人妻と少女の淫獄
木暮香瑠:作

■ 導かれる性技と身体1

 放課後、昇は沙希のクラスに向かっていた。今日、一日中イライラしていた。朝、義姉に迫った時、強く拒否された。包丁まで取り出され、死ぬとまで言われた。義姉の決心の強さを見せ付けられた気がする。
(もう姉さんを抱けない? セックスさせてくれないのかな……)
 しかし、セックスの快感を知った身体は悶々としていた。女性を見れば、思わず視線が胸や股間に行ってしまう。授業中も、女生徒の背中に走るブラウス越しのブラの線を目で追い、ブラウスの膨らみに隠された双乳やスカートの奥の恥丘を想像してしまう。
(姉さんは犯らしてくれねえし……。沙希でも誘って帰るか。あわよくば……。沙希って、俺に惚れてんのかな? 俺が誘えば……。それはねえか……)
 わずかな期待に妄想を重ね描きながら、昇は沙希のクラスの教室に向かった。

 昇が沙希のクラスの教室を覗き込むと、昇を見つけた沙希のクラスメートが声を掛けてきた。
「沙希なら帰ったわよ、慌てて……。何か用事があるって。昇君とじゃなかったの?」
 昇の目的を察して、声を掛ける前に沙希のことを教えてくれる。昇はいくら唯の幼馴染だと言いはっても、学園内ではそれほど二人の関係は知れている。
「恋人でも出来たんじゃない? 昇君が、なかなかその気にならないから……」
 女生徒は二人の仲をからかうように、ちょっとした意地悪のつもりで言う。
「俺たち、そんなんじゃねえよ。それに、あいつに恋人なんかできねえよ。色気ねえし……」
「そう? 最近、何か綺麗になったし、色っぽくもなったと思わない? ……昇君が思うより、沙希ちゃん、いい女だよ。スタイルだってクラス一だし、人気だって学園内でもベスト3に入るんじゃない?」
 女生徒は、二人が恋人同士になるのが当たり前だと言わんばかりだ。それに気付かない昇にちょっと呆れたような顔をする。
「……」
 昇は何も言えなかった。昇が心引かれているのは、誰にも言えないが兄の嫁、義姉なのだ。
「近すぎて気付かないのかな? 本当に綺麗になったよ、沙希ちゃん」
「…………」
 昇は、更に口を硬くした。
 そういえば最近、沙希の俺に対する態度が少し変だと思い当たる。朝、迎えに来ることも無くなったし、顔を合わせても伏し目がちで声を掛けてくることも無くなった。それどころか、どこか避けている気さえする。
(本当に彼氏が出来た? 俺じゃない誰かと……、幼稚園の頃からずっと一緒だった沙希が……)
 昇の心臓の鼓動が早鐘のように打ち鳴った。
(何故、沙希のことでこんなに……?)
 ただの幼馴染だと思っていた沙希のことで動揺している自分が信じられなかった。昇は、心の動揺を女生徒たちに悟られまいと窓の外に視線を逃せる。視線の先には、校門を出て小走りに急ぐ沙希の姿が見えた。
(!? どこ行くんだ? あんなに急いで……。誰かに会いに行く?)
 自分が知らない誰かと沙希が付き合ってる? そう思うと昇は、寂しさ? 嫉妬? 焦り? 複雑な思いで心がざわめいた。



 沙希は校門を出ると小走りに、校庭沿いの脇道に向かった。そこには真っ赤なオープンカーが止まっている。校門まで迎えに来るって言うのを、沙希が恥ずかしいからと言って脇道で待ってるようにお願いしたのだ。

「お待たせしました」
 少し息を切らした沙希を、篠原は車から降り迎えた。
「どうぞ、お嬢様」
 ニコッと微笑み助手席のドアを開け、女子高生の沙希を紳士的に車に誘う。
「制服姿の沙希ちゃんも、いいね。かわいいよ」
 助手席に座った沙希を眺め、制服の沙希を褒める。篠原の会話は、最初は必ず褒めることから始まる。昇に貶される事ばかりの沙希には、それが心地よく感じる。
「そうですか? 制服を着てると誰でもいいんじゃないんですか? 男の人は……」
 沙希は、冗談で言った。
「そうかもね。男って単純だから……」
「篠原さんもそうなんですか?」
「ボクも男だからね、ふふっ……」
 会話をしながら、篠原は車を発車させた。

「ボクのプレゼントしたランジェリー、今日は着けているんだよね」
 篠原は、車を走らせながら沙希に訊ねた。優しい口調だが、顔は笑っていず裏に強い確認の意図が潜んでいる。今日一日、篠原の指定のランジェリーを着けることを命令されていた。
「……はい」
 もし言い付けを破れば、凶暴な篠原が現れ暴力を振るわれるかもしれない。命令に従っていれさえすれば優しく接してくれる。そのことが沙希に、篠原の命令に従うことを選ばせる。
「どうだった?」
 笑顔になった篠原は、優しく沙希の顔を覗きこんだ。
「恥ずかしかったです。透けて見えてるんじゃないかと……」
 沙希は、ポッと頬に赤みをさした。
「ブラが?」
「あっ、はい。ブラだけじゃなく乳首の形が……」
 ブラウスの胸の膨らみが、いつものブラジャーの時と違い、明らかに尖っている。薄いスケスケのブラは乳頭の形まで鮮明に形を露にしている。
「それに、……スカートの中が、頼りなくて……」
 見えるはずのないスカートの中までクラスメートの視線が突き刺してる気がした。スケベな娘だと思われていないかとドキドキした。そのことを思い出して、沙希はその時と同じように心臓の鼓動を速くした。

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