人妻と少女の淫獄
木暮香瑠:作

■ 従わされる女達4

 唾液を潤滑油に、張りのある柔肉が怒張を擦り上げる。血管の浮いた棹が、胸の間で柔肌と擦れる。
(早く……、早く逝かせなくちゃ……)
 胸の間から頭を覗かせた亀頭に舌を伸ばし、鈴口を突付き刺激する。主人にばれたら……、主人にはばれなくても義弟は気付くかもしれない。過去の過ちを気付かれ、それをネタに義弟と新たな過ちを犯してしまっている。篠原との関係も疑われている。帰りが遅くなると、新たな疑いを持たれるかも知れない。

 鈴口から溢れ出る先走り汁を唾液と混ぜ、棹に塗布し、胸の肉球で扱くように挟み込む。唾液と先走り汁が、ヌチャヌチャと音を立て泡立つ。
「教えたこと、よく覚えているんだな。さあ、楽しませてもらおうか」
 次を催促するような篠原の言葉に、美香は遂に唇を丸く開き亀頭に被せた。唇で締めるようにカリから穂先まで往復させる。
「上達したんじゃなのか。だんなにしてやってるのか?」
「そんなことしないわ。あの人は、あなた達と違って変態趣味はないわ」
「フェラが変態行為なんていったら、最近の女子高生にも笑われるぜ。ははは……。せっかく覚えた男を喜ばせる技も使わなくちゃ、宝の持ち腐れだぜ」
「……」
「さあ、続けな! あまり帰りが遅いと、まずいんじゃないか?」
 美香の心を読んでいるかのように、不安に思っているところを突いて来る。
「ふふっ、今すぐでもソープで働けるな。旦那に愛想をつかされても、十分稼いでいけるぜ」
 美香は、篠原の言葉を無視し行為に没頭した。ジュポッ、ジュポッと音を立て、亀頭を吸い上げる。一刻も早く終わらせ、この場から逃げ出したい。その思いが美香に、積極的に淫技を行わせた。

「んっ? 誰か入ってきたな……」
 篠原の声に耳を澄ますと、確かに足音が近づいてくる。望まぬ来客に、美香の動作が止まる。怒張を胸の谷間に挟み、亀頭に口付けしたまま動きを静止した。足音は、トイレに入って来て個室の前あたりで止まる。
「あああ、買い物に付き合うのも疲れるなあ……」
 男の溜息交じりの独り言が聞こえてくる。
(早く出て行って……。お願い、私たちに気付かないで……)
 美香は、肉棒を咥えたまま気配を殺し願う。ジッパーを下げる音、ジャーッと用を足す音が続いて聞こえてきた。男性の小用が美香には、こんなに長く感じられることは初めてだった。早く終わって! 早く出て行ってと気持ちばかりが焦る。気配を殺し緊張した美香の顔を、篠原はニヤニヤと楽しそうに見下ろしている。
「どうした? 口が疎かになってるぞ」
 美香は怒張を咥えたまま、篠原を睨み付けた。『こ、こんな状況で出来るわけないじゃない』と言いたげに……。篠原は、上向かせた美香の顔を篠原は両手で押さえ込み、怒張を美香の喉深くに叩き込んだ。
「うぐっ、うぐぐぐぐ……」
 美香の口から呻き声が漏れる。
(く、苦しい! うぐっ、そんな、外に人がいるのに……、うぐぐぐ、気付かれちゃう!!)
 焦る美香の口に、篠原は腰を打ち付け続ける。
「うぐっ、うぐっ、うっ、うぐぐっ、うぐぐぐぐ……」
 声を出しちゃダメと思っても、喉の奥を怒張で突かれる苦しさから呻き声が漏れる。
(いやあ! 気付かれちゃう……。く、苦しい! 気付かないで……)

「んっ!? なんだ?」
 個室の何かを打ち付けるような異音と苦しげな喘ぎ声、それに気付いた男が声を上げた。音はしないが、男の気配が近づいてくる。ドア越しにこちらを窺っているのが判る。

「お前、大好きなんだろ? しっかり味わうんだ! そらっ!!」
 篠原は、個室の外に聞こえるようにしっかりとした口調で言う。今までより早く腰を動かし、喉の奥に亀頭を撃ち付ける。ドンッと腰を撃ちつけ、篠原の動きが止まった。棹がドクドクと膨れ上がり、それは亀頭へと達した。
(うぐっ、く、来る……)
 美香が気配を察したのと同時に、ドロドロと熱いマグマのように濃いザーメンが喉奥に撃ち込まれた。
「うぐっ、ごほっ! うぐぐぐっ……」
 口の中をいっぱいに満たす液体に、美香は呻き声を上げる。
「全部呑むんだ! 零すんじゃないぞ、しっかり飲み干せ。喉を鳴らして、その音を聞かせてやれ!」
 篠原は美香の頭を抱え込み、腰を強く押し当てる。
「うぐっ、ごくっ、うっ、うぐうっ、ごくごく、ごくっ……」
 篠原の腰で口を塞がれた美香は、熱く粘り気のある液体を飲み干すしかなかった。

 ……。

 個室の外でも、中と同様に静寂が続いている。外の男が、トイレを離れた気配はない。
「さあ、出るぞ」
 篠原は、さっとドアを開いた。突然開いた扉に驚き、男は後ずさりする。
「さあ行くぞ」
 篠原は、床に蹲る美香の髪を掴み立ち上がらせ、自分は個室の外に出る。美香は、はだけたままのブラウスを手で胸の前で合わせ膨らみを隠し、顔を見られないよう俯いたまま篠原の後を追った。もう一方の手で顎に伝う白濁液を拭いながら、恥辱に顔を真っ赤にして……。

 個室から出てきた二人を見て、驚いた顔の男が美香を凝視する。まさか本当に男と女が出てくるとは思わなかったのだろう。そして、先ほどの音の原因をはっきりと理解した。

 部屋を出る時、チラッと顔を挙げ男の顔を見る。ポロシャツを着た妻に無理やり買い物に付き合わされたらしき善良そうな中年男が、メガネの奥の目を驚きに見開いて美香たちの後姿を見詰めている。幸運にも、美香の顔見知りではなかった。しかしそんなことは美香に少しも安心感を与えなかった。男子トイレでふしだらな行為を行っているイヤらしい女と思われているだろうと、恥辱が募るばかりだ。一刻も早く消えたいと、小走りに出口へと向かった。

 男は、この現実が信じられないとポカーンと美香の後姿を目で追っている。身動きすることを忘れ、愕然と立ちすくんでいる。
「ああ、お気遣いなく。この女がね、私の濃いヤツを呑みたいって言うもんでね。今、呑ませてやったところです」
 篠原は男にそう声を掛けと、ゆっくりと美香の後を追った。

 トイレ出口で、中に残っている男と外の人の気配を気にしながら服装を直している美香。誰か入ってこないか、中にいる男が後を追ってこないか気にしながら慌ててブラウスのボタンを止める。慌てれば慌てるほど指が絡まりボタンが滑る。服装を直している美香に追いついた篠原は、 「それから、弟君とはセックスするんじゃないぞ。あんまり使いすぎて真っ黒なマ○コになったんじゃ、商品価値が下がるからな。じゃあな……」
 篠原は振り返り、出口の美香にそう言い残して駐車場に並んだ車の陰に消えていった。

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