家畜な日々
非現実:作

■ 〜追記調教〜13

私はアイツの足元で、生まれて初めての土下座をしていた。
そして、涙声で必死に哀願する。

「お願いしますぅぅ〜〜、お願いしますぅっ!!」
「……」
「お願い……よ…ぉぉおぉ〜〜〜」
「駄目だ」
「うっぅっぅ……うぁぁ〜〜」
「雌奴隷のトイレといったらコレに決まってるだろう」

足でコレを小突いた。
私は地に伏せて、頭を大きく左右に振る。

「お前は何だ、お前は何ていう名前だ?」
「っくぅぅ、んぅ〜〜〜」
   ・
   ・
   ・
   ・
姿見の目の前だった。
後手に廻され、手枷で拘束されている両拳を固く握る。
整えていた爪が手の平に食い込むが、今はあまり痛みは気にならない。
M字開脚で立つ私は、体制を保つので精一杯。
タイトミニの真ん中スリットが開かれて、お尻丸出しのまま突き出している。
あまりの苦しさで、顔が醜く歪んでいる事だろう。
全身は汗だくで、ガクガク大きく震える。

「く……くっ、うく…〜〜〜んぅ!!」

私の口からは、激しい呼吸と呻き声しか、もう出ない。
眉間にシワを寄せて目を懸命に瞑り、カタカタと鳴る歯を抑えられず……。
苦しい、とにかく苦しい。
……必死に我慢する。
お尻の真下には例の、ワラが薄く敷かれた金具のタライ。
アイツは3本目の煙草を咥えながら、目の前で悠然と椅子に座っている。

(〜〜ん……っぅ〜〜〜ぅ)

呻き声は……もう言葉ではなかった。
グゥ、グルルゥ。
そして大きくお腹が鳴る。
もう……括約筋を閉める力すらもう無い。
次第にお尻から臭いが立ち込めてきた。
悪寒が走る。
もう無理……この苦しさから解放されたい。
そう思った瞬間。


決壊した。

心も身体も人権をも。

残ったのは、タライから立ち込める異臭。

のみだった……。


もう枯れたと思っていた一筋の涙が、頬を伝った。
何も考えたくない。

頭がぼ〜っとしている。
一睡もできなかったせいではない。
取り返し付かない行為を、他人に見られたショックのせい……。
人間として、やってはならない事だった。
人権を剥奪された。
記憶から打ち消したいものだが、異臭がそれをさせない。

あれから「好きに使え」と、汚物が残ったタライを残してアイツは消えてしまった。
私はリードが続く限り、タライから遠い所で横になっている。
でも臭いからは逃げられない。

ガタッと扉が開くが、焦点はをただ天井を見つめていたまま。
アイツがリードの鎖を円環から外している最中も私は、ただただ天を仰いでいたまま。
グイッとリードが引かれて、首輪が締まる。
無言のまま四つ這いになり、アイツの引く後へと着いて行く。
姿見の目の前で足が止まった。

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