可憐な蕾
横尾茂明:作

■ 捨てられた少女3

「ったく…しょーがねーなー…」
「おい…ぼさっと突っ立ってないで上がれ!」

剛史はサンダルを脱ぎながら少女の背中を押した。
その時…背中の布地を通して少女の柔らかな暖かみが微かに感じられた。
刹那、少女の性の実感に剛史は少しおののく。

「お邪魔します…」少女の口から微かに声が漏れた。
その声には怯えが含まれていたが…清い声は更なる実感へと帰結させていく。

靴を脱ぎ、きちんと揃えてから剛史の後に続く。
少女は台所に通され、所在なげに顔を伏せ佇んでいた。

剛史はテーブルのビールを握り、プルトップを外しながら椅子に乱暴に座る。

唐突に訪れたこの奇妙な成り行きに喉の渇きを覚えビールを一気に飲み干した、味は全くしなかった。

缶をテーブルに置きながら…
「オイ! 突っ立ってないで…座れ」少し怒気を含んだ言葉を投げつけた。

少女はハッとした顔で剛史を目をのぞく…。
そして怯えた仕草で鞄をキッチンの隅に置き、椅子を引いて浅く腰掛けた。

少女は今にも泣き崩れそうなほど肩を震わせ萎縮していた。

剛史は思う…このガキは捨てられたんだと。
金目当てだけで結婚した女の連れ子…借金漬けとなった今、ヤツに愛情のかけらもないはずと何故か感じたのだ。

(ただ路傍に捨て置かなかったのは…ヤツも一応人間だったんだな…)

「お前…沙也加って言ったよな…お袋さんの実家とか親戚はないのか?」

「……………」

「黙ってちゃわからんだろー、質問に答えんか!」

少女は剛史の言葉に怯え…震えながらも切れ切れに口を開いた
「祖父母は数年前に亡くなりました、それと…親戚には…全部…断られました」

「お前…夜逃げの馬鹿オヤジとあちこち廻ったんだ?」
「ったく…最後はいつも俺だ…あのバカ野郎は」

今田は二度と自分の前には現れないだろうと確信に近いものをこのとき感じた。

「でっ…学校は行ってんのか?」

「もう…1ヶ月行ってません…」

「ハーッやれやれ…俺にそこまで面倒見ろってか、ったく」

「お前ら…俺がイヤだつったらどうするつもりだったんだ」
「正直言うと…今田のヤローには貸しはあっても借りはねーぞ!」
「ヤツは俺に取っちゃ疫病神なんだ! ったく」

「さー…分かったなら出てってくれや」
「俺にお前らの生活まで面倒見る義理はねーからさー」

剛史は少女を見据えて腕を組んだ。

少女の怯えは頂点に達した…そして大きくブルッと震え剛史の腕の辺りを見ながら大粒の涙を零し始めた。

(ったく…まいったなー、あのヤローは)
少女の純な涙にさすがの剛史も少し心が痛みだした。

(しかたがないか…ガキにゃー罪はねーもんな…)

「よし…分かった、もう泣くな」
「さーお前も疲れてるだろう、今夜は遅いから細かい話は明日だ!」
「お袋が使ってた部屋が空いてるから、今夜は取り敢えずそこで寝な」

剛史は少女を連れてトイレの場所を教え、亡くなった母の部屋に連れて行き布団をしいてやった。

剛史はそのままバスに行き湯船に浸かる。

(さてと…どうしたものか)
(放り出せば…あの可憐さ…すぐに餌食だよなー)
(かーっ勿体ない、あんな美少女はまずはいねーもん)

(頂くとすっか…今田公認だし…)
(しかし…可憐だよな、あんな美少女をいたぶりながら突っ込むなんざ…クーッ…おっ! 考えただけで…)

湯面に怒張したペニスが揺らいで見える。
(よし! 頂くぜ…それも鬼畜にな)
(中学2年生だったな…無垢な少女かー、こりゃ仕込むのが楽しみだ)

(しかし…中学には一ヶ月も行っていないと言ってたなー)
(今田の野郎は…何やってんだか)

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