人妻と少女の淫獄
木暮香瑠:作

■ 導かれる性技と身体2

 誰にも言えない恋愛をしている。恥ずかしいランジェリーを身に着けさせられたり、公園で露出させられ、そして逝ってしまったり……、とても友達には言えない。これが恋愛と呼べるのかさえ判らない。篠原と出会うまでの沙希の思っていた恋愛とは、あまりにも懸け離れたことばかりが起こっている。昇と美香のセックスを目撃したことも、それから沙希と篠原の関係も……、こんなことが起こるとは思いもしなかった。誰にも言うことも、相談もできないでいる。
(わたし、どうなっちゃうんだろう? このまま篠原さんと付き合いを続けて良いのかな?)
 軽快に走る車から流れる風景を眺めながら、そんな思いがふとよぎる。
(今日も抱かれるのかな? どこで? どんな格好で? 変なことさるのかな……)
 恥辱と緊張に鼓動が早くなる。ドキドキする。
(わたし……、恋してるのかな? 昇のこと、忘れさせてくれる? 篠原さんが……)
 セックスしてる時だけは昇のことを考えなくて済む。恥辱と緊張のドキドキと、頭の中が真っ白になる絶頂が、篠原に恋してると思い込ませていた。

 暫く走った車は、ファッションホテルの駐車場に滑り込んだ。



「今日は……危険日?」
 早速、沙希を抱こうと、シャツを脱ぎながら篠原は沙希に訊ねる。
「えっ? どうして……?」
 制服のリボンをモジモジと弄っていた沙希が、ちょっと困惑の表情を浮かべ篠原に視線を向ける。
「やっぱり男って、膣内に出したいんだよね。その方が気持ち良いから……」
 いつもの優しい時の笑顔を沙希に向け、篠原は微笑んだ。
「そうなんだ……」
 膣内に出したいという言葉に、沙希は困惑の表情を浮かべ俯いた。今までは必ず、射精の時は縦裂から男根を抜いて外に出してくれていた。そのことが沙希に、僅かな安心感を与えていた。いけない事をしているという背徳感を、膣出しは許していないということで無理やり許す自分がいた。根拠の薄い安心感で、最後の貞操を守っていると自分に言い聞かせていた。
「膣内出し、してもいいかな?」
「……」
 男性が膣内出ししたがるのは、女子の間でも話題になることがある。
(篠原さんもやっぱり膣内出ししたいんだろうな。今までは私に気を使って我慢してくれてた? 篠原さんの優しさで……。膣内出しって、恋人同士なら当然のこと?)
 そんな思いが頭をよぎり、沙希は拒むことを躊躇する。
「ダメ?」
 篠原は沙希の迷いを察し、さらに問いかけた。
「う、うん……。コンドームを……着けてくれるなら……」
 膣内出しに抵抗のある沙希の、せめてもの抵抗だった。
「コンドームは嫌いなんだよね。何か、一つになった気になれないんだよね。二人の間に、薄くても隔たりがあるような気がして……」
「……ごめんなさい、今日は……危険日だから、膣内出しは……」
 沙希も月経の周期や危険日についても自分のサイクルを知っている。篠原とセックスしだしてからは、更に意識するようになった。これ以上先に進んだらどうなるんだろう……、歯止めが利かなくなることが恐くて、今日が安全日だと知っていたが篠原に嘘をついた。

「そうか……。危険日じゃない時ならいいんだね。じゃあ今日は……、口で、してくれない?」
「えっ!?」
 沙希には、思いも寄らない篠原の提案だった。
(口で? おちん○んを口で咥えるの? おしっこするところを……)
 沙希は、冗談だよって言って欲しくて篠原の顔を見詰める。フェラチオという行為がることは知っているが、とても常識のある人間がする行為だとは思えなかった。
「ねっ、いいだろ? 口なら、中に出しても安全でしょ? 妊娠する恐れもないし……」
 沙希の願いは通じなかった。それどころか、口の中に射精することを提案してくる。妊娠する恐れを理由に拒んだ沙希に、妊娠の恐れの無いことを理由に……。
「妊娠の恐れが無ければ安心だろ? いまどきフェラなんて、中学生でもませた娘ならしてるし……」
(!? 中学生でもしてるの?)
 さも当たり前と言わんばかりの篠原。笑顔を崩してはいないが、目の奥の冷たい光が沙希を射る。
「うっ、うん……」
 これ以上ワガママを言ったら篠原さんがキレルかもしれない、今は優しくしてくれてるけど……。暴力的な篠原と優しい篠原の記憶が沙希の脳裏で鬩ぎ合う。沙希はフェラに抵抗を感じながらも、受け入れるしかないと覚悟した。

「そこに座って! 服は脱がなくて良いよ、口でするんだから。それに制服の沙希が口でしてくれてるって思うと、興奮するから……。男は制服が好きだからね」
 服を全部脱ぎベッドに腰掛けた篠原は、沙希を床に座らせた。篠原の開いた膝の間に座らされた沙希の目の前には、怒張が沙希の口を待ちわびてすでに首を擡げていた。
(これを咥えるの? 口で……)
 口でしてと言われても、どうすれば判らない。フェラって言う言葉は知っていても、それは会話の中で話題になることがある程度だ。沙希には、それ以上の知識は無かった。

「さあ、初めて!」
 篠原の言葉にも沙希は、目の前の肉根を見つけることしか出来ない。そんな沙希に、篠原は怒張を催促するようにブルンッと振ってみせる。
「ど、どうすれば……、どうすればいいんですか?」
 どうしたらいいか判らなくて困り果てた子供が涙目で親に尋ねるように、沙希は潤んだ瞳で篠原を見上げる。
(ふふふ、愛に飢えてるお子様を騙すのは簡単だな。まさかこんなに従順に従うとは思わなかったが……)
 篠原は下心を隠して、沙希を優しい笑みで見下ろした。

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