可憐な蕾
横尾茂明:作
■ 夏の盛り10
「お父さん…この早さでいい?」
少女が目を開けて微笑んだ、剛史はそれに応えるように下から腰を突き上げる。
「あぁぁん…お父さんたらー…」
「あぁぁ気持ちいい…」
「お父さん、沙也加こんなこと毎日したいよー」
ハッとするほどの知性を漂わせる表情…可憐の極みを見せる表情…性の悦楽にとろけそうな表情…不思議なほどに変化するその妖精の表情から、心の深淵を読もうと剛史は何度試みただろう…。
その答えはいつも…解らないで終わる。
その神秘さがさらに少女の魅力を形作っていく事に剛史は危惧さえ抱く…。
(もう俺では…この少女は統御できないのかも…)
少女は体を倒し…剛史の唇を吸い始める。
その淫乱に満ちた吸い方…性に溺れ性感を享受するための飽くなき少女の探求。
クリトリスをペニスの背で擦って悶えはじめる少女。
その緩急をつけた腰の振りはまるで娼婦の巧みさだった。
少女の賢さは性の行為にも及んだ、たった2ヶ月でどんな行為をしたら剛史は喜ぶのかをこの少女は完全に会得してしまった。
「お…お父さん…」
「もう…沙也加いきそうなの…あぁん恥ずかしいよー」
「お父さん一緒にいこうね」
「旅行にか…」
「あぁん、お父さんのイジワル…」
「あぁぁぁ…こんなに気持ちいいなんて…」
「沙也加…今夜は何回もしたいよー」
クチュクチュと陰湿な性音が部屋に流れる。
剛史も腰奥にフツフツと弾けそうな快感が沸き上がり始めた。
少女が一瞬止まり、そしてブルッと可愛く震えた。
「ふわぁぁぁ……」
奇妙な呻きをあげて体を大きく後ろに反らす。
膣がキュッと収縮する…。
悲鳴が断続に変わり、剛史の腰上でジャンプするように少女はケイレンしはじめた。
(クーッ…たまらん、あっ、俺もいく…)
剛史も耐えていたものを頂点で解放する。
「くぅぅぅ…うっ、うぅぅぅ…」
剛史はうめきながら腰を上方に突っ張った。
少女は快感に耐えられないのか剛史の胸に顔を埋めて泣くように震えた。
…2回…3回…4回………
少女は断続のアクメに身を震わせて膣を次々に締め付けてくる。
「アウッ、アッアァウ…ワッアワ、ハァァァ…」
10回も数えたとき少女の膣が徐々に弛緩していくのを感じた。
「沙也加、今日はいつもより…長かったじゃないか」
少女は胸に顔を埋めたまま…
「お父さん…よかったよー…」と小さくつぶやいた。
剛史は少女の髪を梳く、顔にかかった髪をまとめて耳上に掛けて少女の顔を露わにする。
上気した少女の顔は、妖精顔に戻っていた。
その口を微かに開けて目を瞑る様は…外出に疲れ母親の胸で午睡する幼子のよう…。
可憐さと娼婦の二面性を持つ少女、その自然な少女の雰囲気は剛史にとって何にも代え難い神秘的な魅力に映った。
少女が目を開けた。
もう可憐に光る少女に戻っている。
甘えるように眉を下げ、真っ白な歯を見せて微笑む少女。
剛史はたまらず体を倒し、少女を抱きかかえて唇を吸った。
それに少女も可愛く返してくる。
「沙也加…何処に行きたい?」
「何処にでも連れていってやるから…言ってみな」
「……んーと…」
「外国でもいい?」
「いいとも」
「でも…パスポート、今からじゃ間に合わないよね…」
「あっ、そうか…」
「私…東京から離れたことないから…わかんない…」
「んー思い切り遠いところでもいい?」
「あっ、沖縄がいい…」
「沖縄か…そう言えば俺もまだ行ったことがなかったなー」
「よーし、沖縄にしよう」
「明日ネットで調べてホテルとレンタカーを予約するか」
「思い切り豪勢に楽しみたいな」
「嬉しい…私…飛行機初めてなの…」
「お父さん、沙也加すごーく楽しみ」
二人はじゃれ合う様に抱き合った。
「お父さん…もう一回…したい…」
動きを止め少女が上目遣いに甘えるように聞いてきた。
「おいおい…今したばかりだぜ…そんなすぐには…」
「それより今からインターネットで沖縄のこと…ちょっと調べてみようか」
「そうね…」
二人は起きあがり、裸のままパソコンの机に向かった。
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