家畜な日々
非現実:作
■ 〜追記調教〜2
連れて行かれた所は、部屋の右隅だった。
そこの壁だけには、幾つかの大型円環が並んでいる。
「牛が出産をする時に暴れないよう、首輪や両足の鎖をここの円環で繋ぐための物だ」
「そんな」
「こういう風に」
首輪のリードを、円環に繋いでしまった。
歩き回る事も出来ない。
「これを付けるのを忘れていたんで、戻ってきたんだ」
巨大な黒いポンプを、手で叩いてみせる。
何だろうと、不思議だったものだ。
この小屋の中で、唯一の機械らしき物。
隣に無造作に置かれていたホースを手にして、ポンプの蛇口みたいな所に取り付けた。
「さぁ吸ってみろ、出来るだけ強く」
「?」
何事か解らずまま咥えさせられたホースを、思い切り吸う。
ゴクリ、ゴクリゴクリ……!!。
(水っ!!)
解った途端、夢中でホースを吸い、水を身体に取り入れた。
紛れも無く命の水。
「せっかく手に入れた家畜が脱水症状になったら、元子も無いからな」
「ふぅ……ふぅぅ〜〜〜」
ホースから口を放して、潤いに満足する。
そんな様子を見下ろしていた大野は……。
「いいなぁ良かったねぇ、雌奴隷由紀?」
「い、言い訳が……ないっ!」
途端、ドッと汗が全身を吹き出た。
暑さではなく、羞恥のせいだ。
「住むにあたって、もう1つ必要な物がなるな?」
小屋の外へと出て行った。
その隙にもう少し水をと、ホースを口で手繰り寄せようとする。
「気に入ったようだな?」
大野の言葉で、私は我に帰る。
30cm程の金具タライを持っていた。
中には、何かが入っている。
私の目の前に、タライが置かれた。
「……?」
「解るかい?」
タライの中は、ワラが薄く敷かれいる。
(意味が解らない……いや、コイツの思考なんて解りたくもないっ。)
「トイレだよ、雌奴隷由紀専用のトイレ」
「…… ……っ!?」
「便意を我慢するのは、例え雌奴隷でも無理だろう?」
「ちゃ、ちゃんとしたのでっ!」
ここまで堕ちる訳にはいかない。
これでは本当に、人間ではなくなってしまう……。
私の意を読んだのだろう、大野はせせら笑いをしながら言い放った。
「お前は雌奴隷由紀で、他の何者にもなれない」
「ヒドイォぉぉーーっ!!」
私はたまらずに叫び、ボロボロと涙を落とす。
決して男の前では、泣かない屈服しないと決めていたのだが、敢え無く陥落する。
「泣き叫ぶその姿は、家畜そのものだな」
「あぁぁあぁああっぁあん」
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