膨らんだピンクの乳輪、そして中央に小指の先ほどの乳頭が鎮座している。
「綺麗だよ、姉さんの胸……」
「いや! 離して! て、手を……」
 逃れようと身体を揺すると、重たげな双乳がブルンブルンと波打つ。昇は、その揺れを止めるように伸ばした手を胸に当て、指を埋めていく。ミルクを溶かし込んだような白くて滑らかな肌は、指にねっとりと絡み付いてくる。
「だめえ、そんな……。私たち、義姉弟なのよ……、止めて……」
「画面で見るよりずっと綺麗で柔らかいよ。最高の握り心地だよ、姉さん……」
 美香の言葉など耳に入らないと、昇は指を蠢かせ義姉の柔肌を味わった。

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