青春の陽炎
横尾茂明:作

■ 恥辱責め7

 今日マサルに会った。……死に勝る恐怖を感じた……。俯せに泣きながら、由紀は短い人生だったと感じた。

 泣きながら死ぬことを考えていた。……敏夫に初めて汚された日…、橋の上から飛び降りることが出来なかった。……あの時死んでいれば……、こんな苦しみはなかったのに! 自分の弱さを憎いとさえ思った。

 暴力が恐くて躯を開き、死が恐くて生き恥をさらす……。おのれの精神のあまりの弱さに…、ただ子供のように泣くしかない由紀であった。

 しかし今日マサルに会い心が動いた。……マサル君は私を守るといってくれた。私の情けない姿をみての同情心から出た言葉であっても由紀にとっては一筋の光明と思えた。
心が誰かに縋りたがっている…。精神の崩壊をくい止めようとする由紀の本能が叫んでいた。

 マサルと一年近く接していて由紀はマサルが自分に対し特別な感情を抱いていることを知っていた。
今朝もホームルームの時間に痛いくらいマサルの視線を感じた。しかしその視線は優しく…由紀の常に強張った精神を和らげてくれる眼差しだったのだ。

 由紀はマサルを職員室に呼んで注意したが…、あの時由紀は本能的に誰かに縋りたかったのだろう。
マサルに今度の日曜、女子生徒との料理会に来ない? と誘ったが…、実際は女子生徒は誘ってはいなかった…。いつも由紀に愛しい眼差しを向けてくれるマサルに縋りたかったと今は洞察できる。

(マサルは私を守ると言ってくれたが…現実的に考えマサルがあの敏夫に対し…私を守りきれない…ことは分かっている。でも今はひとときの安らぎが欲しい…)



 由紀はマサルのペニスの固さに我に返った。

 「マサル君、またしたくなったの?」
由紀は微笑みながら愛おしげにマサルの腹を叩くほど反り上がったペニスの裏側を舐め……睾丸を優しく口に含んだ。
そして亀頭から滴り落ちるカウパー液を指ですくい、まるで蜜を舐めるように啜った。

 由紀はおのれの燃え尽きようとするろうそくの炎の光を、一時でもマサルに注ぎ……共に至福の時間を共有したいと願った。

 「先生汚れちゃっているけど……マサル君! 先生のこと可愛がってくれる?」
由紀の目から大粒の涙が零れた……

「先生のこと…すきです」
マサルは小さく言った。

 由紀はマサルに被さるように体を投げ出し、強くを抱きしめた…。
「由紀、…嬉しい…。マサル君のこと…」

「マサル君のこと…、前から由紀もスキだったの」

「由紀にイッパイして……。マサル君がしたいこと由紀にイッパイして」

 由紀は甘えたかった…。今の壊れそうな自分を守ると言ってくれたマサルが愛しくてたまらなかった。
マサルがどんなに恥ずかしい事を要求しても…それは恥辱ではなく愛と感じられるからだった。

「マサル君……、由紀に恥ずかしいことして」
「由紀を泣かせて…。泣くほど恥ずかしいことして欲しいの」

 年下の教え子に有らぬ限りの女の甘えを見せる事で、由紀は狂いたかった。…狂うことで安息が得られるような気がしたからだ。

 由紀はマサルのペニスを喉深く飲み込んだ。喉奥の刺激で吐き気をもよおし恥とともに吐き出したかった。

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