家畜な日々
非現実:作

■ 〜家畜として〜17

「さて繭、ユウジ君をどうする?」
「そぉね……」

私の隣に正座させられている、繭様の彼ことユウジさん。
イケメンの顔が引きつっていた。
それもその筈、彼を見る繭様の視線は、私を見る視線と共に同じだったのだ。
この親子の恐ろしさを知っているのだろう。

「雌豚との交尾は写真撮ったけど、これだけじゃ裏切られるかも?」
「そうだ、共犯になってもらわねばね」
「もしくは、雄の家畜にしてしまったら?」

ユウジさんの肩が、ビクッと震えるのが解った。

「それも面白いな……なぁ、ユウジ君?」
「か……かん、べん…してくださいよっ!」
「ユウジは私を裏切ったのよ?」
「そ、それは…この女、この女がっ!!」

全員の視線が、私に浴びせられる。
確かに誘ったという過ちを犯したのは、この私。

「でも、それに乗ったはユウジ君だろう?」
「……そ、それは……そ、の」
「だから雄豚にしちゃおうよ、パパっ」
「……待ってくれ繭っ…ぼ、僕は裏切らない。
なん、何でもするからっ……そうだっ!!。
この村の実権を、裏で握れる様に取り計らう!。」

待ってましたというような満面の笑みなご主人様。

「なるほど、それなら共犯になってもらう形で」
「えぇ〜〜、つまんなぁ〜〜ぃ」

渋る繭様を手で制して、ご主人様が続ける。

「とりあえずユウジ君の処遇は決まった、次は家畜雌豚の由紀だ」
「ぅ……あぉ」

許しを請いたいのだがボールギャグからは、はしたなく涎が垂れるのみ。

「繭、コイツをどうしたい?」
「この雌豚、こんな成り下がってでも私の大事な物を奪っていくなんて。
もう、完全に壊してやりたいよっ!。」
「よし決定だ……雌豚由紀の身体を壊してしまおう」

四つ這いのままで逃げようとするが、歩行すらままならない三点拘束。

「…ぅ…ぉ、ふっぅ……」
「どうやって?」
「人目に出るのも逃げるのも、自ら嫌になる位の肉体改造だ。」
「うふっ、イイじゃないソレって」
「一気にはやらない、徐々に施してゆき、最後はボロボロにしてやろう」

そう言った後、ご主人様は冷酷な瞳をユウジさんへと向けた。

「勿論、執行するのはユウジ君、共犯となる君。」
「え……僕?」
「そうだ、さっそく今日の夜、病院を使うぞ?」
「……ぇ?」
「くくく、私は裏の支配者、だ……ろ?」


深夜2時を回ってから、私は敷地から初めて外へ出ていた。
私を乗せた軽トラックは、結構な距離を走ってようやく目的地へと着いたらしい。
「村?」の中心地なのだろう、ここへ連れられて初めて見る家並み。

「降りろ」
「……はぃ」

軽トラックの荷台から云われるまま降りた。
着衣は男性用の白いロングコートのみで、勿論裸足だ。
目の前には繭様とご主人様で、その向こう側に見えるのが病院なのだろう。
都会の町医者みたいなのをイメージしていたが、2階建てのレンガ造りと、以外にも大きい。
繭様が無言で、首輪にリードを付けた。

「さぁ、歩きなさい」
「ぁ、ぐっぅ!!」

ジャラジャラとリードを鳴らしながら、周囲を確認しつつ、2人の後へと着いて行く。
(誰も、居ないよ…ね?)
照らされた月明かりがリードを妖しく光らせ、さすがに気が気ではない。
病院っぽいガラス扉から、ユウジ「様」が姿を現した。

「準備も出来てる…… ……から、早く入って!」
「私に命令する気かい?、ユウジ君?」
「い、いや……すまない」
「まぁいいか、寒いしさっさと入ろう繭」
「うん♪、さぁ雌豚由紀もいらっしゃい?」
「ぅぐ…っ!!」

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