可憐な蕾
横尾茂明:作

■ 夏の盛り9

次の日少女は学校を休んだ、学校には剛史が電話を入れた。
目的は石田徹の住所を聞き出すためである。

電話応対に出た担任は、保護者が3年生の住所を聞き出すことに怪訝を感じ、沙也加に何か有ったのかをしつこく聞いてきた。

剛史はそれには曖昧に応え、石田徹の住所をなんとか聞き出すことが出来た。

それからの剛史の行動は早かった、すぐに石田の家に乗り込み母親に会い、事のあらましをぶちまけ診断書を見せた。

驚いた母親はオロオロしながら亭主に電話を入れ、ヒステリックに電話口で叫んでいた。

1時間も待ったとき亭主が帰ってきた。
亭主は警察沙汰にはしないでほしいと頭を畳に擦りつけ、示談を申し入れてきた。

剛史は冗談じゃないと叫び、お前らの息子の精液を証拠に今から警察に行くとさらに脅した。

結局一千万で決着をつけ、徹の新学期からの転校も約して家を出た。

家に着いたとき沙也加はいなかった。
剛史は何故か不安になる。

オロオロしながら家中を探したが少女はいない。
表に出てみた、鉢植えが水に濡れていた。
それを見て剛史はホッとする。

剛史は昨夜の医師の言葉を思い出し駅前の産婦人科医院に向かう、そして道すがら今の不安の素は何であるかを考えてみた。

少女が消えてしまいそうな感覚…不安の素はどうもこれらしいとは分かったが、なぜそう感じるのかは…感覚としか言いようがなかった。

剛史は、心の深淵に澱の様につもっていく不安を嫌悪な感覚で感じとっていた。

少女を愛してしまったのかと自分に問うてみる。
何を馬鹿なと頭は否定しても…少女のいない生活はもう考えられないとも感じた。

(沙也加を愛してしまったのか…)

病院の扉を引き待合室を覗く。
待合室に少女の陰は無かった。

またもや不安が胸をよぎる…昨夜はあんなに酷くぶたなくてもよかったものをと後悔に胸が痛みだした。

剛史は肩を落とし踵を返そうとした刹那、少女が診察室から出てくるのを目端にとらえた。

不安は急速に氷解していった…。


病院からの道すがら…少女は手を繋いできた。
剛史は人目もあり一端はふりほどくが…少女は再び繋いでくる。

今度はそれをそっと握り返し、少女の顔を見た。
少女は剛史を見上げ、少し微笑んだ。


夏休みが始まった。

あの日から…剛史が急に優しくなってきたと少女は思う。

慰謝料の一千万は沙也加名義の銀行口座に振り込むよう計らってくれ。
通帳・印鑑・キャッシュカードを沙也加に渡すとき…
「大学に行くまでは…あまり使わないようにな」と優しく言いながら手渡してくれた。

また家の中では裸でいなければならなかったのに、あの日を境にそれも許された。

生理が終わり、すぐに剛史はSEXを求めてきたが…もう今までのような恥ずかしい鬼畜な行為には及ばなかった。

剛史の抱擁は…何かを埋めるような慈しみに満ち、少女は剛史に愛され始めていることを自然に理解した。

毎日だったSEXが1日おきになり…8月に入ってからは3日おきになってきた。

少女は時間をもてあます…剛史は顧客の中間決算の処理で忙しいのか事務所に閉じこもったきりで、食事時にしか姿を現さなかったから。

図書館に行ったり駅前の商店街を散策しながらその日を寂しく送るなか…失踪した父を求めるのか新聞の隅々まで細かく目を通す癖がいつしか少女には定着していた。


「沙也加、仕事の方はようやくケリが付いたよ」
「1週間ほど暇が出来たから何処か旅行にでも行こうか」

剛史は仰向けになりタバコを吹かしながらコンドームを少女に着けさせているとき…唐突に切り出してきた。

「ホント! …わーっ嬉しい」
少女は毎日の単調生活に飽き飽きしていたからか剛史の誘いに胸が明るくときめいた。

目がキラキラ光り、その愛くるしいまでの可憐な微笑みに剛史はまた見つめてしまう。

(もう…離したくない…)

これほどの可憐な蕾が…嬉しげに口を吸ってくる。
剛史はそれに応え少女を強く抱く。

くねった舌を絡ませ鼻を鳴らす少女…胸を柔らかく当てて剛史の胸に甘える少女。

「沙也加…そんなに嬉しいのか」

「うん! お父さん…最近ぜんぜん相手してくれなかったんだもん…」

「そうか…嬉しいか、よかった」
「お…おい、そんなに玉を強く握るなよ」

「ご…ごめんなさい…つい嬉しくて…」
「だって4日ぶりだもん…」

こんな可愛い少女に抱きつかれSEXを求められるとは…。
剛史は少女にどんどん傾倒していく自分にまたもや不安を覚え始める。

少女は体を起こし、剛史の腰に馬乗りになった。
そして固くなったペニスを握り、己の性器を見ながら亀頭でクリトリスを擦り…はにかむように上目遣いで剛史を見つめた。

「お父さん…もう…入れてもいい?」

可憐な顔で聞く少女…その幼げな顔と求める内容のギャップに剛史のペニス否応なく怒張した。

少女は膣入り口を探すように亀頭を上下に動かし、あぁぁといいながらゆっくりと腰を沈めていく。

亀頭が柔らかなチューブに包まれる感覚に剛史も同様にうめいた。

少女は目を瞑り、性感を探るように腰を上下に動かし始めた。
剛史のところからその結合部は生々しく見えている。

小陰唇が可愛く開き…クリトリスが際だち、膣粘膜がペニスにキッチリと巻き付いた構図は…何度見ても心をトロかすには余りあった。

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