僕の彼女
kyousuke:作

■ 第11話 失踪した母子 3

 雄太は震えは止まらなかった。自分は男でも女でもない存在になったような気がした。深緑のチャイナドレスに身を包んだ女性がベットの上にすわり抱き寄せてキスをする、まるで甘い息を吹き込むような口付けだ。
「大丈夫だよ、たかが子供が普通の方法で出来なくなるだけよ。それにご主人様に感謝しないとね……私の事かい、呼び捨てでもいいからルナでいいわ」
 彼女、すなわちルナはあの2人の両性具有少女の先輩に当たる関係で今ではこの屋敷で少々特殊なHな商売をしている。
「白夢城のオーナーで、早い話がフェチプレイの取り次ぎと場所の提供、アンタのバイト先を見せてあげるよ」
 端末を取り出し操作するとスクリーンにはホストクラブの様な光景が映し出されていた。ホストは恐らく上は大学生から下は小学生低学年ぐらいだろう、服装も海パンに体操服、そして雄太が着ている同じ服装の子もいた。
「アンタは客に触られてもじゃれあうようにしとけばいい。旨く行けばベットの上で一晩ケツにペ○スやディルトーを突っ込まれる程度、無論チップも出るし報酬もある。ただし逃げ出そうとするとこうなるよ」
 ルナが操作すると画面が変わった。画面にはステージの上で大股で開かれた少年が映し出されていた。彼を固定しているのが産婦人科で使用される椅子だ、その上には両性具有の少女が結合部分を見せて上下に腰を動かしていた。
「彼は今最後のSEXをしているの、出し尽くしてからきっちゃうの」
 座位で鳴門の変形型であって既に秘所からは精液があふれ出していた、少女は一旦降りて扱くが出なかった。すると医師が大きなメスを一人の女性に手渡す。画面から音声が伝わる。
『先生! ごめんなさい!! 許しテェ!!!』
『悪い子はお仕置きよ』
 そう言うと彼女は少年のペ○スを掴み根元に刃を入れた。
『アンギャアアアアアァアアアアー!!!』
 血が噴出すが素早く医師が止血器具当てた。少年は気絶したままになる。
「この後は彼は手足を取られて、モルモット……分かるよね…あら?」
 雄太は気絶していてお漏らししていた。
「まあこの程度で気絶しない方が変だから……今日はユルシテアゲルね」
 ルナは静かに言う。
 翌日から雄太の生活は一変した。まず源氏名はユーナにしてもらって接客を叩き込まれた。だがSEXテクは飲み込みが早く一応合格だった。

 さてショカツと本庁の合同捜査は大掛かりとなっていた。そして広域捜査となった今本庁首脳陣は広域捜査課第2遊撃隊の投入を決定していた。この部隊は柊 城介係長を指揮官とする別名”禁じられたリーサルウェポン”と言われる所だったが多少荒いが難事件を解決できるセクションだ。相手がどんな特権階級でも立ち向かう猛者である。この前なんかヤクザとロシアマフィアの抗争を仲裁したほどだ。
「伯父、柊 又三郎氏が調べていた事ですが……知っての通り大掛かりな人身売買と売春をしている組織があります。顧客はいずれも有力者達です」
「つまり手出しは出来ないのか?」
「多少面倒になりますが、強行広域犯罪捜査班らがこの学校を内偵中です」
「有名な学園じゃないか……まさか」
「失踪した子供は戸籍を交換しているんです、始末した人間の戸籍を使用しています」
「では雄太君はそこにいるとでも?」
「そう考えればいいですが、判定するとなるとDNA鑑定など様々な鑑定をしないといけません。美容形成とか受けている可能性もあるのです」
「つまり、女装させられているとでも?」
 女性捜査員の質問に頷く城介。するとショカツの若手が挙手した。
「ガサ入れしてみるとか・・・違法サラ金していた暴力団の? 悦子の元交際相手のシンヤの部屋にあった貸金庫おぼしきキーが発見され、そこからネガやポジ、そして悦子が借りていたサラ金業者が判明してますし……」
「別件か…………どうするかね?」
「やってみますか、あそこは好戦的ですが……いいでしょう」
 こうして数日後、ガサ入れが決行された。その様子はまるでヤクザの殴りこみの様な様相を呈し2回から人は落ちてくるわ、機動隊が暴れるわの大騒ぎとなった。そして彼らは人身売買の証拠も発見したが色々とおまけが付いていたのだ。
「ヘロインから大麻に流行の合成薬物…………ここも多様化してるな〜〜」
「係長、監視ポイントβに動きです。不定期のトラックが屋敷につけました」
「よーし動いたな」
 彼は部下の話を聞いて呟く。

 式 篝(かがり)は歩のクラスメートで彼女が唯一気を許す少女だった。しかし彼女も問題があった。父親と関係を持ってしまった、聞けば彼女の母親は若い男と失踪していた。手紙には離婚届が同封されていたが当初は受け付けなかった、しかしそれも妻が男性の子を宿すと離婚に同意した。それからは男手1つで彼女を育て上げた、篝も父親の愛情に答えて育ったがその愛情が暴走して12歳の誕生日の夜、父親の寝室で処女を捧げた。父親は後悔していた、篝も返って父を苦しめる結果に悩んでいた所で歩が声を掛けて来た。そしてそのモヤモヤで自棄になったが歩と将一としたいと言い出した訳だ。
「どうすればいいのかな? 私」
「今までどおり生活すればいいじゃん」
「歩…」
「私判るんだ、父親の存在って…ほらめったにあえないから一緒にお風呂入ったりしていた事話しているよね。私ももう一歩でそうしていたかもしれないし」
「ありがとう……」
 篝は歩の胸に顔を埋めた。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊