従兄妹の夏
はるき:作
■ 11
(叔母さんは、イクとき、たしかに僕の名前を呼んだ・・・)
バイブの音はもうしませんでしたが、
「はぁはぁ・・・はぁはぁ・・・はぁぁ・・・」
僕が呆然とトイレの前でたたずんでいると、叔母の激しい息づかいが聞こえてきます。
ビリッ・・・。
それから、ティッシュペーパーを破る音、トイレの水を流すような音、ゴソゴソと叔母が身づくろいをしているような音も耳に入ってきました。
ガチャッ!
ドアを開けた叔母が、右手にバイブを持っていました。
「きゃっ!!!」
思いもかけない事態に、叔母は一瞬状況が呑み込めなかったでしょう。
悲鳴をあげて、愕然としたように身体を固くして立ちつくしたままで、僕もどうしてよいかまったくわからず、気まずい空気が漂っていました。
叔母はノースリーブにミニスカートという格好で、豊かな胸のふくらみ、むっちりした柔らかそうな白い太ももが、僕の目に眩しく映っていました。
叔母は、僕の顔と下半身を交互に見ています。
「あっ!」
そのとき初めて、自分の下半身が剥き出しであることに気づきました。
「修司くん・・・」
「いえ、あの・・・」
「どうしてここに?」
叔母は明らかに狼狽していますが、僕はそれ以上だったかもしれません。
「だってきょうは・・・」
「いつからここに?」
「い、いえ・・・」
僕は震える手で、精液のついたドアを指差しました。
「!!!」
叔母はさすがに驚いたようでした。
「ずっと聞いてたの?」
「は、はい・・・ごめんなさい・・・」
「それで、こんなことに?」
「・・・」
叔母は視線を僕のほうに戻すと、じっと僕の下半身を見ています。
いきり立ったままの僕のモノの先には、白い液が残っていました。
「私、どうしよう・・・」
「あ、あの・・・」
「お願い・・・聖美には言わないでね・・・お願いだから・・・」
叔母は、半分泣きながら哀願していました。
「はい、絶対に言いません・・・」
僕も、射精したことが聖美に知れると困るので、約束しました。
「修司くんは、今のこと、どう思ってるの?」
「旦那さんいないし、叔母さんはまだ若いから・・・」
「ううん・・・もうおばさんだけど・・・」
「いえ、まだまだ若いし、仕方のないこと・・・だと思います」
「じゃぁ、いつもはどう?」
「いつもって?」
「普段の私のこと・・・」
「上品で、きれいで・・・すてきな女性だと思っています」
これは、ほんとうのことでした。
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