家畜な日々
非現実:作

■ 〜刺青〜8

「くくく、どうだお嬢ちゃんよぉ?」
「……」

言葉にならない。
ゆっくりと釣られたその場で、後ろ向きに回転される。
背中とお尻が映し出された……。

「凄い出来栄えだ、想像以上の卑しい刺青ですよ〜」
「ああ、凄いなムネさんっ!」
「えぇ〜〜〜、凄いなんてものじゃない……」
(な……んて…刺青…… ……なのぉ)

姿見に映る姿を……私は呆けながらも……釘付けとなっていた。

(凄いんだね、刺青……私の身体…なん……だ)
決して直視出来ない絵柄だった。
私は見た瞬間、アノ言葉を思い出していた。
佐治さんの…… ……。
「諦めた方がいい」
「今から彫る刺青とは……そういうもんだ」
(アノ言葉、本当だねぇ)
吊られたまま、私は全てを受け入れる「気」になった。
だって…… ……。
もう、戻れないもの。
勇気を出して救い出されても、その後の私は未来が見えない。
誰も私なんかを注目してくれない。
あれほど合コンとかで、媚び諂った男達も見向きもしない。
親も……泣くだろう。
ゴメンネ……ホント、ゴメンネ……。
だったら……。
(私を必要としてくれる主様達に付いて行く方がいいんじゃない?。
だって……必要の無い娘って、死にたくなるでしょ?。)
生きている以上、誰かには必要とされたい……。
(そうでしょ?)
思考が精神が狂った訳ではない。
吊られながら、姿見に映るその刺青を見ながら……私は冷静だった。
それほどの刺青。
(凄い事になっちゃった……私、教えて欲しい?)

まずね……。


「緑色の大蛇」……よ?。
お尻の谷間、ア○ルから出てきた蛇はね?。
左足の踝まで下がりながら3周も巻き付かれちゃった。
そのまま内股を一直線に這い上がってきた大蛇はね……。
私のオ○ンコに間近で止まり、そこを……オ○ンコを舐めるようにチロチロと真っ赤な舌を出してるのよ?。
まるで本物の大蛇が私のお尻から出てきて、左足の踝まで巻きついた後、内股を一直線に……。
目指すは……私のオ○ンコ。
そこに、長い舌をチラつかされてる……。
(凄いよね?)


もう1つはね…… ……。
可愛いアゲハチョウ。
紫を主体とした赤と黒の可愛いアゲハチョウだよ?。
両太股の付根に掛けて、恥丘に描かれてるの。
すっごいドギツイ色のアゲハチョウでしょ?。
でもね、これにも仕掛けがあるんだ……凄いんだよ。
腰を振る度にね、この恥丘のアゲハチョウが羽ばたいているように見えるんだから。
(凄いよね?)


あとはね…… ……。
左乳房の下にね……凄い成長したタランチュラ。
黄色と黒の気味の悪い着色なんだよね……^^;。
でね……糸を吐いてるの。
左右の乳首にね。
乳首が獲物みたいにね、乳輪に小さな蜘蛛の巣が張られちゃった。
(凄いよね?)


それにね、字も書かれちゃったよ?。
左尻にね……「変態家畜の雌豚由紀」
右尻にね…… ……パパとママの名前が彫られたの。
佐治さんの手書きだから、ちょっと汚い字だけどそれが凄いリアルなの。



ね…… ……。

凄いでしょう?。

だってね、これが私の身体に掘られてるんだよ?。

諦め付くじゃない?。

私……ここなら……居る意味があるんだって……ね。
この刺青、私、大事にしたい……なぁ。

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