人妻と少女の淫獄
木暮香瑠:作

■ 従わされる女達11

 ランジェリーを手に試着室に入る沙希に、篠原も続いて入っていった。
「!?」
 沙希の顔に驚きの色が浮かぶ。
「着て見せろって言ったんだ。一緒に入らないと見ることが出来ないだろ? それとも、外で見せてくれるのか」
 篠原にドスの利いた低い声で言われ鋭い視線で射られると、沙希を恐怖が包み拒むことを忘れさせた。

「あの二人、一緒に入って行ったぞ、スケベな下着持って……。羨ましいね、どういう関係なんだ? あの二人。女の娘の方は相当若そうだったけど」
「中で始めちゃうんじゃない。止めて欲しいな、精液臭くて、あと使えなくなっちゃうじゃない」
 締められたカーテンの向こう側から、カップルの会話が聞こえてくる。皮肉たっぷりに、わざと聞こえるように沙希を罵っている。

「さあ、着替えてボクに見せて」
 外の会話など無視して、優しい口調で篠原が着替えを促す。しかし、笑顔のその目は鋭く沙希を射抜いている。沙希はその視線に命じられるように、キャミのストラップに手を掛け肩を滑らせた。

 両肩の支えを失った布切れは、するすると若い肌をすべり床に落ちる。衣擦れの音でさえ恥ずかしくなる。上半身はブラだけ、下半身はミニのティアードスカートだけとなった。火照った身体が外気に晒され、羞恥心を煽る。沙希は、スカートを穿いたままスキャンティを穿こうとする。そう、スカートの下には何も穿いていないのだ。
「ブラを先に外して。それからスカートね。沙希の綺麗な身体を見たいな」
 スキャンティを手に取った沙希を、篠原が優しい口調で制した。
「どうしたの? 僕の言うことが聞こえなかった? 聞こえたよね」
 半裸のまま俯き、胸の前で指をもじもじとさせている沙希の顔を篠原は覗きこむ。
「は、はい……」
 二人の視線が合った時、沙希はそう答えていた。

 ブラジャーを外した沙希、その胸の頂上でツンと頭を擡げた乳頭が緊張に震えている。
「乳首、勃ってるね。外に人がいると思うと感じちゃう?」
「だ、だめっ! 言わないで。聞かれちゃう……」
 沙希は思わず大きな声で篠原の言葉を遮る。
「勃ってることは認めちゃうんだ。感じてるんだ。でも、そんな大きな声出したら外に聞こえるよ」
「いやあっ……。聞かれちゃう……」
 沙希は俯き恥辱に真っ赤に染めた顔を弱々しく横に振る。
「本当に可愛いね、沙希は……」
 篠原は、目の前で尖り出した乳首を指で弾く。
「ヒッ、ンウッ……」
 わざと声を上げさせようとする篠原を、沙希は紅く染めた顔で恨めしそうに睨んだ。
「綺麗な肢体してるね、沙希は……。恥ずかしいの? 外に人がいると思うと……。こんなに綺麗な肢体、僕だけが独り占めしてると思うと嬉しいよ」
 篠原は沙希の耳元で囁くように言うと、抱き締め優しくキスをする。その口調は、服を脱ぐ前の威圧的な感じは消えうせ、優しさに満ちている。
(えっ? 私が篠原さんの言うことを聞いてると優しくしてくれるの)
 褒める言葉と優しい抱擁とキスに、沙希の心は乱される。本当に私のことを好きで居てくれる? 愛してくれている? 愛の表現が人と違っているだけなのかもしれない。そんな気持ちが芽生えかけていた。
「さあ、着て見せて……」
 沙希は、うんっと小さく頷き、指示通りスカートのホックを外し篠原に全裸を晒した。

 スケスケのスキャンティとブラを身に付け、自分の姿を鏡に映す。目の前の姿見には十代の若々しい肌と薄い布地に包まれた双乳と恥丘が映されている。水を弾くようなピチピチの肌、贅肉の無い引き締まった腰、すらりと伸びた脚、そして形のよい胸の膨らみを包む布地は乳首は疎かその周りの乳輪まで透かせて見せている。下に視線を移すと、縦長の慎ましいお臍の下には、ブラと同じ生地で作られたスキャンティが恥丘を包んでいる。それは、恥丘とそれを飾る繊毛、柔肌の質感まで見て取れるほど透かせている。そしてお尻は、Tバックの紐が割れ目に埋もれているだけで丸出しになっている。
(こ、こんな……。これなら着ても着て無くても同じだわ。ううん、着た方が恥ずかしい……)
 沙希は鏡から目を逸らし、俯き言う。
「恥ずかしい、こんなの……着れない」
「そんなことないよ、似合ってるよ」
 沙希の後ろで同じように姿見を見詰めている篠原が笑顔で言う。
(似合ってる? ……こんなHなランジェリーが……?)
 恥ずかしさの中、沙希は褒められることで羞恥心を何かが和らげていた。

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