家畜な日々
非現実:作

■ 〜家畜として〜3

小屋を出る前…… ……。
繭様の手で私の髪はポニーテールにされていた。
クネクネとお尻を振りながら、調教の成果である雌豚歩き。
お尻のバイブ擬似豚尻尾も、ポニーテールも大きく左右に揺れている。
繭様のリードに引かれながら四つ這いで、ブラブラとリングを揺らし続けて階段を降りていた。
これから繭様と過ごす時は、繭様とご主人様が住まう家の地下室。
冷たい階段を降りきり、地下室を見回した。

どす黒いコンクリートの壁・壁・壁・壁。
四方の壁には、拘束するフックや円環が並ぶ。
脇には、様々な鞭や何に使うのか解らない、拷問道具が設置されていた。
天井には滑車や、様々なフックがぶら下がっている。
中央に、大きな液晶テレビと、ビデオカメラ。
ベッドもあるが、四方に拘束具が4つ。
そして、和式簡易トイレ……。
(トイレ……あるんだ)
少し安堵する。
一番目を引くのが、馬の形をした木製の乗り物(?)。
乗る部分は、三角の尖っていた。
(聞いた事ある……アレが三角木馬?)
ぞっとする……。

「寒いでしょ?」
「え…ぇえ」

どうやら換気や冷房が充実しているようで、確かに身体は冷えていた。
ただ云われるまで気付かなかったのは、私が家畜として興奮しているから……なのだろう。

「これを着せてあげる」
「ぇ……あ、ありがとうございます繭様」
「ふふふ、従順な雌豚は好きよぉ?」
「ンぅん〜〜」

繭様が頭を撫でてくれる。
無意識に鼻が鳴った。

身体に生地で覆われる。
薄い黒色のキャミソールは、オール・シースルー。
身体全身が殆ど丸見えになるほどの、シースルーだが裸よりはマシだった。
繁々とキャミを眺めていると、一気にリードが引っ張られた。
首が絞まり、意識が飛びかける。

「んっぅっぉっ!!」
「来なさいな、雌豚由紀の言葉でここにある物を説明しなさいっ!」

「甘えは許さない」声のトーンが、そう告げている。
冷酷さが伝わる視線が、射抜くように見下ろしていた。

「壁と天井にあるのは、何に使うの?」
「……め、雌豚由紀を吊るす…物ですぅ」
「そうね、いろんな格好で吊って欲しいのねぇ?」
「は、ぃ」
「じゃあ、あっちよ」

コツコツと繭様のピンヒールに続き、ペタペタと両手両膝でリードの赴くままに。
完全に支配されていた。

「真ん中のテレビと、カメラは何に使うのぉ?」

少し考えるが、結論は普通に使う訳が無い。

「雌豚由紀を撮る為…ですか?」
「賢いわねぇ雌豚由紀はぁ、これは雌豚由紀の飼育記録と観察の為よねぇ?」
「うぅ」
「ただ飼育するのもつまらないでしょ、雌豚の観察もしてしっかりと勉強しないとネ」
「……ぃ」

よく解った気がした……。
ご主人様よりも、女である繭様の言葉責めは容赦が無い。
全てが的確で、私の心を完璧に壊す。
カツカツ……ペッタペタペタ。

「あのベッド、普段は誰が寝る物?」
「雌豚由紀……?」
「違うわ、アンタがあそこに寝る時は、調教の時だけでしょっ!。
アンタの立場は、何っ!?」
「ぃぃぃ〜〜うぅぅ…くぅ〜〜」

繭様の片足が、体重を掛けて背中に乗っかった。
細く鋭いヒールが、背中に食い込む。

「お、お許しくださぃ〜〜…繭様の寝る物ですぅ〜〜〜ぅぅ」
「そ、雌豚由紀が寝る訳ないでしょ?」
「はぃ〜〜」
「うふふ」

片足は降ろされたが、ヒールが当たった背中の一点はジンジンしていた。
一度リードが引かれた後で、繭様は歩き出す。
「動け」と云っているのだ。

「コレ、凄いでしょう?」
「……はぃ」

顔を上げると、目の前には三角木馬……。
四つ這いで近くに来ると、本当に巨大な物だった。
顔を戻せば、木馬のお腹すら見えない。

「何してるの、説明はっ!?」
「は、はぃぃ〜〜」
「コレは?」
「……三角木馬です」
「で?」

楽しそうに促す繭様に、一方私は真っ赤になりながらも続けた。

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