家畜な日々
非現実:作

■ 〜変態調教〜16

その夜の生活調教も終わった頃、ムネ社長が小屋に現われた。
突然の来客だった。
対応したご主人様は、ひどく驚いていた。

「いゃ〜〜〜どうも……」
「これはムネ社長?」
「ユウジ君から聞きましてね〜〜〜、何でも金さえ払えば極秘でアノ子を自由に出来るとか?」
「…… ……それはユウジ君が?」
「えぇって…あれ、違いました?」

空気を呼んだのだろう、ムネ社長の語尾が鈍った。
確かにご主人様の顔色は激昂に近い。

「すいません、ちょっと待ってもらえます?」
「え…えぇ……」

ご主人様は携帯を取り出して、恐らくユウジ様へと掛けた様子。
電話はすぐに掛かり、会話が始まった。

「どうも」
「どうしました?」
「君ねぇ……」

音声が筒抜けとなっているのは、外部音声にした為だろう。
ユウジ様は何も知らない、その呑気な声が耳に入って来る。
かなりタメを作った後に、ご主人様は言葉を繋いだ。

「先に云ったよね、雌豚由紀の存在の事を」
「ぇ……ええ」
「他に口外しないって事も?」
「ええ」
「じゃあさ、今ムネ社長が来てるのは?」
「っぃ…ええぇっ!?」
「破ったね……約束」
「…それは、その…そのっ!」

当たり前だがご主人様と繭様以外に私の状況を知る者は、ユウジ様しかいないのだ。
そして電話越しのユウジ様には心当たりがあったのだろう、シドロモドロに言葉を失っている。

「ユウジ君……君、こういう状況解ってる?」
「はいっ、はい勿論ですっ!!」
「弾みで口を滑らせたらどうなるかもかい?」
「は……ぃ」
「君は私達の何?」
「……え、と……その……」
「何だっ?」

電話越しで声を荒げるご主人様に、隣でビクビクと様子を伺っているムネ社長。

「大野さんは……権力者……影の……です」
「そうだ、軽はずみな言動は慎んでもらいたい」
「ス、スイマセン……」
「ペナルティが必要だな?」
「ぇ?」
「今後、下手な事をしないようにしてもらう為だ」
「……」

少し考えてからご主人様は言った。

「君は、刺青業者を見つけるまで出入り禁止だ」
「ぇ?」
「無論、繭に会う事も禁止だ」

ユウジ様の声は聞こえなかった。
更にご主人様は付け加える……。

「ムネさんには金を払ってもらえば、君よりも優遇された会員とするよ。
会員はいいぞ、1回3万で使いたい放題だ。」

ご主人様の思いがけない言葉に、ビクリと私は身体を震えさせた。
同時にムネ社長も、ポカンと口を開けたままご主人様を見据えている。

「そ、そんな……」
「ゴタクはいい、君はさっさと刺青業者を探す事だ」
「……」
「逆恨みしたらどうなるか解ってるだろう?」
「……はぃ」
(ご主人様は捕まる事なんか恐れてないんだ……)
「くくくっ、じゃあ……業者が見つかるまで頑張ってくれたまえ」
「ま、繭さんと…話させてくださいっ!」
「私から言っておくよ」

そう言って、一方的にご主人様は電話を終了させてしまったのだ。
ご主人様は容赦はない。
そして、ムネ社長へと向きなおる。

「そういう事だムネさん、雌豚由紀と関わりたいのなら一切の口外は無しだ」
「…… …… ……」
「実際ムネさんは、もう関わってるがね?」
「……承知の上です」
「さすがは大人だ、なら話は早い」
「…… ……私には身よりも無く家族もありませんから」
「よろしい、会員としてお迎えしましょう」

真剣な2人の男が頷きあっていた。
運命共同体ってやつだ。

「ユウジ君の事はさて置き、本題に入りましょうか?」
「……えぇ」
「会員は月20万頂く、その分1回使用料10万の所を使いたい放題で3万にしますよ」
「払います、会員にさせて下さい」

即答だった。
ここを訪れた時から、ムネ社長の意思は固まっていたのだろう。

「よろしい、では明日手渡しで」
「はいっ、よろしくお願いしますっ!」
「諸注意は、言わなくても解ってると思うが口外しない事。
それと、何時でもと言ったが無理な時もある事。」
「承知しております」
「ふむ、いい回答だ」
「はは……」
「では、今日は取り合えずお引取り願いたい。
色々とゴタゴタがあったので……ね?。」
「はい、また後日」

4人目の主様が選ばれた。
私は、変態家畜の雌豚由紀は、月10万の1回使用料3万の価値でムネ様を迎えるのだ。
不思議と気持ちは昂ぶっていた……。
身を捩じらせこれからお世話になるムネ様の背中を熱く視線を送っている私は、雌豚由紀。
これからどんな事が起こるのか……。

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